ssblast_is
2016-01-10 01:03:30
1267文字
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学園ドラマ

大環ワンライ

「二階堂さんお疲れさまです、セット転換終わるまで休憩でお願いします」
「お疲れさまです」
スタッフさんに挨拶してスタジオの端に用意されたパイプ椅子に腰かける
今日はいつもの学園バラエティの撮影
今はソウとイチのシーンを撮っている
「あれ、ヤマさんもきゅーけー?」
「おう、お疲れ」
同じく休憩に入ったらしいタマが首にかけたタオルで首元を拭いながら横に座る
先程まで部活シーンを撮影していたタマは熱い熱いといいながらがしがしと胸元まで無遠慮に拭っていく
「タマ、顔はそのノリで拭くなよ」
「わかってっし」
嘘つけお前今顔拭きそうになってただろ、と言うと機嫌を損ねて扱いが面倒になるので言わないでおく
男とはいえ撮影のために多少のメイクはしているのだがついそのことを忘れがちだ
いつもの感覚でいるとタオルは悲惨なことになるしメイクさんにご迷惑をおかけすることになる
タマは既に一回やらかしているので適度な範囲で注意だけはしておく
「なあヤマさんもう制服着ないの」
「あ?あぁもう着ないらしいしできれば着たくない」
「えーなんで」
「なんでって言われても俺保険医って設定だし」
白衣を持ち上げてひらひらと振ってみせるとつまらないとでも言いたげにタマは口を尖らせた
「22にもなって男子高校生のコスプレさせられるお兄さんの身にもなってよ」
「だってヤマさんと先輩後輩してるみてーで楽しかったのに」
「あータマとイチと同じ学校に一緒に通う可能性があるのって小学校だけか」
そう言われると年齢の差をひしひしと感じて少し肩が重たくなる
「ヤマさんが先輩だったらよかったのに」
「なんで」
「授業のサボり方とか購買の美味いパンとか教えてくれそう」
「お前授業サボってんのか」
「サボってねーし!いおりんがいるからサボれねえし、いおりんが仕事でいない日も後で女子がチクるから無理」
「つまり一回やったことあんだな」
「そのあとそーちゃんにも怒られた」
「お前のそーいう素直なとこ嫌いじゃないよ」
「あーもう!うっせー!」
癇癪を起したタマはさっさと荷物からゲーム機を取り出してゲームに興じはじめた
現場だということをわかってか音はかなり控えられているのがタマの成長したところだろう
こうして身近にいるからこそ成長もわかるし根はいいやつだってこともわかる
でも何の繋がりもなくそれこそただ同じ学校に通っているだけのような相手には誤解を生みやすい
きっと学生時代タマが後輩として入ってきたとして、図体も態度もデカい子供みたいなやつが入ってきたと噂になった辺りで自分から関わろうとはしなかっただろう
面倒なことには巻き込まれたくないから遠巻きに見てそれで終わりだ
タマが考えているような先輩後輩のやり取りなんて起こりえない
「俺はお前が後輩ってのは嫌だけどね」
だからこそこんな学園ドラマくらいで丁度いいのだ
「あ?なんか言った?」
「なーんも。ほらそろそろスタンバイしとけよ」
出会ったのが今でなければきっとお前と関わることなんてなかっただろうから