【I am a rebel.】

『GODARCA』現行未通過×

スレイの独白

 隊員たちと同胞を眺め、オレは一人目を細める。戦車のアルカナに選ばれた自分は、多くの人の死を横目に前線を駆け巡る。神を轢き潰しその悲鳴を途切れさせるまで、足を止めてはならないのだ。その覚悟はできている。


 視界を閉じる。

 自分の、自分たちの死地が近付いてくる。最後に立っているのは、きっとオレ以外の人類だ。そして生き残りは、死した者を悼んでくれるのだろう。皆は優しく、強き者ばかりだ。

 だが、それでも刹那に考えることがある。誰も死なず、神に抗えたなら。人類を救い、勝利の歓声を響かせられたなら。そんなことは有り得ないのに、オレは夢想を止められない。


…………


 暗くて黒い深淵のような、そんなオレの瞳を眼帯越しに撫でる。ずっとこの、深き闇を敷き詰めた瞳が苦手だった。皆は気にし過ぎだと笑うだろうが、オレはどうにも不吉に感じてしまう。

 一度長い髪を解き、二度と解けぬよう固く結び直す。アルカナに選ばれる以前から伸ばしっぱなしの髪が、ほどよい重みを体にもたらす。戦が終われば切ろうと考えていたが、この調子では髪より先に首が斬れそうだなんて考える。


 視界を開く。

 原初の背中を見るのは、これが最後になる。オレの眼前にはもう、神の姿のみが刻まれるからだ。それでいい、それがいい。オレより先に征き、オレより前で逝くのは心苦しい。


 オレは、スレイ・ヴァーミレット。
 ただ神に叛逆しただけの人間だ。