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三毛田
2025-01-28 20:20:44
1075文字
Public
1000字2
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86 086. 永遠への誘惑
86日目
君に誘惑されるなら
永遠とは、何を指すのだろう。
不老長寿?
不死身の肉体?
それとも、とある天才のような存在?
空っぽだった肉体では、それに関する思考をまとめるための情報はあまりにも少ない。
「丹恒にとって、永遠は?」
「
……
前は暗く冷たい水の下、だな」
「今は?」
「お前という温もり。列車という居場所」
「俺と一緒」
「そうか」
低く冷たい強張った声から、柔らかくぬくもりを感じられる声に変化していく。
「そろそろ、俺という誘惑に引っかかりませんか?」
「ああ。引っかかってやろう」
両腕を広げると、そっと倒れ込んできてくれる。
そして抱きしめると、抱きしめ返してくれて。
永遠に在ることは叶わないけれど、そう願ってしまうほど誘惑の強いもの。
誰かの温もりが、こんなにも手放しがたいものだとは知らなかった。
知ってしまえば、離れることは難しく。温もりだけでなく、それ以上も求めてしまう。
『丹恒が好きだ!』
思いを告げたのは、列車のラウンジ。
パム、なの、姫子、ヨウおじちゃん。みんながいる前で、顔を真っ赤にしながら。
今でも覚えている。
頭のてっぺんから爪先まで、全身の血液が沸騰したかのような感覚を覚えつつ、上擦った声で。
緊張で上手く呼吸は出来ないし、丹恒に拒絶されたら二度と立ち直れないと。
『ああ、俺も好きだ』
この料理は美味いな。そんな感覚で告げられた、〝好き〟。
なのはその場に崩れ落ち、パムはやれやれと肩を竦め、姫子とヨウおじちゃんは額に手を当て大きなため息。
そんな彼らの反応に、丹恒だけが戸惑っていた。
俺はというと、彼に嫌われてなくて、同じだけではないけれど、好かれていたことに安堵して座り込んで。
『よかった
……
』
と呟いて膝を抱え。なのと姫子が、色々丹恒に言い聞かせている。
『っ』
何を言われたのか、俺には聞こえなかったけど、真っ赤になってこちらを見ているから、意識させることには成功したのだ。
『穹、俺もお前が好きなようだ
……
』
と、ほんのり顔を赤く染め告白されたのは数日前。
「穹。何を考えている」
「丹恒のこと。今、目の前にお前がいるのに、他のこと考えるわけないだろ?」
俺の胸にくっつけていない方の頬を撫でると、嬉しそうに目を細め。
「なあ、キスしていい?」
「ああ」
俺と同じだけ好きだと気付いた丹恒は、急に積極的になった。
そういうところも可愛くて、いっぱいキスして甘やかしたくなる。
そっと唇を重ねて、それから離す。
額、瞼、鼻、頬とあちこちにキスをしていく。
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