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紫輝
2017-02-27 23:21:22
1949文字
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【露紅】なんちゃって海賊と士官パロ【文アル】
第二衣装見てたら書きたくなった設定ガバガバのパラレルっぽい何か。
細かいことは気にしない心の広い方向けです。
※なんちゃってパラレルですので設定等ふわふわのがばがばです
※義賊やってる露伴先生と海軍士官の紅葉先生(+弟子ちょびっと)
※色々ごまかしが激しい
果ての見えぬ地平線、輝く水面、全身をなぶる潮の香りをはらんだ風。今日の海は機嫌がいい。航海にはもってこいの良い気候だった。
そんな穏やかな青空の下で、二隻の船が睨み合う。片方の船の上では今まさに白兵戦が行われていた。
「何度も言ってるが、射手のサポートが甘いんじゃないか?」
朗々とした声を響かせるのは赤錆色の髪の筋骨逞しい男で、その腕には青年を捕らえている。数歩離れた場所には青年のものと思しき弓が転がっており、彼が危機的状況であることをうかがわせた。
「仕方がなかろう。余計な世話だと言われているのだ。手出しをしてこれ以上嫌われたくはないからな」
応えたのは泰然としながらも奥底に凛とした響きを内包した声。それを発したのは先の男とは対照的な、背を覆う豪奢な金髪を海風に揺らす中性的な顔立ちの男だった。赤錆の男が肩を竦める。
「そんなことを言っていると、いざという時大事な部下を喪うぞ」
「その時が来たら考えるさ」
「さすが、帝国海軍士官様は言うことが違うな」
「いやいや、手練れ揃いと名高い海賊団の長の助言、有り難く受け取ろう」
互いの陣営の長が微笑み合う図はある種の迫力がある・・・などと考えるのは、実のところ船に足を踏み入れて日の浅い者くらいだった。あまりにも場違いな大きなため息が、一触即発にも見える甲板に響く。
「お二人ともいい加減にしてください! いちいち僕たちを巻き込むのやめてもらえますか、というか、なんでいつも僕がこんな役回りなんですか!!」
「・・・くっ」
「・・・ふふ、」
捕らわれていたはずの青年が声を上げると、長二人が同時に吹き出す。途端に張り詰めていた空気は霧散し、まるでここまでが脚本ででもあったかのように武器を交えていた船員達は気さくに会話を始めるのだった。
「いやすまんな、お前が一番狙いやすいんだ」
「くっ・・・僕だって訓練してるのに・・・なんでこんなあっさり・・・」
「お前が露伴と対等に立ち回れるようになるにはまだしばらくかかるだろうな」
愉快げに肩を揺らしながらやってくる金の男を、青年が恨みがましい目で睨む。
「少佐も少佐です、用事があるならもっと穏便にやればいいのに、なんでいちいち喧嘩売るんですか!」
「そこに露伴がいるから、だな」
ふむ、と一考した男は、赤錆の男をちらりと見上げて笑った。水を向けられた男がやれやれとばかりに苦笑する。
「お前本当に、顔のわりに喧嘩っ早いよな・・・まあこっちも、いい訓練になるから有難いっちゃあ有難いんだが」
「ほら秋声、露伴もこう言っているのだし、いいではないか」
「なんでちょっと誇らしげなんですか・・・もういいです。あるんでしょう、用事」
付き合いきれないと何度目かのため息を落として、青年が二人の側を離れていく。取り落としたままの得物を拾いに行ったのだろうその背を見るともなく見送って、戻した視線がぱちりと合う。
「・・・で? 今日はなんだ?」
「うむ。この間の密漁者の捕縛の報酬が出たのでな。渡しに来た」
「別にいいと言ってるのに」
「そう言うな。半分以上はおぬし達の手柄だ」
寄越される、海賊にしておくには勿体無いという何度目かの賛辞に軍属に出来ないことをやるために海賊やってるんだとこちらも同じ答えを返す。どこかさみしそうな顔に少々胸が痛むのも『いつもの事』だった。
「・・・おぬし達には現物支給の方がよかろうと思ってな、酒に代えてある。これから鏡花に声をかけるから、人手を貸してくれ」
過ぎった影を瞬時に笑みで彩り、渡しに来たと言った口で取りに来いと宣う美貌にはいはいと笑みを返し、暇そうな部下を捜して巡らせた首をかなりの力で引き戻される。
「・・・っ! おいこうよ、」
う、の一文字は重なった唇の間に消えた。柔らかな感触はすぐに離れ、陰った視界の中新緑の瞳がきらきらと輝く。
「これは我からの礼だ。此度も世話になったな。これからも頼りにしているぞ」
「・・・紅葉お前、そうやって誑し込むのは俺だけにしておけよ・・・」
「言われるまでもない。お主意外と慣れ合う気はないぞ?」
「そりゃ光栄だな」
ゆるやかに融ける翠玉はどれほどの金貨を積んでも手に入らない宝石だ。どうやら自分専用らしい距離で至高の輝きを存分に堪能してから、うすらと開いた唇に指で触れ。
「海賊ってのは欲張りな生き物だからな。足りなきゃ別の対価を求めるぞ」
「望むところだ」
翠玉を覗き込み囁いた海賊に、一度またたいた海軍士官はあでやかに微笑んだ。
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