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awase
2025-02-01 02:38:06
3108文字
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ボルト
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トラップハウス
カワキとエイダとボルトが謎時系列で謎同居してるやつ
ふんわりカワキ×エイダ
しっかりボルト→サラダ
今日も今日とてうるさすぎる。
壁の向こうで連日大喧嘩を繰り広げているカワキとエイダは、近頃いよいよ反りが合わないようで毎晩のように言い合い、主にカワキがエイダを泣かせるまで暴言を吐くのが日常になっていた。髪を掴まれているらしいエイダの悲鳴が聞こえ、ボルトはイヤホンのボリュームを上げゲームに集中する。最初こそ仲裁に入っていたが、もういい加減嫌になったのだ。
「
……
めて、痛いっ」
「
…
けよっ、このアバズレ!」
あーうるさい。イヤホンを貫通してくる言い合いに、明日にはノイズキャンセリングイヤホンを買おうと心に決める。かなりいいところまでいっていたゲーム内の戦闘も、あまりの騒ぎにだんだんと精度が落ちてきて思わず舌打ちが漏れた。バタバタと廊下が騒がしく、ボルトの部屋を叩く音がやかましい。
「ボルトくん、助けて!開けて!」
「今むり」
「開けて!」
YOU LOSE、と画面に表示され、苛立ちながらゲーム機をベッドに叩きつける。勝てそうだったのに、こいつらのせいで!
「なんだよっ、毎日毎日うっせーな!」
苛立ちをそのままに自室のドアを開ければ、隙間から身体をねじ込んできたエイダがドアを閉めてボルトの後ろに隠れる。ドン、ドン、と廊下を踏み鳴らしながら近づいてくるのはカワキの足音だ。なんで毎日、オレの部屋を戦場にするわけ?
鍵を閉めたとしてもカワキに壊されることはわかっているのでそのままにしておけば、勢いよくドアを開けたカワキが一直線にエイダを目指しその腕を乱暴に掴み上げた。
「やめてよっ、痛いってば!」
「ボルト、こいつは追い出す」
「勝手にすれば
……
」
心底どうでもよい。早くこの同居生活も解消したいのに、エイダの全能への監視は続いているし、ボルトとカワキの大筒木の力も消滅はしていないので、結局は互いが互いを見張りの対象として過ごす日々が続行されてしまっていた。
それもこれも、七代目火影であるナルトに「同居はうまくいってるか?」と聞かれたら、「楽しい。これを一生続けたいほどに」と意味不明な嘘を口走るカワキのせいだった。ナルトとヒナタを大黒天に閉じ込めていたという後ろめたさからか、カワキは七代目直々に新たな生活の提案がある限りはこの生活を甘んじて受け入れようという姿勢らしいが、ボルトはそう感じていない。結局、ボルトとの擬似兄弟的な関係とエイダとの疑似恋愛をどこかで楽しんでるに違いない。というのが、ボルトの見解だった。
『今日もしんどい』
同じ室内で騒ぎ続けるカワキとエイダから逃げるように背を向け、ベッドで壁側を向きながらスマホをいじりサラダにメッセージを送ると、一瞬で既読がつき少しだけ気持ちが和らいだ。サラダと交際しているわけではないが、こういう気やすい連絡をしてもよい仲だ。多分あっちもオレのことが好きだし、オレも好き。その甘やかで焦れったい関係ににやにやとしながら返信を待つと、『オツカレー』とにゃるとスタンプが返ってきて、少しだけがっかりする。にゃるとというのは火の国で販売されている、七代目火影をネコとしたグッズだ。もちろん母の部屋にも大量にあり、ボルトはつくづくうんざりしている。
なんで、みんなして父ちゃんばっかり
……
。
にゃるとグッズはカワキもまめに収集していて、目につく頻度が高くていちいち萎えるのだ。
『また喧嘩?』
『そう』
『懲りないねー』
そのメッセージとともに、やれやれだってばよのにゃるとスタンプが返ってきて、思わずはっきり言っていた。
『そのスタンプやだ』
言ってやった!既読のまま反応のない画面を見つめ続けている。サラダのことだから、多分ここで既読スルーになるはずだ。本格的に火影を目指し昼夜問わず過酷な修行に励むサラダは、過剰にボルトの遊びに付き合ったりはしない。というのが、いつものサラダなのだが。
『迎え行ってあげよっか』
「え!?」
動揺して身体を起こすと、取っ組み合っていたカワキとエイダの騒ぎが収まる。
興味持ってんじゃねーよと思いつつ、どうやって返信するかで頭がいっぱいだった。
わざわざ来なくてもいい、やら、オレがそっち行く、やらを打ちながら、どう返せばキモくならないかを考えすぎて、なかなか送信できない。
「なに、ボルトくん、なになに?」
「あーうっさい、こっち来んな」
「女か」
「うるせーよ。どっか行け」
寄ってたかって我が物顔でベッドに乗り上がり、当然のように画面を覗き込んでくる2人を肘で押しやりスマホを隠す。
サラダとのことに茶々入れをされたくないし、自分だけの秘密にしておきたい気持ちがあった。
「サラダが羨ましい。あたしもボルトくんにしておけばよかった」
「オイ!勝手に見んじゃねえってばさ!」
千里眼でサラダ側の映像を見たらしいエイダの言葉に突っかかると、ボルト以上に機嫌を損ねたカワキがチッと舌打ちをする。
こうなることがわかっていてわざわざいらないことを言うエイダもよくわからないし、とにかくこの2人は毎日毎日、自分のことだけ見ててほしいけど付き合いたくはない、のような、よくわからない感情に振り回されているようだった。
「
……
なに。カワキ、舌打ちやめてよ」
「
………
キッモ」
「キモいとかも言わないでっ」
エイダがベッドに転がっていたゲーム機を掴みカワキに振りかぶる。ガシャ、と変な音を立ててぶつかったゲーム機はサイドのコントローラ部分が破壊されていて、ボルトは悲鳴と共に飛び上がりエイダからゲーム機を取り上げた。
「っなにしてんだテメーは
……
ッ!」
「だってカワキが!もうやだこんな生活
……
っ、あたしもう生きてる意味ないっ」
「んじゃさっさとくたばれよ!」
「そうゆうこと言わないでよぉっ」
カワキの暴言に泣き出したエイダがボルトに抱きつき、カワキと戦って!と背中を叩いてくる。
絶対に嫌だ。面倒だし、わざわざ勝てる喧嘩をしたくない。ボルトが返事をしなかったせいか、スマホの画面にはサラダのアイコンからメッセージの通知が届いていて焦る。こんなことをしてる場合じゃないのに!
どんなメッセージをくれたんだろうと、エイダに掴まれつつスマホに手を伸ばすと、隙を見つけて腕を伸ばしたカワキがエイダの髪を掴む。きゃあ、と甲高い悲鳴に思わずエイダを庇うと、カワキの肘打ちが横っ面にしっかりと入りよろめいた。ボルトの顔認証で表示されたスマホのメッセージには『結局どうすんの?』『大丈夫?』手足の骨全部折ってでも止めてやらぁ!のにゃるとスタンプが届いており、サラダの熱い気持ちを受け取ってメッセージ画面を開くと、後ろで再び揉めているカワキの脚に押され、『気に入ったー!』の自来也スタンプを誤って送信してしまった。
「あっ、やばっ
……
」
取り消ししないと!と思っている間に既読がつく。
『お前、ウザいよ』
サラダから届いた師匠スタンプにとめどなく悲しい気持ちが溢れ、いつまでも騒がしい2人に対し底知れない怒りが湧く。本当に会いたかったのに、今すぐ飛雷神で会いに行き少しの時間だけでも話したかったのに、すべてこいつらのせいで帳消しになった。
「お前らさぁっ
……
」
「うぅっ、ボルトくん、助けてよっ」
「助けなくていい、ボルト。このアバズレにわからせる」
「ここでわからすんじゃねー!」
2人がもつれあってベッドに倒れ込む。
部屋帰れよ!と怒鳴りつければ、ボルトくんのベッドのが燃える、と真っ直ぐに言ってきたエイダに、ストレスで蕁麻疹が出るかと思った。
end.
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