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ENIGM(えに)
2025-01-23 03:16:07
736文字
Public
29
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【牛麺】甘い血
「サングリアは旬のフルーツをワインに漬け込むから甘くて飲みやすいんだ」
ソファに隣り合わせで座り、腕の中で本を読むラーメンマンに唐突に話しかける。
そのようだな、と微笑みとともに相槌を打ってくれたのに気を良くした俺は話を続ける。
「名前の語源は血なんだぜ、アンタにお似合いだと思わないか?」
「
……
フッ、そうかもな」
ペラリと紙が捲れる音が響く。
ゆるく束ねられたラーメンマンの髪に顔を寄せて香りを楽しみながら、グッと抱き寄せる。
「今は桃が旬だから、あんたのために桃のサングリアを作ってやるよ。あんたの国じゃ特別なんだろ?」
そう囁きながらラーメンマンの首筋にキスを落とす。
「幸せや不老長寿を意味する果物だな」
長生きをしたいとは思わないがな、と笑うラーメンマンを見てキュッと心臓が握られたように痛んだ。
「これまでの事からしたらよ、俺はあんたと同じ場所には逝けねぇと思う。でも願っちまうんだよな、お前と一緒にいてぇなって」
「私は大罪人だぞ」
「でも正義超人として生きる道を選んだだろ。きっと天国さ」
ククッと出た笑い声はひどく情けなかった。
そんな陰気な俺の顔をふわりと温かい手が包んだ。
「
……
桃源郷に逝けばいいさ」
「ユートピアか」
「生前の善悪で分けられるくらいなら、わたし達だけの桃源郷をつくればいいだろ」
そうすれば嫌でもずっと一緒だぞ、と優しく笑いかけられ、フッと心が軽くなった気がした。
「意外とロマンチストなんだな」
「お前に影響されたのかもな」
背を向けていたラーメンマンをこちらに向かせ、覆い被さるようにハグをする。
「桃のサングリアを作ったら、それで誓いの乾杯をしような」
「ああ、喜んで」
-end-
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