2025-02-08 17:58:45
767文字
Public スミイサ
 

暁日

12/15 ブレバザ2の無配でした。本編後、豪華客船での一幕。


 「それでルル、未来から来た、未来戦士ルルになった!」
 ルルはそう言って小さな胸を自慢げに張った。
「それじゃあルルとお前は同じ力を使って時間を遡ったってことなんだな」
 ブレイバーンの残したコアをタイムマシーンに変えたのはミユだというのだから驚きだ。けれど、彼女ならやれてしまいそうだともイサミは思う。
「そういうことになるだろうね。と言っても、俺もクーヌスの力を利用しただけなんだけど」
「俺が知らないだけで、別の未来にも俺がいたってなんか、変な感じだ」
 二人が語る時間遡行を、イサミ自身は体感していない。イサミの釈然としない顔を見て、スミスは明るく言った。
「どんな映画でもコミックでも、タイムスリップしたやつしか分岐したタイムラインを観測できないのはお約束だよ。未来のことを教えたら良くない影響が出るかもしれないし」
「ルルもちゃんとヒミツしてた!」
「ルルは未来で練習したとか言ってなかったか?」
 むう、と唇を尖らせるルルの膨らんだ頬をスミスが戯れにつつく。それを見ながら、イサミはふと思った。
……それなら、俺たちの誰も知らないだけで他にも時間を遡ってる奴がいたりして」
 それはイサミにとっては特に深い意味のないただの思いつきだったのだが、それを聞くとスミスは少しだけ複雑そうな表情をする。
「実はあり得ない話じゃないんだ。……あの時クーヌスは言っていた。なんども繰り返したってね」
 イサミは思わず、スミスの碧の瞳を見つめた。クーヌスだけが観測していた繰り返しの中で、自分たちはいったい何をしていたのだろう?
「だとしてもカンケーない! いまみんな生きてる、みんなシアワセ!」
 ルルが両腕を広げて、スミスとイサミの間に倒れ込む。ルルを受け止めるようにして、ふたりもやたらと大きいソファに背中を預けた。