【能楽鑑賞】#187 2月観世会定期能

能「老松」「弱法師」 狂言「鶯」

2月 観世会定期能

観世能楽堂
2025年2月2日(日)13:00開演

能「老松」翁無 紅梅殿 流八頭 彩色 返留之伝
 尉/老松ノ精:観世清和
    紅梅殿:観世三郎太
   梅津何某:福王和幸
     従者:村瀬慧、矢野昌平
安楽寺門前ノ者:野村裕基

 笛:松田弘之
小鼓:飯田清一
大鼓:亀井広忠
太鼓:小寺真佐人

狂言「鶯」
梅若殿の家来:野村萬斎
  鶯の飼主:石田幸雄
    後見:福田成生

仕舞「竹生」  野村昌司
  「雲林院クセ」武田宗和
  「網之段」 今井泰介
  「天鼓」  坂井音雅

能「弱法師」
  俊徳丸:藤波重彦
 高安通俊:大日方寛
通俊ノ下人:飯田豪

 笛:藤田朝太郎
小鼓:観世新九郎
大鼓:佃良勝

*・*・*

能「老松」翁無 紅梅殿 流八頭 彩色 返留之出

都の西に住む梅津何某が、日頃信仰する北野天神の霊夢に従って、筑前大宰府の安楽寺に参詣する。するとそこへ老人と女がやってきて、境内の飛梅はこの地では「紅梅殿」と呼び敬われていること、梅に続いて飛来した老松もまた神木であることを教える。また、社の謂れと梅と松についての中国の故事を語り、やがて姿を消す。
その夜、梅津何某が神のお告げを待とうと松の木陰で旅寝していると、老松の精と紅梅殿が現れ、今夜の客人をもてなそうと様々の舞楽を奏し、君が代を守ろうと神託を告げるのだった。(公演チラシより)


初見の演目なのに小書きがいっぱい付いててビックリ。その小書きの演出について解説された紙を渡されたが、事前に読んでも頭に入ってこないので、百聞は一見にしかずということで、帰宅してから読み返すことにしました。

まず【翁無】という小書きが特にレア物で、厳粛さと祝意を込めたもの、ということで、ワキ、ワキツレ、お囃子、地謡が正装した状態で翁渡りのような形で登場。まさにワキ版の「翁」みたいな感じでした。また福王和幸さんの雰囲気や存在感が、その場に合っていて、この時点で何か凄いもの観ちゃった感が凄かった😳✨

通常は前ツレが男なのに対し【紅梅殿】は前ツレが女性になり、後ツレには紅梅殿の神が現れるというもの。本来は、こちらが常の形だったが省略され、老松の神ひとりの形が通常版になったらしい。紅梅殿は頭の冠に小さな紅梅の木がちょこんと乗っており、それがなんだか可愛らしくてほっこりしました。真ノ序ノ舞も美しかった✨

一方、宗家の老松の神は似合い過ぎて圧巻でした。声質が合ってるんですよね。んで、あの存在感ある力強い謡ですから、橋掛かりの側で観ていた私は、もう痺れっぱなしでした🫨⚡️

残りの小書きについては、より細かい演出部分になるのですが、全部説明してると長くなるので割愛(えーw)



狂言「鶯」

小鳥好きの男が大切にしている鶯を鳥籠に入れ、 野原でさえずらせて楽しんでいると、そこへ鶯好きの主に献上する鶯を探している家来がやってくる。籠に入っている鶯を見つけた家来は・・・。(公演チラシより)


初見の演目でした。和泉流にしかないらしい。赤い鳥籠に入ってる鶯が可愛らしく、籠を動かすと鶯が揺れるようになってるので、ホンモノっぽくみえる🤭。雛の時から育てた大切な鶯ということで、根っからの小鳥好き。幸雄さんにピッタリの配役。

一方、萬斎さん演じる家来ですが、鶯好きの梅若殿という少人に仕えてると言います。先程の能「老松」にも紅梅殿が出てきましたから、梅繋がりでの選曲でしょうか、梅と鶯、王道の組合せで、まさに立春を感じさせる演目です(そういえば、この日は雪が降る予報が出ていたけど、結局降らんかったな🙄)

その梅若殿に鶯を献上したいのだけれども、お金がないので、棹を持って野生の鶯を捕りにやってきたところへ、幸雄殿の鶯を見つけて持ち去ろうとします(苦笑)。飼い主は、譲ってくれという家来に対してキッパリ断りますが、諦められない家来は、なら勝負をしようと持ちかけます。

籠の中の鶯を棹でさすので、それで上手く捕れたら鶯は家来のもの、失敗したら腰の刀を譲るという賭けをしますが、棹で鳥をさすのが超!ヘタクソだったために、棹は明後日の方向をさしてしまい失敗😂。飼い主は家来の刀をさっさと回収して、鶯と共に去って行ってしまいました。

ひとり残された家来は、とある故事を語り、それにちなんで今回の出来事を歌に詠み、棹を投げ捨てると、やるせない表情で去って行きました😅

ケチって、ラクして、欲しいものを手に入れようとしたら、逆に損をしてしまったパターンですかね。これも人間あるあるか🙄w

萬斎さんと幸雄さんの芸風的に納得の配役でした😁

てか脇正面から観てたら、萬斎さんが棹で鶯を狙う時の体勢がビリヤードみたいで、ちょっとカッコイイけど面白かった😂



仕舞「竹生島」「雲林院クセ」「網之段」「天鼓」

この中で観たことある能は「竹生島」くらいか、力強い舞で、とてもカッコ良かったです。比較的、お若い方がカチッとした演目を、年配の方がしっとりした演目を舞われてた印象。どれも素敵でした。



能「弱法師」

高安通俊は讒言により我が子の俊徳丸を追い出してしまうが、それを後悔し天王寺で七日間の施しを行う。彼岸の中日に施行に現れた盲目の乞食・弱法師は、梅の花の香を愛で、当寺の縁起を語る。そして心眼で西方浄土を念ずる日想観を拝み、難波の浦の景色を眺める。通俊はその弱法師が生き別れたわが子・俊徳丸と気づき、父であると名のり二人で故郷へ帰ってゆく。


仕舞では何度か拝見したけど、能では初見だったので、やっと観れたという印象。梅の花の香を愛で、仏法を称賛し天王寺の由来を語る姿からは、若いながらも聡明で教養があることが伺え、またシテのお声がとても素敵だったので、何となくイケメンに脳内変換されました(笑)

そして大日方寛さんのシテを見つめる瞳は、まさにお父さんの目をしていて、なんだか暖かいものを感じてほっこりしました。全体的に派手さがない分、何か深いものを感じる能でした。

ということで、最後の最後まで、梅繋がりの番組で素敵な会でございました👏👏👏



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