双子は順番に私のところにやってきては、今日の戦利品を自慢してくれる。生きているものは家に持ち込まないでというお願いは、今のところは守られている。
頼み事は一日のうち、ほんのわずかな時間しか効力を発揮しないから困ってしまう。
例えば目の前に新しい楽しみが生じたり、興味を引くものを見つけた途端に、二人とも私の言ったことをすっかりと忘れてしまう。
「ねえねえ、今日のご飯にどんぐりを入れて」
「こっちを入れて、赤くておいしそう」
キッチンのまな板に乗せられる前に、それらをそっと押し返す。
「どちらも入れないよ」
「どうして?」
「美味しいのに」
食べたことはないだろうに。
二人ともそれが食べられるものだと信じて疑っていないらしい。
「それは毒があるし、それは渋すぎるよ」
「でも、リスさんは食べるよ」
「木の実を食べても死なないよ」
「私たちはリスさんではないからね」
どうしても食べたいのなら、確かにドングリくらいなら食べる方法がある。しかし入念なあくぬきをしなければ渋くて食べられない種類だし、その工程を辛抱できるほど二人は辛抱強くないだろう。
「じゃあ私たちは何を食べるの」
「お腹を空かせてしまうの」
「今作っていますからね」
簡単なものだが、それでも作らないよりはましだ。
うどんに甘く味付けしたお揚げを乗せて、薬味は抜き。代わりにかまぼこを二枚、飾り切りにして乗せておいた。
うどんに木の実はきっと合わないということで、二人には許してもらおう。
ご飯を前にした双子は、どんぐりと赤い木の実のことをすっかりと忘れたようで、外のテーブルに走っていった。
そこは天気がいいときのお気に入りの食事の場所なのだ。
そういえば、言われずともランチマットを食器を用意してくれるようになった。目の前の楽しみが最優先の子供達だと思っていたのに、最初はできなかったことができるようになっている。
子供の成長は早い。
きっとすぐに、この家から去って目まぐるしく刺激がたくさんな外の世界に帰っていくのだろう。
それでいい。
いつかここで過ごした時間を思い出し、懐かしく思ってくれることがあれば、十分なのだ。
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