nogirota
2025-01-31 00:52:49
2591文字
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【自機設定】シ・フロストの過去設定【〜蒼天3.0】

本編前の暮らし。
キャラのベースはあればあるほど楽しいからね。

蒼天までの要素を含みます

【幼少期】
冷涼なイシュガルド近郊の山間。
双子は晴れた冬の日の朝に生まれた。薄く霧が立ち込め、草木には霜が降りていた。
姉には霧の名前フォグ、弟には霜の名前フロストが付けられた。

体が弱いのに勝気な姉。丈夫なくせに気の弱いフロスト。
姉が歩き疲れれば弟が支え、弟が怯えていれば姉が前に立つ。
双子らしく互いの不足を補うように育っていた。

そんななかで、2人は揃って母から聞かされた英雄譚により外の世界への興味を持ちはじめる。
年長者に村の外との物々交換の話を聞きに行ったり、遠くに見えるイシュガルドの街に憧れを持っていた。

冒険心については家族の皆肯定的だった。そのためにもと、まだ幼いながらも族長と母に連れられて、初めて狩りに出ることになった。
姉弟はきちんと獲物を狩る事に成功したが、褒められて喜ぶ姉に対して、命を奪った実感に怯えたフロストは大泣きし、家族にも何故そんなに泣くのか理解してもらえず数日寝込んだ。

フロストは、家族と自分の感覚が違うことを幼ながらに実感し始めていた。



【少年期】
成長するに従って双子もそれぞれの性格によってバラバラに行動することも増えてくる。

フロストはこの頃、豪快な気質の周囲と自分の性質の違いに辟易し、早めの反抗期を迎えていた。

1人で狩りに出かけて早々に獲物を手にしたフロストは、集落には帰らず山の中で時間を潰していた。
あまり帰りたくなかったから、あてもなくフラフラ散歩していたのだった。

その折に、ポツンと山小屋が建っているのを見つけた。各所に補修の跡が見られ、随分と昔から誰かが住んでいるようだった。
まだ集落の外の人間と会ったことのなかったフロストは興味本位に扉に近づいていった。

突然、勢いよく扉が開かれ頭上に槍が向けられ、うわと驚いて尻餅をつく。
槍を向けたのはエレゼンの老人で、ミコッテの少年が転けているのにこちらも驚愕した様子だった。
2人とも慌てて謝り合い、ひとまずと家に招かれて話を聞けば、老人は元イシュガルドの学者であった。宗教についてを研究していたところ突然追われる身となり、隠れ住んで久しいのだと言う。
「異端審問官かと勘違いをした、すまん」
と、気まずそうに、しかし見慣れぬ種族に対してか目に興味を浮かべる複雑そうな老人の表情にどことない親近感を覚えたフロストはそれから事あるごとに老人の元へ訪ねては交友を深めていく。

老人は、研究していた宗教学の内容については頑なに教えてくれなかったが、それ以外の集落の外の事はフロストにたくさん教えてくれた。
フロストも獲物や採集物などをお土産に渡したりしながらの交流は5年以上に渡って続いた

【第七霊災】
フロスト16歳。一人前と認められたフロストは旅支度を進めていた。しかし、その折に第七霊災が起こり始める。
不安定な環境、落ちてくるダラカブの影、攻撃的な竜が集落の近辺にも現れるようになり、集落一番の狩人に育っていたフロストは自ら旅に出るのを中止した。

情報源に乏しい集落で、何が起こっているのか分からない中、ついにダラカブが落ちる。

クルザスは真冬の寒さを何倍にもしたような吹雪に襲われ、寒山の獣や混乱した竜が人を襲った。交流を持っていた周辺の村の者を獣から保護し、代わりに暖を提供されてなんとかその日を生き延びる。今までの穏やかな日々が嘘のように、目まぐるしい変化に晒された。

フロストは老人を気にしていた。
彼は十分生きることには長けていたが、無事だろうか。気にしつつも、周りの命を守る事で精一杯であった。
そして、少しの余裕が生まれて彼の小屋を訪ねたフロストは愕然とする。
小屋は荒れ、床には無数の獣の足跡が散っていた。
なんとか足跡を辿って行った先、原型をとどめていない老人の遺体を見つけ、フロスト自身のそこから先の記憶は曖昧である。

集落にいた家族が見たのは、亡骸を抱えたフロストが涙を流しながらふらふらと帰ってきたこと。
持っていた矢筒が空になっていたこと。
初めて大切な人の喪失を経験したフロストが数日間墓の前で呆然としていたことだった。

実際、フロストはやり場のない喪失の悲しみを、際偶然襲ってきた獣を仇だと思うことで、怒りに変換して発散させた。
あたりの獣を無差別に狩り、矢がなくなったところで我に帰って帰路についたようだ。

老人がただ霊災により混乱した獣に襲われてしまったのか。それとも、野盗の類やはたまた異端審問に関わる者に殺されたのか。フロストの中で様々な考えは巡ったものの、決定的なことは何も分からずじまいである。

【霊災後】
霊災後の混乱が徐々に落ち着いてくるころ、一時的に暮らしを共にしていた周辺の村の人々は保護を求めてイシュガルドの方へと避難して行った。
フロストの集落のミコッテたちは環境が悪化しても集落にとどまることを決めていた。
旅に出ていてまだ帰らない集落最初の男子が帰ってくることができるようにするためであった。
何があってもここが帰る場所であるという約束を守ると族長や母たちは決めており、子供達もそれに同意していた。


そして、霊災から5年が経ったある日。
族長は中止していたフロストの旅を始めてはどうかと提案した。
すっかりそんなこと忘れていたフロストが改めて周りを見れば変化はあったもののある程度安定した集落の姿と、あの激動の日々を誰1人欠けることなく超え、同じ土地で暮らすことを決めた強い人たちが目に入る「一番の狩人だから」と旅を中止したが、自分がいる必要はないどころか、老人を亡くした時など助けられてばかりだったようにも思える。
そうなれば、あの時諦めた冒険心が再び膨れ上がって、居ても立っても居られない気持ちになった。

未だ半身のように思う双子の姉は、長旅に耐えられない自身の体のことを持ち出して、ずるいと拗ねたりとした。が、最終的には応援する気持ちが勝って笑って送り出してくれた。

母が語り聞かせてくれて、何度も読み返した物語のように、世界を巡ってたくさんのものを目にしたい。
老人の語った広い世界を知りたい。
そして、愛しい隣人を守れるようになりたい。

様々な思いを胸に、フロストは旅に出るなら知らない土地へ、と。隣国グリダニアへ向かうのであった。