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Lupinus821
2025-01-13 20:19:36
875文字
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池霧池 2025年干支ネタ🐍
今後はこっちに投稿していきます(2年毎にpixivにもまとめる)
武器として使っていた頃は、髪の手入れにもそれなりに気を遣っていた。
髪はそれそのもので人を殺めるには足りないが、前段階で役に立つ。標的の視界を覆う。首筋に絡め呼吸を塞ぐ。あえて手に触れさせ油断を誘う
……
優秀な小道具のひとつだ。
捕らえられた後も看守には1センチたりとも切らせはしなかった。流石に全盛期と比べればケアの質は落ちるが、今でも毛先の鋭利な艶は衰えていないと自負している。
自負しているのだ。本当に。
「ねー聞いてよ霧っち!!こないだ捕まえた犯人にさあ、捨て台詞でこのヘビ髪男!!って言われたんだけど!!酷くない!?」
「正当な評価じゃないのか」
来るなりぎゃあぎゃあ騒ぐ探偵の髪は、今日も変幻自在とばかりにうねっていた。うねりという言葉すら生温い。毛束の一つが動いたり喋り出してもさほど驚かないだろう。
「ううっ、霧っちまで」
格子に額を当てていじける探偵。鬱陶しい上に髪だけが隙間から独房に入り込む形になっているので止めてほしい。
「今年は巳年だろう。縁起を担いでるってことなら悪口とも言い切れないんじゃないか」
「ほ、ほんと?」
「
…………
本当だよ」
「ほんとにほんと?」
どことなく既視感を抱くやりとりを続けながら、探偵の丸まった毛先を見つめる。
髪そのもので人は殺せない、と思っていたが、彼の髪質なら標的の顔を埋めさせ窒息死させることも不可能ではないかもしれない。欲しい武器かと言われたら断固拒否するが。
視線を自分の髪に移す。黒々とした枝毛ひとつないそれが凡庸なものに思えてきて、眉を顰めかけた瞬間。
「霧っちの髪も蛇っぽいよね」
「
……
は?」
「だっていつもぐるぐる動いてるじゃん。私を殺そうとして失敗するまでの間」
……
新年初殺害の動機がここに決定した。
案の定回避した探偵は看守に引きずられ、「何でだよ!私とおそろいってことでいーじゃん!」という捨て台詞よりおぞましい台詞を残していった。
嗚呼、髪に意思が宿るのなら、格子を越えてその首を絞めてやりたい。
蛇よりきつく、細く、激しく、執念深く巻きついて。
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