akinoshiroihana
2025-01-13 19:32:38
2681文字
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ゲッター赤鬼で何か

本当はお笑いをやりたかったんですが_(┐「ε:)_。
ネタを書こうとしたら、『未知との遭遇』回とマゼマゼした方がよくね?となり、でもやってみたら赤鬼になる以前に石川先生成分で十分怖いことになるじゃんにもなったり。ゲッター赤鬼関連の2号機はゲッター般若になるんですかそうですかで道成寺落ち



―――ッ!……はやと、いるよなっ、………うん、いたな
いるよ、どうした
っそ、いやな夢を見たんだ
どこかまだ見たことのない戦場、知らない世界、それはまあいいんだ、その時おれの視界はゲッターのそれになっていて
いいやゲッター1操縦時のカメラのそれじゃねえ、まるで巨大な人間の、つまりゲッター1それ自体に「見る」両の目があって、それで世界を見渡してるみたいな
ゲッターの目が俺に貼り付いてるのかゲッターの面が外れなくなったのか、探ろうとした俺の手も―――

サイドランプの光、ひろげられている両の手

戦場は見たことのないところだった、敵はどこにも見当たらなかった、見渡す限り荒れ果てて命の気配もしない、何処にも
敵は一体どこだ、何処に行った、こんなことをした敵は、いいや
いぶかる夢は夢だからの速度で思い当たる、もしや、と。途端に
わかっていたと知っていたことだと夢のなかの俺は罪の意識に襲われ震えた


そして自分の身体に―――いいや、振れる、隼人は、弁慶は、
俺の身体か「本体」か「魂」かええくそおれが今ほんとうにあるのがゲッター1頭部なら、二人のコックピットがある筈なのは、ここと、そこだ
今、ここに二人はいるのかいないのか
だが俺がゲッターに乗ってただ一人だったことなど
無かったはずだあのときを除けば一人死ぬと決めたときをのぞけば!

隼人はやといるのか待ってろ今すぐって俺は手にしていた大斧の刃を掴んでゲッターの腹にひたり当て
斧の刃は冷たかった、冷たいのがわかった

隼人は 見つからなかった

白い肉片は地に落ちると白い鉄屑に変わり、嘗て血のようにオイルを噴き出した胸部の穴はオイルも血も流すことなくまた白く盛り上がって塞がってしまう

『隼人』

ぎゅっと目を閉じる。だが目が閉じない闇が来ない
目の前の世界が見え続けている―――いや違う?

見えているのは後ろだ俺の背後だ
俺の背中にはもう一つか二つ、目が付いている
ゲッターに口など無いはずが軋る上下の歯がある
ざわざわと風を感じ、引かれ動く感触がときおり視界をさえぎる
ゲッターウイングが何かに接触しているわけじゃない
俺の背中には、髪を振り乱し歯をがちがちと噛み合わせる巨大な顔が両面宿儺のようにもうひとつ
それはゲッターではないゲッターの顔か、俺ではない俺の顔か
いや?
落とされた首のようなそれには朱に染まったその面と、同じ皮をまとったままの両の角があるのだと
頭が重い頭が重い食うのが辛い食うのが辛い、そんな泥のような思考が伝えて来る
いいや
ここに何も残っていないのはこいつが全て壊した後で、拾い集めて食ったのではないか
武蔵も隼人もそれに――俺自身をも
そして食われた中の俺の心だけが、この化け物の中にこのいっさい無感情な罪の中に、なにかが合致して、やどった!
そしてできたのがいまのすがただ

人面瘡のように俺達三人分の心で動かす「機体」が「瘡」となって生えた
どちらが表でどちらが裏か
どちらが主でどちらが従か
ゲッターで、赤鬼
ゲッターの顔がみぢみぢと有機物か熔けた金属の音を立て、牙の生えた口を開けた

仲間を懐かしむ心がお前をかわらず愛しいという思いが、お前はとりわけ美味かったという背中の記憶にあざ笑われるか、俺の五感と混ざり合ってしまっても、
いつかお前の意識も目を覚ますのを願って俺の―――装甲の白いところを選んでお前の顔を彫り出させたのは
アンドロメダの向こうの小人たちにだったかな
あてどない旅の武装といっしょに
そうして数百年ほどわたりあるいた。
「鬼」が覚えていた大まかすぎるゲッターの姿復元である鋼の足の指の間に砂が入ってはきしきし鳴いて
赤い酒を知ってゲッターの口から啜るようになっても白い肉の皿にはけして触れないまま
ある日宇宙の彼方からの唸り声に空を見上げたら
ぱちりともう一段瞼が開いて夜中の天井さ

ああちくしょうただいま
懐かしくて懐かしくて食っちまいたいほど

今夜ベッドは二度目の軋み音を上げかける。が、

よしよし、じゃあ次は俺の話だ 聞いてもう大丈夫だって言っておくれでないかい
俺が女で蛇になり竜になって俺を捨てて逃げる男を追いかけ焼き殺した夢
お前のくれた赤い足が哀れな男を逃がしやしなかったんだよ

ゲッターで、般若

俺が抱きしめ真っ黒い塊にしたのは
臥所の闇の中、のびてくる白い腕がほんのすこし冷たくも頼みにできる力を帯びたとても懐かしいいつものぬくもりで、

だけど微かに震えている




「鬼の顔が付いた武装といえばさ」
「うん?」
「格ゲー……格闘ゲームキャラにそんなのいたんじゃねえかなあ」

そんなことを昼下がり、ネーサーのラウンジで號が言った

「呪いの鎧なんで鬼の顔がアニメーションしてるやつでさ、ポン刀使いキャラだから使いたがる奴結構いたかも」
先日の親友が見たという悪夢をかいつまみ夢診断でも受けさせてみようかと思っていた隼人と親友その人は、「いや、そういう話じゃない」と揃ってひらひら手を振る。彼らの時代といえば、テーブル筐体のインベーダーゲームが間に合うか大方間に合わなかったぐらいだと。
「えーオッサンそういうのやり出すと長そう、カタナ持ってるキャラも嫌いじゃ無さそうじゃん」
ん、ほらこういう、と動画がずいと竜馬の方に突き出されれば、なるほど鬼の顔がそのまま胴丸の胸部腹部になった赤い鎧を纏った幽鬼のような人影が瘴気をまとい勝ち鬨をあげるところだった。曰く

まずは目じゃ! 次に耳じゃ!
そして首じゃアァーッ!!

隼人とその親友はしばし押し黙り、遠き日々に思いを馳せる。
あの若き日々からこのゲームまで実歴史では約20年があったはずだ、はたして隼人の「あれ」はどんな形で伝説化し、どんなふうに語り伝えられこうなったというのだろう、と。それともこれは全く偶然の一致だろうか
「正気を取り戻してマトモなバージョンもいるんだけどさ、この御機嫌キレキレじゃなくなったギャップがなかなか」
など言う號の解説に、男二人はなんだか曖昧な微笑みで応じ、流そうとしたのだが

「あ、ちなみにこのビシャモンてのは憑りつかれてる奴で、この呪いの名前はハンニャね」

その気もないままに真名を当てられた悪霊か何かみたいに、特に神一佐が美形にあるまじき、往年のごとき顔になったから、一文字號はそれはもう、たいそう怯えた。

「俺の知らない神さんだと……!?」
なんてフレーズを口走りもしながら。