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ちゃび
2025-02-01 02:53:54
965文字
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都市で盗品を売る自機ヒカセンの兄の話
時系列は暁月後
「都市に移り住んだらどうだい?あんたは『善い』シェーダーだから心配だよ」
仕事探しを手伝おうと申し出るのは馴染みのフォレスターの男だ。悪意はなく、素直に心配しているのだろう事がうかがえる。
「お気遣い痛み入ります。ですが私だけいい思いをするというのも、共に暮らす仲間たちに申し訳が立ちませんから
…
」
義理堅いねぇ、と男が苦笑するのを愛想笑いでやりすごす。
都市者は、彼らの言う「血の気のない」肌の者を野蛮な「シェーダー族」、夕日色の肌の者を善良な「フォレスター族」として考えているようだ。
都市で生まれたにも関わらずフォレスターらしからぬ肌を持つ者は、ならず者と同列に並べられ苦労をするのだと嘆かれた事もある。
だが、こちらから見れば都市で生まれ育った者はたとえ自分と同じ皮を有していても同胞とは言い難い。
そもそも、我々は盗賊団でも密猟団でもなく、ひとつの集落だ。
グリダニア人でも名を知っているような規模の集団にはムーンキーパーの集まりもあれば全てがシェーダー族というばかりではないのだから、それ程に我々を知らぬという事だ。
そう考えれば俺のことを「普段は森に棲み、仲間のため時折都市へ出稼ぎに来ている慎ましいシェーダー族」だと信じている先程の男は頭が柔らかい方である。
最も、精霊の怒りを買わない程度に植物を採集し、密猟団の縄張りをくぐって肉を獲り、出来る限り護衛が手薄な旅人や商人を襲い、盗品を都市でギルに換えて食料を買うことでやっと安定した暮らしができるのだから、慎ましいというのもあながち間違いでもないのだが。
加えてここ最近は獣騒動も落ち着き、長年警戒してきた帝国やイクサル族の襲撃を恐れずとも済むようになったと同時に、森を警備するグリダニアの軍も厚く細やかになった。
このままでは、集落はいずれ立ち行かなくなる時が来るだろう。
当然、グリダニアからの支援を期待することは出来ない。
「光の戦士はシェーダー族である」という噂が出回っているおかげで、都市者からの視線は昔より幾分和らいだが、隣人として接する場となれば、今なお風あたりは強いのだ。
さて、数年前に集落を抜けた弟はうまくやっているようだった。
それでいい。
外で生きられる奴が俺たちと心中する必要はないのだから。
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