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明らか
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小説
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モブが出張で寂しい師匠のSS 全年齢版
3925で新婚さん師弟。モブが1週間の出張でいなくなってしまい寂しい師匠。こちらは全年齢ですが続きは軽いR18になるかも。左右は決めてません。
「はぁ〜
……
」
カレンダーを見ながら長いため息をつく。
視線の先には赤丸で囲んだ4日後の日付。モブの帰宅予定日と小さく書かれたそれを日に何度も見返しては深いため息をつくのだった。
モブは仕事の都合で1週間の出張に出ていた。
「僕がいなくても泣かないでくださいよ」
「ばっかガキじゃあるまいし。お前こそちゃんと仕事してこいよ」
そう言って恋人を送り出したのは2日前のことだったか。始めのうちは久しぶりの1人の夜を満喫するのも悪くはなかったが、簡単な飯を済ませてソファでふぅと一息ついたところで次第に何かが物足りなくなった。独身の頃住んでたアパートより部屋が広くなったせいというのもあるがそれだけじゃない。
何かが足りない。
人一人分の何かが。
いやいや何を今更子供じみた事を。何十年一人で暮らしてきたと思ってんだよ。久しぶりにちょっとフリーの夜が出来たからって寂しいとか無い無い。夜っていうのは余計なことを考えやすい。こんな日はさっさと寝るに限る。そう思ってテレビの電源を消し寝室のベッドに潜り込んだところで、もやもやの正体にハッキリと気づいてしまった。
いつもは隣で眠っているはずのモブがいない。
隣の体温がないから、背中がスースーする。1人で使うには広すぎるベッドで恋人の存在がないことに嫌でも気付かされた。
俺の感じた寂しさはモブの形をしていたんだ。
(さ、寂しい
……
)
その夜、俺は少しだけ涙ぐんで眠りについた。
そしてモブが出張してから今日で3日目だ。まだあと4日もある。早く帰って来ねえかな。てか新婚だっつーのに連絡のひとつも寄越さないとはどういうことだ。付き合いが長いとはいえそんな冷えきった仲じゃないだろ。俺が旦那の居ぬ間に男連れ込んで浮気してたらどうすんだよ。しないけど。いっそ俺から連絡しようか、いや仕事の邪魔してもいかんだろうし、とスマホのメッセージアプリを開いたり閉じたりしている間にピロロロロンと着信が鳴った。慌てて通話ボタンを押す。
「おうモブ」
「あ、師匠」
お疲れ様です、とモブの声。師弟とはいえ仮にも恋人への第一声が「お疲れ様です」はおかしいんじゃないか。ふっ、と自然と笑みがこぼれる。
「お疲れ。全然連絡ないから心配したぞ」
「すいません。なかなか連絡するタイミングがつかめなくて」
2日ぶりに聞いたモブの声は少し疲れてるようだった。
「大変そうだな。わざわざ電話しなくてもメール送ってくれればいいんだぞ?」
「へへ
……
師匠の声が聞きたくて」
少しはにかみながらそう話すモブの声が可愛すぎてキュン死にするとこだった。俺の弟子可愛すぎない?浮き立つ己の内心を悟られないように至って平静を装いながら会話を続ける。
「
……
俺も。モブの声が聞けて嬉しいよ」
「うん
…
師匠も1人で寂しくないですか?仕事終わったら真っ直ぐ帰りますから、もう少し待っててくださいね」
「ばーか余裕だっつーの。こっちは気にしなくていいから仕事頑張れよ」
二言三言会話をして通話を終えると、ふぅ〜とソファの上で脱力する。
モブ、頑張ってんだな
…
。
師匠として弟子の成長が嬉しい。久しぶりにモブの声が聞けてホッとしたのか、急に力が抜けてきた。早くあのまあるい頭をよく頑張ったなってくしゃくしゃにしてやりたい。そしたらきっとモブはさっきみたいにはにかみながら笑うんだろうな。
「あ〜
…
早く会いてぇ
…
」
俺しかいない部屋に向かって誰に言うでもなくそうポツリと呟いた。
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