whityyokko_hkg
2025-01-24 00:51:00
1615文字
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ランサー召喚日記念

五次青槍とモブたまに神父
突貫です見逃してください。

毎週日曜に連れてこられる礼拝。ありがたいお話だからちゃんと聞きなさいとお母さんは言うけど僕もう飽きた。言ってること全然わからないもん。それになんだか怖いんだよな神父さま。笑ってても笑ってないときあるのをお父さんもお母さんも知らないみたい。僕だけの秘密。

時間つぶしに大きな壁の絵に描いてある顔と羽しかない赤ちゃん(天使なんだって!キモ!)が何人いるか数えるのも正直やり尽くして、とにかく時間がすぎるのが遅いしもう無理!じっと座ってなんかいられない。足プラプラしたいの我慢できない!
怒られるのはいやだけど、最後の手段でもれちゃうトイレってお母さんに頼んで僕だけこっそり礼拝堂から出たんだ。

誰にも気づかれないように足音に気をつけて静かにしてたつもりなのに、と中で神父さまと目があったような気がする。ギロって音が頭の中にしたからドキドキが止まらなくなって気づいたらダッシュしてた。

で、よく分かんないけど教会の外に出ちゃった僕は門を飛び出してた、んだって。

後ろからビュンって音がして誰かに引っ張られた、と思ったら足が地面についてなかったんだ。今日初めてはいた瞬足ごと僕の足ががプラプラしてる。
赤ちゃんみたいに後ろからだっこされてるってわかった。

「危ねぇな、ボウズ」
僕のあたまの上の方から、聞いたことない男の人の声がしてビクンてした。
門の外をビューンってすごいスピードでトラックが走っていって、これってもしかしたらはねられてたかもって思ったら胸がギュンって痛くなってきた。
トラックが見えなくなって、だっこしてくれた手が下ろしてくれたんだ。

ありがとうございます
怒られるって思って男の人の顔は見れなかった。頭をごちんとされるかもって目をギュッとつぶってたんだけど、ゲンコツはこなくて、あれ?と思って顔を上げたら誰もいなかった。後ろを見ても誰もいない。
え?なんだこれ?

急に全部おそろしくなって、目から涙が出てきて止まらなくなった。声を出しちゃいけないって歯をくいしばってたら、ひっひって変な音が口からもれて、よけいに怖くて動けなくて。涙止まれって思うのに全然止まらない。

「男なら泣くもんじゃない」
さっきの男の人の声だ。
「お前は英雄に命を救われた男だ。誇れ」
お父さんよりおっきい手が僕の頭をぐりぐりする。
「こんな幸運滅多にないぜ、況してやこの街のこんな時期にな」
頭の横らへんから声がしたから、首といっしょに顔を動かした。

男の人は青い髪の毛してた。多分外人さん。目が真っ赤で見たことないくらいカッコいい人。
目があって、ニッて笑った。

僕はびっくりしてたと思うんだけど、実はその後のことはあんまり憶えていない。
次に気がついたときは神父さまが隣にいて、礼拝が終わったことと、トイレの場所を教えてくれていたんだ。

青い髪の男の人のことは誰にも言わなかった。お父さんにもお母さんにも神父さまにも。

言っちゃいけないんじゃなくて、誰にも教えたくなかったんだ。
だって僕は英雄に救われた男なんだ。

こういうのキセキって言うんだって後で知ったけど、キセキは大事にしてみんなに言いふらすものじゃないって先生に教えてもらったから、僕は秘密にするって決めた。
僕と青い髪した英雄との多分一生の秘密。


あれから成人した今でも礼拝に通っているが、それから一度も英雄に再会することはなかった。
あのときの神父様もここにおられなくなってずいぶんと経つ。

聖堂教会に所属する身となり、あのときの英雄の正体もこの街で起こったこと全ても頭に入っている。
だが知識を得たとて何になろう。あの英霊に見えるわけでなし。
私のような凡人が召喚できる霊基ではないことだけが確かで、私はそれにすがり、彼の英霊と交わらない運命であることを呪い祝い、今世を全うする。
それが英雄に命を救われた私の誇りである。