Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
紫輝
2024-09-16 08:53:18
2005文字
Public
リオヌヴィ
Clear cache
【リオヌヴィ(未満)とシグ】通信速度:999ms【原神】
旅先のハイテンションであーんしたりされたりしてのたうち回るリ殿と後からのたうち回るヌ様の話。応援団長シグちゃんを添えて。
稲妻には『旅の恥はかき捨て』なる言葉があるという。
知らない場所、知らない人々、知らない空気
――
それらは普段無意識に自分に嵌めている枷を緩めてくれるとも聞く。これに関しては認めよう。多少なりと浮ついている自覚はある。が。
このひとは少々はしゃぎ過ぎのケがあるのではなかろうか。
本国であれば人の食べかけの食物を、味見と称して口にするなど絶対にしないひとなのに。いやそもそも自分だってここがフォンテーヌであれば「俺の食べかけでよければ一口食べるかい?」なんて口走らないし、まず衆目のあるところで二人でテーブルを囲んだりしないのだけれども。
エビごといくと美味いぞ、などという浮かれまくった自分の言葉に成程とうなずいて上手にそれを成したらしいヌヴィレットが、上品に口元に手を添えてもぐもぐとそれを
食
は
んでいる。やがて喉が動いて、確かに美味だと美貌がほころんだ。
「少しは警戒してくれ
…
」
述べられたありがとう、にそれはこちらの台詞だと紡ごうとする舌を抑え込んで眉を寄せる。御身に何かあっては一大事だろうに。向こう六、七十年このひとを害する意思など微塵もないがそれはそれとして。
そんなこちらの心境など知った事ではないとばかりにヌヴィレットは小首を傾げて見せるのだ。
「君を? その必要が?」
「ぐぅ
……
」
流れるように視覚と聴覚へ受けた攻撃が心臓を跳ね上げて、喉がおかしな音を出す。信頼されているのは喜ばしいが、つまりこれは意識されていないという事なので嘆かわしい。複雑な男心をため息として吐き出す自分の前でヌヴィレットは「これがフリーナがナヴィアさん達と体験したという「一口ちょうだい」なのだな」なんて花を飛ばしていて、なるほどやけに乗り気だったのはそれでか、なんて先までのらしくない彼に得心を得つつ可愛いなと口走りそうなのを自制した段になって手の中に残ったものに気づいた。
自分の口に換算して、あと二口ほどを残すそれ。
片恋の君の舌を楽しませた、それ。
「
…
看護師長、」
思わずにこにこと自分達を見守っていた同席者にかけた声は大分情けない響きをしていた。
「ヌヴィレットさんとの間接ちゅうの大チャンスなのよ! 逃しちゃだめよ公爵!」
握った小さな手をジャブのように突き出して輝く笑顔を浮かべ囁くシグウィンに増援が期待できない事を確信して、己のものではない歯形の残るタタコスにひと思いにかぶりつく。
このあと君の食事を頂いてしまったから、と彼が食していたグレインカップのひと匙をその手で差し出されて更に苦悩することになるのだが。
この時そんな事は予想できるはずもなかった。
***
「シグウィン、私は彼に
…
リオセスリ殿に給餌行為を強いてしまった」
後日シグウィンは、相談があるとパレ・メルモニアにお招きを受けて、お茶とお菓子を頂いたあととてもとても話しづらそうに、悲壮感すら漂わせたヌヴィレットにそう打ち明けられていた。あらまあ。心の中で開いた口に手を当てる。どうやら自覚がお有りだったらしい
――
いや、この場合「追いつかれた」が正しいだろうか? まるで旧式のマシナリーの演算機能のような時差だ
…
は、流石にちょっと言い過ぎだろうか。
ともかくシグウィンは優秀なメリュジーヌの看護師長であり、主さまのことが大好きで、かの方が自覚なく想いを寄せている未来の王配との仲を全力で、世界で一番応援しているので。
今気づいたのね、なんて絶対に言わないのだ。
「ウチには「強いた」ようには見えなかったけど
…
公爵は嫌なことは嫌ってちゃんと言えるコでしょ? そうしなかったんだから、公爵もそうは思ってないと思うのよ。ヌヴィレットさんは
…
うーんと、公爵に給餌行為モドキをしてしまったことに嫌悪感があるのかしら」
代わりに首を傾げる。
「
…
ない。あの時の事を思い出すと、その
…
胸がさわいで、些か落ち着かない気持ちにはなるが、嫌悪感ではない。それは確かだ」
返った答えに快哉を叫ぶ。もちろん声には出さずに。もじもじそわそわと視線を泳がせるヌヴィレットなどこのウン百年見たことがない。脈しかない。実にいい傾向だ。頑張るのよ公爵と、水の下へエールを送って、それから。
「そう。ヌヴィレットさんがイヤな思いになっていないならいいの。
…
公爵には内緒にしておけば大丈夫なのよ! 公爵、龍のお作法は絶対知らないもの」
主さまを安心させるべく自信をたっぷり込めた笑顔で言い切って、両の手でぐっと拳を作る。君がそう言うのなら、と少しだけ表情を明るくしたヌヴィレットにうんうんとうなずいて、シグウィンは頭の中の二人に関するカルテに「一歩前進」と書き込んだのだった。
-----
セスリ殿をぶん回した後に(あれ、もしかしてさっきとんでもない事をしたのでは
…
?)って時間差で狼狽えるヌ様可愛いですよね好き
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内