ながとぅ
2025-01-14 20:22:26
1781文字
Public ZZZ
 

ZZZ【ビリー&ライト/もちじゅう】

個人的にはCPを意識してないです。ほぼプロットの状態なので、いつか清書するかもしれない…。
ちなみに…もちじゅうって持ち歩き充電池、モバイルバッテリーの事らしいですよ…!(しらんかった)

今日は邪兎屋のヘルプで呼び出された。
街中を短い手足を忙しく振るって行き来するボンプ達を目で追いかける。
今や新エリー都の人々の生活に欠かせない存在となった兎のマスコットだが、彼らはバッテリーで駆動している。
その証拠に街のあちこちに充電スタンドが存在していて、そこで眠るように充電しているボンプが大勢いるからだ。
そして、ライトの脳内に過るのは、至極全うで素朴な疑問だった。

――敬愛する男の動力源は一体、何なのだろう。

少なくとも今跨っている自分の愛車と同じではない。
あくまで盗み見た程度だが給油口があるようにも見えず、給油している様子もなく、何よりエンジン音も聞こえなければ、排気ガスも出ていない。
排気機構はライトの知る限り、せいぜい髪に見立てたヒートシンクから放熱している程度。
順当にいけばボンプと同じ充電池式だろうが――

「ライト!悪い悪い、待たせたな!」
「いーえ、待ってませんよ」

紆余曲折あって、冷凍庫に閉じ込められた。
この手の場所には内側から開ける為の機構が付いているはずだが、明らかに破壊された痕だけが残っている。
それどころか、庫内温度が明らかに低下し続けている。
寒冷地仕様になっていないガントレットや銃は早々と役に立たなくなった。
「さすがにしくじったかぁ?」
「弱気なんてパイセンらしく、ないですね……
「お前こそ大丈夫かよ。声、めっちゃ震えてるぞ」
「ちょっと眠い、だけ
「いやいやいや!眠いはヤバいだろ!!」
「ん……あったけぇ

「なぁライト……
「何ですか、改まって
「その、悪いオレの身体持って帰っ、て――
寒さで普段より減りが早く、更には無理な放熱を利用した結果、バッテリー切れで突然シャットダウンしてしまった。
「パイセン?」

「死ぬな!!」
そこからの記憶はほぼない。
冷凍庫の扉をこじ開けて、彼を連れ帰った。

「遅かったわ、ね――って、ビリー!?ライトも何、その血まみれの手!」
「俺はいいパイセンを、頼む」
「アンビー、手を貸して」
「えぇ」

沈痛な面持ちの男からビリーの身体を受け取り、彼の部屋にあるベッド型充電器へ載せる。
そのまま彼の部屋で手当てを受けながら話を聞く事に。

「俺が不甲斐ないばっかりにパイセンが
「え、ちょっとなになに?そんなに深刻にならなくて大丈夫よ。ただのバッテリー切れだから」
「は?」

思わず口から吐息が漏れて、肩から力が抜ける。

「いやぁ、悪い悪い!バッテリー切れで動けなくなっちまった!さすがに買い替え時かもな」
「そーですか」
「そんな不機嫌になるなって!な、ライト!」

目覚めたビリーに八つ当たりする。

……残された俺の気も知らねぇで
「おーい、ライトー?あの、いやホント悪かったって

気まずい沈黙。

「あ、やべ。やっぱヒートシンク、ダメになっちまったっぽいな
……俺が買います」
「え?どした?」
「俺が、買います」
「お、おう?た、頼むわ

それからビリーに見つかる手の傷。

「つか、お前!その手!ズタボロじゃねぇか!」
……俺の事はいいんですよ。時間が経てば治ります」
「よかねぇだろ!両手がその様子じゃ――
「なら、パイセンが責任取って下さい」
「よし!任せろ!」
「二言はないですね?」
「勿論だ!騎士に!二言は!ない!」
「そう言う事なんで、パイセンはしばらく借ります」
「いいわよ、ビリーのヒートシンクとバッテリーで手を打つから」
「さすが邪兎屋抜け目ないすね」
「当たり前じゃない」
「え?え?どゆこと?」

ビリー本人を置き去りに話が進んでいく。

「充電終わったら郊外まで俺の愛車で乗せてって下さいね」
「ん?あ、おう
「その前にまずは便所すかね」
「え」
「ちなみに全治一ヶ月だそうですんで、しばらく世話になります」
「え」

硬直している。フリーズしていると言うべきか。

「責任、取ってくれるって言いませんでしたっけ?騎士に二言はないんじゃあなかったでしたっけ?」
「うぐッライト、おま……ッ言いました!!言いましたよーだ!!!騎士に二言はないですよーだ!!!!」

やけくそになったビリーの声が響き渡った。


END