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紫輝
2017-01-07 21:58:50
764文字
Public
しょくんば(刀剣乱舞)
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【しょくんばお絵描き文字書き一本勝負62回目 お題:初夢】
参加させていただきました。二人がまだくっつく前、光忠さんが見た「いい夢」のお話です
おはよう国広くん、と、燭台切が微笑む。いつも穏やかな笑みを絶やさぬ男ではあるが、この日は輪をかけて機嫌が良さそうに見えた。
「・・・いい夢でも見たのか」
やめておけばいいのに、つい口はそんな疑問を紡いでいた。昨日は年が明けて二度目の夜だった。今日見る夢が『初夢』、一年の吉凶を占うのだよと語る、三条の神刀の声が蘇る。答えが是であるとは限らないけれど、もしそうであった場合燭台切のような男が見て喜ぶような縁起の良い夢といったらなんだろう。やはり戦の誉だろうか。いやこの男のことだ、新しい料理の知識がついたとか、珍しい食材と出会ったとか、およそ刀らしくない部分に喜びを見出すかも知れない。
答えを待つ間つらつらと取り留めもないことを考えている国広の前で、燭台切はその金眼を見開いた。国広にそういったことを聞かれるとは思っていなかったのだろう。当然のことだった。我に返り、この男の前に立つと自分の立場を忘れてしまってよくないなと自嘲する。
「・・・妙なことを聞いたな。すまな、」
い、までは発音できなかった。金眼がふわりとゆるみ、唇が弧を描くのを見てしまったからだ。先よりもわかりやすく歓喜を顕わにするその様子にどこの何が彼の琴線に触れたのかわからず国広は困惑する。戸惑う国広に、燭台切は大切な秘密を口にするように囁いた。
「君が僕に向かって笑ってくれる夢を見たんだ」
今年はもっと仲良くなれるのかなって思ったら嬉しくて。今もこうして君から話しかけてくれたしね。
燭台切の言葉はまだ遠いはずの春風のように国広の心を揺らす。俺みたいな写しと仲良くなってどうするんだ、そんな言葉は、何故か口から出てこなかった。
「きっと正夢にしてみせるよ」
穏やかな中に確かな決意の籠もった天鵞絨の声音は、しばらく耳から離れなかった。
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