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溶けかけ。
2025-02-04 18:08:25
591文字
Public
ほぼ日刊
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親指姫は龍と眠る
小さくなってしまったフリーナとお世話係のヌヴィレットがただ寝てるだけのお話。
「またか
……
」
気配を感じたヌヴィレットが枕からそっと頭を上げればネグリジェを身に纏った親指サイズのフリーナが枕の真ん中にころんと転がった。
「ここは危ないと言っているというのに」
ヌヴィレットは小さな体を丁寧に摘むと枕元に置かれたバスケットに横たえる。小さくなってしまった彼女のために用意した寝床であるはずなのに、本人は何が気に食わないのか頑なにここで寝ようとしないのだ。
「まったく
……
」
綿を敷き詰め、シーツの代わりにハンカチをかけただけの簡易な寝床。毛布として使っている肌触りのいいハンドタオルをかけたヌヴィレットの人差し指を眠っているフリーナが全身で捕らえた。
「はあ
……
」
ヌヴィレットは諦めて指の一本をフリーナに貸すことにして毛布を被る。以前、無理やり取り返したら彼女を起こしてしまったことがあるからだ。
「幸せそうでなによりだ、フリーナ」
ヌヴィレットの人差し指を抱き枕に安心しきった顔で眠るフリーナの髪を自由な中指で梳る。指先から伝わる柔らかな手触りはブラッシングをされた猫によく似ていた。
「良い夢を」
未だ、彼女が元の大きさに戻る方法は見つかっていない。
──ああ、けれど。
ヌヴィレットは眠るフリーナを優しい瞳で見つめる。
こんなふうにゆっくり出来るのなら、焦ることはないのではないか、と思いながら彼はゆっくりと目蓋を下ろした。
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