世界を股に掛けるワンダーランズ×ショウタイム。忙しさで目は回るもののショーをやり切った充実感は最高であるのでこの生活にまだ嫌気はさしてはいない。が、そっちに全振りして最近は恋人とそういうことはとんとご無沙汰であるのも事実だ。
久々の連休オフ日。
期待しない訳がない。
けれど裏方の自分と役者の彼では疲れ度合いが違うだろうと考え込んでしまう。
(シたいな。でも迷惑はかけたくないし)
愛しい恋人とそういう事をしたのはかれこれ1ヶ月半前。
恋人も同じ気持ちなら良いのにと願ってしまうものの彼はお風呂に入ってソファーで少し眠たそうにしている。
目がとろんとしていて非常に可愛いが、どこか妖艶な雰囲気も纏っておりよろしくない。
蒸気した赤い頬、お風呂上がりのしっとりした髪、そこから香る甘い匂い。そのどれもが扇情的にうつる。
このまま彼の隣に座っていてるのはよろしくない。大変よろしくない。
(素数でも考えて落ちつこう)
2、3、5、7、11…
脳内でいくら素数を数えていてももたれかかってくる恋人の熱が伝わってくる。
お互い薄手のパジャマに着替えていることによって普段より更に熱がじんわりと伝わるのが原因だ。
急にパッと離れた恋人が「どうした?」と顔を覗いてくる。
(すっごくムラムラして今すぐ襲いたいんだけどいいかな!?)
なんて言えるわけない。
「何でもないよ」
「……。」
上目遣いはよくないな…はぁ…頑張って数えていた素数も500を超えてしまった。少しでも気を抜けばバレてしまう焦りも混ざる。
503、509、521…
「オレはな」
恋人である司くんは傍にあったクッションを抱きかかえている。正直その姿だけでもクるものがあるのだけれど。
さて何を言い出すのかと黙って耳を傾ける。
「お前に、めちゃくちゃに抱かれたい………のだが、その……」
抱えたクッションを更にぎゅうっと抱きしめて顔をさらに真っ赤にして涙目の上目遣い…こういうの何コンボって言うんだろうなんて考えながらも頭は大混乱。
司くんに誘われ…てる??
「ゑ」
思わず変な声が出た。
彼は更にダメか?なんて聞いてくる。
据え膳食わぬはなんとやら…
「司くん…いいの?」
「むしろ我慢など…出来ないんだが?」
「同感だね。僕も…君が欲しくて仕方ないよ…」
そのまま連れ立って寝室へと2つの影が消えた。
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