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三毛田
2025-01-17 18:20:48
1083文字
Public
1000字2
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75 075. 鳥籠の中で
75日目
囚われていた時間が長すぎた
75 075. 鳥籠の中で
あそこは牢であり、同時に自由のない鳥籠で。
そこから外に出されても、羽ばたき方を知らず。だからといって、地に落ちることを甘んじて受け入れたわけでもない。
終の住処とまではいかないまでも、列車は俺の居場所であり、家だ。
そこに入り込んできた異物ともいえる存在に、初めは警戒を怠ることはなく。
『丹恒。ウチらはもう仲間なんだから、そんなに警戒しないでよ』
一人目。氷に護られるように、宇宙を漂っていた少女三月。
『丹恒、速戦即決だ。イケるだろ?』
二人目。宇宙ステーションで拾った、星核を宿した青年、穹。
引くべきところは弁えているものの、存外グイグイくる。
彼のペースに飲まれてしまうと、気づけば仕方ないな。と、許してしまうようになっていき。
気づけば、二人ともかけがえのない仲間となっていた。
己の中の変化に戸惑ったけど、あの二人に振り回されていれば嫌でも彼らのことしか考えられず。
それを厭う暇もない。
だから、いつしか心地よいとまで感じるほどに。
『丹恒、好きだ』
穹に好意を告げられたのは、ピノコニーへ向かうと決めてすぐ。
突然の告白に狼狽えてしまい、直ぐに返事をすることは出来なかった。
そのうちに彼らはピノコニーへ向かい、俺は列車で休息しつつ穹からの好意へどう返そうか悩んでいた。
「丹恒。さっきもそこを掃除しておったぞ」
「そうだったな」
「オレでよければ、話を聞くぞ」
腰に手を当て、パムがこちらを見上げてきて。
「そうだな。聞いてくれ」
「それなら、休憩にしよう」
頷いて、掃除用具を片付ける。
手洗いして戻ってくると、柔らかな紅茶の香りがラウンジいっぱいに漂っていた。
「今日は、リラックスできるハーブティーじゃ。砂糖とミルクはお好みで」
「いただこう」
カップを手にし、香りをいっぱいに吸い込んでから一口。
「
……
穹に好意を告げられた」
「嫌なのか?」
「嫌では、ないんだ。ただ、純粋な好意を向けられたのは初めてで」
「どうしたらいいのかわからない、と?」
「そうだ」
悪意と冷気に包まれた鳥籠の中で過ごしてきた俺には、穹の好意は眩しくて熱い。
だから。
「火傷してしまいそうだ」
「冷まして飲むとよい。今日の紅茶は、冷めても美味い銘柄じゃ」
「それなら、少し冷めてから改めて」
俺の独り言を拾い、紅茶のことだと勘違いしたパムはそう説明してくれて。
考えをリセットしようと、一度カップを置く。
「好きなら、好きと返してもよいとオレは思う」
そんな単純な話ではない。
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