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望月 鏡翠
2025-01-17 00:36:05
945文字
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日課
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#1608 「レタス」「涙」「鳥籠」
#毎日最低800文字のSSを書く/三題話
怒り狂った鳴き声すら可愛いものだけど、激しく攻撃される指先に感じる痛みは、可愛げがあるものではない。暴君にすっかりと飼い慣らされた私は、指先だから、まだいいと思うようになっている。顔面はアウトだ。鼻に齧りつかれたときも堪ったものではない。
私はギャリギャリと怒りの声を上げ続ける鳥籠から、レタスを回収した。
突いた傷はついているものの食べてはくれていない。あとでちぎれた葉っぱを回収しないと、不衛生だ。
どうやら我が愛しの姫君(性別不明)は、小松菜以外の野菜はお気に召さないらしい。白菜は好感触だったのだが、今回は駄目だった。毎日同じものでは飽きるかもしれないと変えてみたのだが、鳥には逆効果だったらしい。
野菜が高騰しているなか、せめて美味しいものを食べてほしいと思い、妥協案のレタスを差し出してみたのだが、こんなことなら自分で食べればよかった。
明日は大人しく小松菜を買ってくるとしよう。
鳥は葉っぱだけ食べるだろうから、茎と根っことの部分は人間がいただこう。大丈夫。私は茎の部分が大好きだから。
問題は手元に残ったレタスである。一応洗ってみたが、人間用にはできない。
涙に暮れながら人齧りされただけのレタスを、水槽に投げ入れた。そっちには鳥よりももっとずっとおとなしい黒いイガグリみたいな連中が沈んでいる。
もう一種類のペットだ。
たまに中で鳥が水浴びをしようとするけれど、海水だからやめた方がいい。
水槽の中にはウニがいるのだ。すぐには動かないけれど、一時間くらいしたらレタスの存在を発見してくれるだろう。
ウニは可愛いやつだ。動かないようでわさわさ動いているし、好き嫌いせずに与えた野菜をちゃんと食べてくれる。水の中の生き物は、他のペットと喧嘩しないのがいい。これがウツボだったりしたらまた変わったのかもしれないが、ウニと喧嘩するには鳥は忙しなさすぎる。鳥たちはそれを部屋のインテリアの一部としか思っていない。
我が家の暴君と共存できる上に、いつでも人を拒むことなく穏やかなに存在しているウニの存在は、私の癒しとなっている。
それにキャベツを食べたウニは美味しくなるというから、彼らもきっといつか私に美味しいウニを食べさせてくれるだろう。
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