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三毛田
2025-01-10 22:40:55
1074文字
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1000字2
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68 068. こぼれ落ちるワイン
68日目
滴り落ちる赤
「あーあ。もったいない」
「そんなことよりも、毒を盛られたことに驚け」
倒れたグラスからこぼれ落ちた赤は、真っ白なクロスを伝い床まで滴る。
「いつものことだろ?」
新しいグラスにワインを入れ、顔を近づけて匂いを嗅ぐ。どうやら、先程はグラスに仕込まれていたようだ。
「外じゃ、丹恒の水しか飲めなくなりそう」
「隠語にしか聞こえなくなるから、やめろ」
「水を出せるのは、事実だろ?」
丹恒に締め上げられ、床で呻いているやつの前に倒れていたグラスを持っていくと分かりやすく青くなり。
「やり返される覚悟があるやつだけが、こういうことしていいんだ。わかる?」
「穹」
「死なれたら困るもんな。口の中に、薬とかないか確認しないと」
顎を掴んで、口の中に手を突っ込む。
後で手を消毒しないと。
「大丈夫そう。丹恒、肩外してもいいんじゃない?」
「そうだな。外せば動けなくなるから、外すか」
丹恒は躊躇うことなく、男の肩を外す。
悲鳴は上げさせない。上げる前に、布を口に突っ込んでやった。
「二人とも怪我はない?」
「大丈夫! 姫子たちは?」
「こちらも大丈夫だ」
男を警備の人間に引き渡し、姫子たちと合流する。
とある星に立ち寄った時、そこに住んでいるという姫子の友人が命を狙われているという話を聞いた。
それを放っておけないと、みんなで犯行予告のあったパーティーに参加。
俺と丹恒で囮と確保。他のみんなはすぐ動けるように、パーティー内で待機。
本音を言うと、毒付きグラスのワインを渡された瞬間、怖かった。
でも、丹恒がいてくれるからああやって演技も出来たし。
「つっかれたっ」
屋敷の客室に入り、いちまうずつ礼装を脱ぎつつベッドへダイブ。
「穹。整髪料を落とせ」
丹恒は、俺の脱いだ服を拾い、ハンガーにかけながらそう告げて。
「丹恒、頼んだ」
「いいから、風呂だ」
併設されている風呂まで引きずられていく。
頭のてっぺんからつま先まで、丁寧に洗われて。
「今日は、頑張ったな」
濡れて張り付いた前髪を上げて、額にキス。
「丹恒も」
お礼に頬にキスをする。
「姫子の友人が無事でよかった」
「そうだな」
「流石に毒耐性はないから、ちょっと怖かった。あ。皆には、ナイショ」
「わかっている」
優しく微笑む丹恒に、ちょっとだけ涙が。
「風呂から出たら、好きなだけ泣け」
「恋人の前では格好つけさせてよ」
「恋人の前だからこそ、泣けばいいだろう」
「そういうもの?」
「そういうものだ」
と小さく告げて、丹恒はキスを。
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