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よつもり
2025-02-01 18:59:44
12230文字
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映画・本・インプット(2025)
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2025年2月鑑賞の映画
年間カウント.タイトル(視聴月日)
12.快楽の奴隷(02/01)
これは完全に邦題が悪さしているやつですよ。
タイトル、ロシア語だと「Neposlushnaya」英語では「Naughty」日本語で言うと、「いたずらな」とか「エロい」とかそういう意味で、「エロい」はスラングでのニュアンスだそうです。
うーん、邦題も今ひとつだけど、ロシア語版、英語版のタイトルも今ひとつな感じがする気がします。
このお話の本質は純愛かなあという感じがします。
環境活動に熱心な女の子を好きになった御曹司が、ビルの建設を取りやめることと引き換えに女の子と七日間一緒に住むことを提案し、なんやかんやでお互いのことが好きになるというそういうお話でした。ロマンス映画ですね。
タイトルが『快楽の奴隷』なので私はてっきり、女の子が悪い御曹司に手籠めにされて後戻りができないくらいまでドロドロに調教されていくポルノを想像していたのですが、全くそんなことはなかった。私はそっちを期待していた。
いくらかあったエロス要素も、公衆の面前で遠隔おもちゃで刺激されたり、車を運転する女の子に対して手で弄ったり、男の実家のお父さんの書斎で致したりと、それは大丈夫なやつなのか?と心配になるようなプレイばかりで、あまり趣味ではありませんでしたね
…
。公衆の面前でのプレイは、巻き込まれた人に同情してしまうし、車を運転しながらって事故になったらどうするんだという心配があるし、お父さんの書斎はお父さんが気の毒になってしまって
…
。
この映画を作った人と、どうもそのへんのプレイの趣味が合わないような感じがして、それは気になりました。この辺の感覚が合う人は楽しめそう。
映像は良かったです。結構リッチでしたね。映像の質感もなかなかに美しかったし、カメラアングルも良くて画が美しかった。
俳優さんもお上手でした。大学生のヒロインの女の子がとてもきれいな体をしていてそれがすごく良かったです。
あと、柴犬が可愛かったです。画面の中で好き勝手にウロウロしたり座ってまったりしたりしている柴犬の存在感。とても良いものです。
13.リトル・ダンサー(02/17)
原題は『ビリー・エリオット』という主人公の名前ですが、はて『リトル・ダンサー』とはいかに。また邦題が適当なことをしやがって。ということを思うわけですよ。これは『ビリー・エリオット』が正解だと思うな。
だって、『ハリー・ポッター』は『ハリー・ポッター』でしょう。まさかハリポタに『ライジング・スクラッチ・ウィザード』『グリーン・アイズ・ボーイ』とかそういう邦題つけないじゃん。
だったら『ビリー・エリオット』だって『ビリー・エリオット』ですよ。
百歩譲って『ビリー・エリオット 〜炭鉱町の小さなダンサー〜』のほうがまだ良い。くそださいけど。こっちのほうがマシじゃないかな。いや、どうかな?
ビリー・エリオットという少年が通っているボクシングジムに、バレエ教室が間借りを始める。バレエのレッスンに興味を抱き、眺めていたらレッスンに参加させられ、うっかりバレエにハマってしまい、けれども炭鉱労働者の父と兄は絶対に許してくれないことがわかっているという中から、バレエダンサーの進路に乗っかるまでの話です。
父と兄は炭鉱労働者で、好きなスポーツはボクシング。男がバレエなんてもってのほか。と言った感じですが、この父親がなんだかちょっと話が分かる雰囲気を度々醸し出しているんですよね。役者さんの佇まいによって成立しているなあという感じがします。
父と兄は会社に対してストライキを起こしていて、中核メンバー。けれども町は一枚岩ではなく、スト破りもいて、特に兄がそのスト破りとかなり敵対しているんですよ。
そんな中で、ビリー・エリオットはバレエの先生の個人レッスンを受け、バレエ学校入学のためのオーディションに参加してみないか、というような話になるのですが、ストライキの活動をした兄がよりにもよってオーディションの日に逮捕されてしまうなど、間が悪い。
ストライキをやっているので家はどんどん貧しくなる。亡くなったビリーの母親が大事にしていたピアノを壊して燃料にしなければならないほど困窮している。
ある日、父がビリーのダンスを見る機会が訪れる。ここがまず圧巻。どれだけ踊りが好きなのか、どうして踊りたいのか、どれほどの実力があるのかというのは、踊りを見せなければそりゃわからない。このシーンがまず美しいんですよ。
そして息子の踊りを見た父親は、息子の夢を叶えてやることを決意。
敵対していたスト破りに自ら参加し、お金を稼ぐことを第一に考え始める。ここのシーンもまた良かったんですよ。大人の男が、一番大切なもののために自分の信念を自らポキっと折ったシーンなんですよ。ここはちょっと興奮しちゃいましたね、なんかえっちだな
…
と思って。いや、全然そういうシーンじゃないんですけれども。私のセンサーが反応してしまい
…
いや失敬
…
バレエをするお話なので、チュチュを身に着けた女の子がわらわらと集っていたりするんですよ。
そして、バレエ学校の建物を妖精のようなダンサーたちが美しい姿で行き交う様子がもう本当に好きでして。私はそういうのが好きだよ。美しい妖精さんたちを眺めたい人生。
そして、そういう美しい中に労働者階級の父と息子。入学試験のために訪れて、どうも場違いな雰囲気が拭えない。息子のビリーのバッグはボクシング用? 二人が着ているジャケットも、佇まいも、ここにいていいとは言われていない感じがする。
そんな中で踊るビリー、そして面接を受けた父子。面接官の質問に上手く言葉を返せないのは、ビリーが緊張しているからというよりも、彼は労働者階級の子供で、だからこのような場で話す言葉を持ち合わせていないという表れだったんじゃないかと思うんですよ。同じ階級ばかりの町では、聡明とも言えるような大人びた振る舞いを見せるビリーも、バレエを踊るような階級の人々に問われた時に言葉を見つけることができない。試験が上手くいかなくて落ち込んでいるところを励ましてくれた子に殴りかかるというのも、彼の育ちを表しているんですよ。
「踊る時、どんな気持ちがする?」という質問は、そんな彼にとってまだ答えることができる質問だったし、その言葉はきっと、試験官にとっても馴染みのある感覚だったんだろうなと。だって試験官もきっと皆ダンサーだもの。同じ感覚を持つ仲間だと分かったからこそ、ビリーはその道への扉が開かれた。ここも私は好きなシーンです。
最後は、大人になったビリーの舞台を、父と兄が観に行くというシーン。
ここまで観せてくれるのはとても嬉しいですね。納得のいく満足なエンディングでした。
そうだ。ビリーが女の子に誘惑された時の、
「私のアソコ見たい?」「見せなくたって好きだよ」のやり取りがとても良かったです。でももしかすると、これは字幕だけがいい感じのニュアンス出しているだけっぽいな。音を聞くに。
と思って吹き替えにしてみたら、「私のアソコ見たい?」に対する返答が「いや、いいよ」だけだったので、なんか不思議な気分ですね。字幕が仕事をしすぎている。これもこれでどうなんだと思いつつ、まあ何かそういう少年の佇まいが演出されていて良かったと言っても良いんじゃないでしょうか。良かったです。
いい映画でした。面白かった。
14.リトル・フォレスト(02/18)
五十嵐大介原作、橋本愛主演の邦画版の更に翻案の韓国映画。
カメラワークに邦画版リトル・フォレストのニュアンスを感じました。リスペクトを感じます。
作られる料理がどれも韓国料理で目新しいです。住まいも韓国の古い住宅で新鮮で面白い。料理と住まいが違うとニュアンスがだいぶ変わりますね。
邦画リトル・フォレストは、主人公いち子とその母福子の、愛情はあれどもそれが上手く伝わらない・表現できない・離れるしか無かったというような母娘関係を描いており、いち子は気難しい女の子で、福子はより気難しい母だったわけですが、
韓国版リトル・フォレストは、主人公ヘウォンのもとから母が立ち去るのは一緒でも、母娘関係は悪いものではなく、母は十分子育てをした後に新しい自分の人生を見つけるために旅立ったといったようなお話でした。最後は母娘の再会も仄めかされている。
邦画リトル・フォレストのテーマは、料理と生活を通して描かれる母娘の一筋縄ではいかない関係性、といったものだろうと思いますが、韓国版はそもそもテーマが違う。どちらかというと「スローライフで充電」といったような感じになっていますね。
でもそれが悪いということではなくて、邦画は春夏秋冬をそれぞれ描くのに一時間ずつ、合計四時間かけて物語を描写しているのに対し、韓国版は103分しか無いので、その中に邦画版と同じようなテーマを折り込むのは難しいんですよ。
というわけで、その103分を使って何をどう構成しようかというときに、この韓国版は最適解を導き出していると思うんですよ。全てのバランスが良く、ちゃんとそういうお話として成立しているので。
というわけで、いい映画でした。邦画の方では「小森」という地名と、「自分自身、自分を取り囲む自然、自然から得たもので生きていく自分を小さな森に例える」というようなニュアンスのタイトルが「リトル・フォレスト」だったのかなと思いますが、韓国版では、また違う形でタイトルの回収をしているのが面白かったです。この点も良かった。
面白い映画でした。
15.エクストリーム・ジョブ(02/18)
解体寸前の麻薬捜査チームの5人は手柄を上げてチームを存続させるため廃業するチキン屋を買い取り麻薬組織からの注文を待つものの注文はなかなか入らず、それはそうとチキン屋は大繁盛してしまい、本業が警官なのかそれともチキン屋なのか本人たちにも誰にも分からない状態となっていく。
流石にチキン屋ばかりにかまけてられないとチキン屋の仕事をセーブするとそれはそれで問題となり、警官としてもチキン屋としても窮地に立たされる。チームはさしあたりチキン屋を切り盛りしていくことを決意する。
売れ行きが落ちたチキン屋に、正体を隠した麻薬組織から接触がある。フランチャイズの提案に5人は乗る。しかし麻薬組織はフランチャイズ店を真面目に切り盛りする気はなく、あくまでチキンの配達に見せかけた麻薬の取引の拠点として店を使っているだけだった。
本店として、支店のだらけた経営状況は許すことができず、5人は支店の営業を視察して回る。すると、自分たちの店が麻薬取引の隠れ蓑にされていたのではないかということが次第に明らかになる。
その後彼らは麻薬組織をなんやかんやで追い詰めて、組織のトップまで総逮捕。手柄を上げた5人は警察官として表彰される。
面白かったですね。ずっと笑いっぱなしでした。
次にどう展開するんだろう、という予測が全く立たず、物語が次へ次へと展開していくのがスリリングでした。
”テッド・チャン”という偽名の人物が出てくるのですが、これはあえて有名作家の名前を使っていたということでいいのかしら。ちょっと気になったのですが、その名前である意図やニュアンスが私は分からなかったな。分かると面白いのかもしれない。
野球部の彼がとても良かったですよ。韓国の野球部に所属すると忍耐強くなるそうです。一番笑いました。
16.テロ、ライブ(02/19)
阿部寛主演で邦画に翻案されている映画の原作です。韓国映画ってやっぱりすごいよな。
なんかこの雰囲気覚えがあるなと。レトロというかクラシックというか。
『12人の怒れる男』『天国と地獄』あたりを彷彿とさせますね。古風な密室サスペンスの趣があります。
収賄容疑でテレビのキャスターから追放されてラジオでくすぶっている男の番組に、テロリストから犯行声明と要求の電話がかかってきて、実際に爆破事件が起こる。この犯人の主張を独占で放送することができればテレビへの返り咲きも夢ではないと、キャスターは犯人の主張を聞く緊急番組を立ち上げる。犯人は過去に起こった事故への謝罪を大統領に求めていた。そしてその主張が通らなければ次なるテロも計画されているという。キャスターは犯人と会話を交わすものの、次第に犯人の言葉はキャスター自身をも追い詰めていく。
とても面白かったし、なかなかシビアな結末も甘くなくて良かったなと思います。これが邦画になるとしたら
…
と思うと、さてどうかな。結末変わりそうだなと思いますね。そしてそれはとても邦画らしいものになるだろうと思うし、駄作にもなるだろうと思うわけです。
17.Broken Rage(02/21)
北野武最新作。
私は全面的に北野武/ビートたけしファンなので何をお出しされても「ありがてえ
…
旨え
…
旨えよ
…
!!!」と言って感謝しながら食べることができてしまうので、正確なレビューはできないと思います。オタクが北野武を礼賛するだけの状態になりますね。
「ねずみ」と呼ばれる殺し屋の男が警察と取引をしてスパイとなって暴力団に入り込み、暴力団の一斉逮捕までを描くAパート。
そのAパートのスピンオフとして、たけしがふざけ倒すBパート。更に悪ノリのCパート。
と、一つのストーリーを下敷きに、AとB‐Cという大きく2種類のテイストのお話が展開されます。(BとCはほぼ一緒)
Aパートはたけしが敏腕の殺し屋を演じていてしびれますね。おじいちゃんが画面に映っているだけなのに、それがビートたけしというだけで、なんでこんなに贅沢な画を観ている気持ちになるんでしょうね。腕のたつ殺し屋という役柄、セクシーです。もうメロメロですよ。30分くらいの短いストーリーなので、その尺に応じた展開と結末という感じです。AパートはあくまでBとCをやりたいがための下敷きなので、これくらいの描写で当然だと私は思いますが、北野武のヤクザ映画を待ち望んでいた人にとっては物足りないかもしれません。画作りと演技は一級です。本当に贅沢。
というAパートと同じあらすじをなぞりながら、コメディにしていくのがBとCだと思ってください。コメディとは言いますが、非常にくだらないです。「世界まる見え」の冒頭で、嬉しそうに着ぐるみコスプレしながら入ってきて、ピコピコハンマーであちこちピコピコしまくるあのたけしを思い浮かべましょう。つまりそういうことです。Aパートの物語をあんな感じのノリでふざけ倒すのがB-Cですね。
私はめちゃくちゃ楽しめたのですが、アマプラの作品評価を観ると、☆が3.5と北野映画にしては低い。でもその評価も理解できるんですよ。このノリがきついというか、つまらないというか、楽しめない人はきっといるだろうなあと。しょうもないギャグでゲラゲラ笑いながら、「ああ、このギャグで星を下げた人が星の数ほどいるのだろうなあ
…
」ということが実感できるくらいには、低評価の人の低評価も理解できる。
ちょっとの道のりを行くのにも「足を角にぶつける」というような小さなボケを挟まずには居られないし、そういうボケをした後にちょっと嬉しそうにはにかむ様子を隠せないビートたけしを観たい人は楽しめますよ。
いきなりAパートにも無かったような椅子取りゲームが始まり、汚い手を使って優勝したタカハシ(演ビートたけし)の優勝トロフィーが壊れて、その責任を追求されまくる下っ端、の図が本当に面白かった。何を言ってるかわからないでしょう。まんま字の通りの展開だったんですが。周りの演者も笑いを隠せて無くて良かったです。あんなに中身のない怒号を浴びせかけられるシーン、なかなか見ませんね。すごく良かった。このシーンを観るだけで価値がありますよこの映画。
あと、警察の取り調べのシーンも良かったですよ。なかなかにふざけていました。私は好きですが、意味がわからないという人の気持ちもわかりますよ。わかる。
Cはおまけですね。ここまで徹底してボケをするのかという感動がありました。とてもいいおまけでした。
というわけで、星5段階評価のうち私は星5、なんなら6なのですが、意味がわからずに星1を付ける人の気持ちも理解できます。そういう映画です。多分北野武が大好きというファン向けです。
18.クレヨンしんちゃん オラの引越し物語 サボテン大襲撃(02/22)
タイトルに「サボテン大襲撃」と書いているし、キービジュアルも思い切りサボテンに追いかけられているのですが、サボテンがガチでクリーチャーの動きをするなんて思わないものだから、ちょっと甘く見ていたんですよ。
野原一家のドキドキ・ワクワク異国生活!〜走るサボテンを添えて〜くらいのものだと思っていたら、随分と本格的なのをお出しされたな
…
というような印象です。
ひろしが転勤となり、一家でメキシコに移住するのですが、その町の名物でひろしの転勤の要因になったサボテンが分裂・増殖し、人を捕食し始めるという、これは完全にパニックホラーですね。大体、ゾンビとサメと宇宙人であるところ、この映画はサボテンがその役割を果たします。
物語の本筋はひとまず置いておいて、面白かったところを書いていきましょうか。
・風間くんとしんちゃんの友情の形が今ひとつ解せないですよねえ。いや、悪い意味ではないんですけど。風間くん、しんちゃんのこと大好きすぎませんか。しんちゃんから風間くんに向かう気持ちは他の友達たちと別け隔てなく差がないように思えるのですが、風間くんからしんちゃんに向かう感情があまりにも巨大に見えますね。しんちゃんは同じ質量の感情を返すことはないんだろうな。と思うのですが、それはそうとしんちゃんが手紙を出す先が風間くんというところに何かしらの何かを感じなくもないです。なんだこの二人面白いな。
・最初単身赴任を覚悟する死んだ目のひろしと、そんなひろしと夜中に話し合いをするみさえとのやり取りがとても良かったな。この二人はいい夫婦ですよ。
・野原一家をお見送りするために沢山ご近所さんや知り合いが集まっていた様子がとても良かったな。
・メキシコに案外馴染んでいる野原一家、特にしんちゃん。しんちゃんはメキシコの方がのびのび暮らせるのでは
…
?ということを思いました。彼はラテン系の男ですよ。日本社会には収まりませんて。
・最後のトドメに、風間くんとの友情が活きてくる展開、激アツでしたが風間くんとしんちゃんとの間の関係性がやっぱり不可解で解せない気持ちの方が大きかったです。悪い意味ではなく。いやほんと悪い意味ではなく。
面白かったですが子供が観ると怖いかも、ということを思うので、どちらかというと大人の鑑賞をおすすめしますし、予めパニックホラーの下地がある人の方が更に楽しめるかもしれません。
もうちょっとゴキゲンにバタバタとサボテンとやり合うものだとばかり思っていたけれども、そうじゃなかったなあ
…
『ミスト』観たくなっちゃった。
19.タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら(02/23)
子供の頃から仲良し! 顔は怖いけどいい奴のタッカーと、顔は怖いけど心優しいデイルは、休暇で別荘にやってきた。別荘はタッカーの夢だったもので、ここを拠点に釣りをするという楽しい計画でいる。しかし別荘は荒れ果てていてボロボロで修理が必要。それはそうと夢の別荘を我が物にしたタッカーらは、二人で釣りに出かける。
同じ頃近くでパリピ大学生がキャンプを行っていた。彼らはこの土地で過去に起きた大量殺人事件の話をまことしやかに語る。大学生の女の子アリソンはチャドに言い寄られるものの乗り気にはならない。
大学生らが池で遊んでいる近くで、タッカーとデイルも釣りをしていた。彼らの近くでアリソンが池に入ろうとしたところで、デイルが声を出してアリソンを驚かせてしまい、彼女は頭を打って池に落ちる。タッカーとデイルはアリソンを池から引き上げ自分たちの家に連れて帰り手当てをする。アリソンが池から引き上げられるシーンのみを見た大学生らは、殺人鬼がアリソンを人質に取ったと勘違いする。
タッカーとデイルを殺人鬼と勘違いした大学生らは、アリソンを助けるために次々にタッカーとデイルに襲いかかるものの、運悪く自滅して死んでいく。やがてチャドが一人残り、彼はアリソンを人質に取りデイルをおびき寄せる。
過去にこの地で起きた大量殺人はチャドの父親によるものだと判明した。デイルはチャドに立ち向かう。デイルが勝ち、チャドは死亡。
タッカーとデイル、そしてアリソンは助かる。大学生たちの死亡は集団自殺として処理される。
この経緯の中で、デイルとアリソンは惹かれ合っていた。
物語のラスト、デイルとアリソンが両思いとなってハッピーエンド♥
キャンプに来たパリピ大学生たちが次々に死んでいくというのは『13日の金曜日』から続く伝統なんだろうなあと。このホラーのフォーマットを知っているかいないかで、楽しみ方って変わってきそうな気がします。「お約束」にどう乗って、どう外れていくかっていう面白さがあるんじゃないかなと。
大学生が次々と自滅して死んでいく様子が面白かったですし、デイルの恋が実るラストがとても良かったですね。爽やかでした。
デイルとタッカーの友情も素晴らしかったな。いい友情です。
タッカーのお見舞いに行ったデイルが、ビールを持参して、缶にストローを差してやるところがすごく良かった。デイルの細やかさが際立ったシーンでした。
とても面白く、そして1時間30分ほどで観終わるという短さがとてもいいですね。短いけれどもしっかりとしたお話でした。
映像も演技も良かったので、これは当たり映画です。
20.ドリーム・シナリオ(02/27)
どうにも風采の上がらない大学教授のポールが何故か不特定多数の夢に出現し、最初はただ面白がられて有名人となっていくものの、夢の中のポールが夢の中で人々に酷い危害を加えるようになり、ポールはバッシングを受け、ポールの仕事はなくなり、ポールの妻も仕事を失いかけ、娘たちは学校でいじめを受けるようになる。
やがてポールが人々の夢に出ることはぱったりとなくなりポールの流行は過ぎ去る。ポールがまだ面白がられていた頃に声をかけてきていた広告会社がせめてもと言った感じでポールの面倒をみてくれている。そしてそのポールの経験を元に開発された、人の夢に入り込む機械を使い、ポールはついぞ自分の夢を見たことがないという妻の夢に入り込む。いつか妻がポールのことをセクシーだと言っていた服装をし、妻の窮地を助け、妻と並んで歩く。しかしそれは夢で、現実では妻はもうポールのものではない。
ニコラス・ケイジの演じるポールの様子がとても良かったですね。気弱で情けない男という様子が佇まいから伝わってきます。
妻はポールを愛しつつも、ポールの主体性の無さや弱気さなどが気に入らずにいて、ポールがいつかしていたハロウィンの仮装で「トーキング・ヘッズ」の肩幅広いスーツを着ていたのが魅力的に見えたというのは、ポールに無い強気さであるとか男らしさというものが、肩幅スーツによって付与されたように見えたからなのだと思う。
妻はポールを愛しているけれども、時の人となった後に落ちぶれていったポールには見切りをつけて、新しい彼氏と付き合っていて、その彼氏というのがポールと似たような雰囲気の男だったことに私は一番面白みを感じました。そういう男が好みなのか
…
という。
ポールは不条理に巻き込まれて可哀想なのはそうなんですが、ポールという人の、やっぱりどこかぱっとしない様子を見ていると、この人はこの夢の件がなくとも、いつか同じように妙な形で担ぎ上げられた後に地面に突き落とされるようなことがあったのかもしれないということを思ってしまいます。
私は面白く観ることができましたが、人を選ぶ映画でもあるかもなあ。
21.マダム・イン・ニューヨーク(02/28)
インドに住む専業主婦のシャシは料理上手で自分が作ったお菓子を売っているものの、夫からはそのお菓子作りは道楽だと思われている。夫と娘は英語ができるので、英語ができないシャシを度々馬鹿にする。夫はシャシの言葉に取り合わず、娘は英語ができないシャシを恥じていて、シャシは夫からも娘からもぞんざいに扱われていることを知っている。
アメリカで暮らすシャシの姉の子(シャシの姪)の結婚式が近く、シャシはその手伝いのために、家族より先んじてアメリカに渡った。一人でカフェに入ったものの英語が分からず注文をうまくすることができずにショックを受ける。その直後シャシは英会話スクールの広告を目にし、スクールに通うことを考え始める。
手元にはお菓子を売ってためたお金があった。そのお金を受講料として支払い、シャシは毎日教室に通い始める。インド人、メキシコ人、フランス人、アフリカ系、中国人、など男女様々なクラスメイトととともに授業を受ける。シャシは熱心に楽しみながら勉強をする。
フランス人の男はコックだという。シャシもお菓子作りをしているので二人は話が合った。フランス男はシャシを魅力的だと思っていてシャシにもそれは伝わっているけれども、シャシはその男とのロマンスには乗らない。
やがて家族もNYに到着する。スクールに通いづらくなるものの、事情を知っている姪が教室と通話を繋ぐなどしてシャシを孤立させない。
姪の結婚式当日の日は、スクールの試験の日と重なっていた。朝「美容室に行く」という名目で抜け出し試験を受けてすぐに帰ろうと計画していたシャシだったけれども、トラブルにより家に残らざるを得なくなる。
試験を諦めたシャシのもとに、学校の先生と仲間がやって来て式に参列した。シャシは結婚のお祝いのスピーチを英語でして、試験の合格を貰う。また、英語でスピーチしたことで夫と娘を驚かせ、そのスピーチの内容によってこれまでシャシに対して敬意や尊重が無かったことを反省させた。
シャシはフランス男に「自信をつけさせてもらった」と感謝を述べる。シャシとフランス男の間に何かあったことを察した夫がシャシに、まだ自分のことを愛しているかと問い、シャシは夫への愛を肯定する。
彼らはまたインドに戻って暮らす。
夫と娘がシャシを度々下に見て馬鹿にするようなことを言うようすが、家族あるあるとでもいいましょうか。
これは夫も娘も、シャシの優しさと寛大さに甘えているんですよね。
シャシは英語があまりできなかったけれども、料理は上手だし、家族のことを良く見ていて、家族の一員として立派に務めを果たしているお母さんなわけです。
そんなお母さんの唯一と言ってもいい不出来が英語で、でも英語が全くわからないというわけではなく、おずおずとでも多少なりとも喋ることはできる。それでも、英語がよくできる夫と娘から見たら物笑いで、シャシは自分が笑われていることを知って不快に思っている。
これは、父親の態度が良くないんですよね。父が妻を馬鹿にしているから、その雰囲気に娘も乗ってきているという。
シャシの得意である料理やお菓子作りに関しても、夫は過小評価をしている。
というわけでこのお話は、夫婦間の問題に集約させることができる。
夫に馬鹿にされているシャシが、NYで出会ったのが、コックのフランス男で、
彼はシャシの料理への気持ちを正しく理解できる。男はシャシを魅力的だと思い、シャシを尊重しようとする。
シャシも悪い気はしないのですが、シャシは子持ちの人妻です。
ここですべてを投げ出してフランス男と駆け落ちなんかした日には目も当てられないので、そんな展開にならなくてよかったですね。
あくまでこの物語の課題は「シャシと夫の関係」という夫婦の問題で、
シャシは英語を身につけるという自分の努力と実力によってその問題を解消するに至りました。
フランス男はシャシに「自信をつけさせた」という役回りに落ち着きました。これも落とし所としては良かった。
良い課題の設定とその解決だったなと思います。
シャシが単身NYに渡る際に、飛行機に慣れないシャシに親切にしてくれた紳士の姿がとても良かったなあと。
その後また登場するのかなと期待しましたが、出てきませんでしたね。
優しくユーモアがあり、親切な男性。
──能力がある男性が当然のように親切を分け与える様子が私は大好きですので、この飛行機のシーンはとても良かったなあ。
シャシがNYで最初に一人で入ったカフェでのトラブルのその後、シャシの注文分のコーヒーを渡しに来てくれたのも男性でした。
シャシは美しく優しい女性で、英語ができないけれども「ちゃんとしている人」ということがその佇まいから分かるからこそ、行く先々で親切な男性に親切にしてもらえるんだろうなあということを思うわけです。
そしてそのシャシの美しさや品のある佇まいは、シャシの夫が働いて家を維持させているからこそというところはあるわけですよ。シャシはその日その日で違う布をまとっている。彼女の美しいサリー姿もこの映画の魅力だと思いますが、そのサリーを買えるのも夫の働きがあるからこそではないですか。
というような、シャシのその美しさや品性は、実は夫の働きが根底にあるもので、だからフランス男と駆け落ちという展開にならなくてよかったというのはそういう点もあるわけです。フランス男と一緒になったら、シャシのその美しさや品性には翳りが差すはずです。
夫が妻であるシャシを馬鹿にするのは良くないこと。とは言え、夫がシャシと家庭をもち、子供をもち、二人が暮らし、家計も食事もベッドも何もかもを共有してきたという、彼ら夫婦の歴史と実際があるということが蔑ろにされなくて良かったなあと。
というわけで、ちゃんとしている映画でした。とても良かったです。
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