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三毛田
2025-01-13 18:51:23
1073文字
Public
1000字2
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071. 貴方の傍らに
71日目
いるようないないような
『そう。それは、もしかしたら今も貴方の傍らに
……
』
「ぎゃああああ!」
「うわ。うるさっ」
「
……
」
テレビの中の言葉に驚いて、悲鳴を上げながら丹恒に飛びつく。
なのは迷惑そうな表情で俺を見て。
丹恒は、腕を組んだまま微動だにしない。
「たんこぉ、怖いから今日はお風呂一緒に入ろぉ? トイレについて来てほしいし、一緒に寝て欲しいなぁ」
「ぶりっ子してる」
「これくらいしないと、丹恒の反応鈍いからさぁ。ね? 丹恒?」
甘える声を出しても、反応はイマイチで。
「何か言ったか?」
そう口にしながら、耳から何かを外す。
「これか? ノイキャン機能付きイヤホンだ。ちょうど、ラジオで聴きたい番組があったからな。ところで、もういいのか?」
俺たちが観ていた内容を、彼は観ていないというわけだが、そこまで狭量ではないのでそこは言及しない。
「もう見終わったから。丹恒、一緒にお風呂入ろう?」
「いつも入っているだろう」
「今日も。ね? 後、一緒に寝てくれたら嬉しいなぁって」
「構わない」
嬉しくて抱きつくと、優しく頭を撫でてくれる。
「丹恒ってば、いつも穹にだけ甘いんだから」
俺達のやり取りに、なのは呆れたような表情。
「論文の提出も終わり、次の星に向かうまで日もある。久しぶりにお前たちと楽しい時間を過ごせているからな。これくらい、甘い内に入らないはずだ」
「丹恒~!」
「ぐぬぬぬぬ
……
そう言われたら、ウチの心が狭いみたいじゃん」
優しい微笑みを浮かべる丹恒を見て、なのは唸る。
「丹恒、大好き」
「ああ。俺も、お前が好きだ」
丹恒のちょっと冷たいけれど柔らかいほっぺに頬をくっつけてぐりぐり動かす。
ふふ。と、くすぐったそうに声を漏らして。
可愛い。
ほっぺに噛みついてしまいたい衝動を何とか抑え、なののほうを向く。
「はいはい。邪魔者は帰ります」
お邪魔しました! と、お菓子の袋をいくつか掴んで、なのは部屋を飛び出していく。
「三月は騒がしいな」
「いつものこと。ねえ、丹恒」
胸からお腹にかけて指を滑らせる。
「こら」
「だって。幽霊が怖いんだもん」
「可愛く言っても駄目だ」
「幽霊って、エッチなのが苦手なんだって聞いたからさ」
「意味が分からない」
「さっきの映画の最後さ、『そう。それは、もしかしたら今も貴方の傍らに
……
』って言うから怖くて」
「仕方ないな」
「ありがとう」
と、彼の柔らかい胸に頬ずりする。
そんな俺の頭を、彼は優しく撫でてくれて。
こうして俺は、丹恒を抱くことに成功した。
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