紫輝
2016-04-23 22:58:21
919文字
Public 鶴江(刀剣乱舞)
 

【江雪受版深夜創作60分一本勝負第49回】襦袢【鶴江】

参加させていただきました。江雪さんのおみ足に全力で動揺する鶴様のお話です

 ここが自室でよかった。鶴丸国永はしみじみと思う。
 寝転がるのが好きな自分は、主に頼んで用立ててもらったラグを畳の上にひいていた。ふかりとした起毛のラグはうたた寝にはもってこいだが空気も温まった昨今、そろそろ片付けようか――そう考えている一品だ。
 和室の慎ましさを邪魔しない柳色のラグの上に、今は闖入者が一人。
 白藍の長い髪が清流の如く広がる。伏せられた長い睫毛と、緩やかに上下する薄い胸。頭の傍に、読みさしの本。
 もしかしなくても彼はここで自分の帰りを待っていてくれており、ラグの魔力に負けてこうして意識を落としてしまったのだろう。自らを律することに長け、常に凛とした立ち居振る舞いを崩さない江雪がこうして自分の居室で無防備に眠り込んでくれていることは嬉しかった。少なからず「この場所」が、彼にとって安らげる場所であることがわかるからだ。
 けれどその出で立ちが、(鶴丸にとって)非常に宜しくなかった。
 時間も時間だ、湯浴みを終えてからここへやってきたのだろう江雪は常の作務衣ではなく襦袢を身に纏っていた。鶴丸の装束のように白く柔らかな絹織りのそれの肌触りは抜群によいのだけれど、同時に少々はだけやすくもあって。
「・・・・・・」
 ひとまず出来うる限りの速さで障子を閉め、その場に屈んだ鶴丸はやれやれと溜め息を吐く。ラグの柳に映える、透き通るほどに白い足が目に眩しい。絹の白が霞むほどに。
 見た目に反してそこそこの重量を持つ袈裟を纏って戦場を舞う彼だ。その足が頼りないはずはないのだけれどこうして目にしている脹ら脛は驚く程に細く、これでどうやってあの装束の重さを支えているのかと少し不安に駆られるほどだ。肌へ触れそうになった指は辛うじて仕事をしている理性で押さえ込み、進路を襦袢の裾へと変更することに成功する。目の毒でしかない足をしっかりと布で覆って、二度溜め息。
「・・・江雪、起きてくれ。風邪をひくぞ」
 紺碧が開いていくのを見つめながら、とりあえずその格好で絶対に広間なんかで寝落ちてくれるなよと言おうと決めた。

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ちらリズムは正義。
鶴様は伊達男なので寝込みを襲ったりはしないです よ