【特別講座】復曲能「武文」再演にあたって


令和7年1月特別公開講座
復曲能「武文」再演にあたって

国立能楽堂 2階大講義室
2025年1月9日(木)18:00開始

基調講演 横山 太郎(立教大学教授)

座談   金井 雄資(シテ方宝生流)
     宝生 欣哉(ワキ方宝生流)
     野村 萬斎(狂言方和泉流)
     横山 太郎

*・*・*

まずは横山さんによる、内容や作品についての解説から始まりました。あらすじや物語の設定に関する内容は、プリントでも配られました。

その説明が一通り終わった後、休憩を挟んで、稽古を終えた萬斎さん、金井さん、欣哉さんの順で登場し、座談会へと移りました。

萬斎さん、登場した瞬間だけ眼鏡掛けてた🤭
モコモコの黒カーディガン(よく見るやつ)に、黒赤のチェック柄のシャツ、赤ネクタイ、靴下も黒地に赤いラインが入ったもので、コーディネートはバッチリ決まってました。

一方、金井さんはシテ方らしくお着物で、欣哉さんは黒一色のタートルネックにジャケットとシックに決めており、服装ってその人のキャラクターが出るなァと改めて🤭

稽古後ということもあり、3人ともお疲れのご様子でしたけど、トークは和気あいあいとしてて、互いを尊重、尊敬し合いながら、良き制作活動が進んでるんだろうなァと感じました😌


あらすじ

元弘元年(1331)、後醍醐帝は鎌倉幕府打倒を目ざして挙兵するも敗北、帝の一宮(第一皇子)尊良親王は土佐の幡多に配流。京に残された一宮の御息所(妃)が薬武交を警護に伴い夫をたずね危険な旅に出る。両人が尼崎天物の浦に至り船宿で追風を待っていると、この浦に居合わせた筑紫の国松浦氏の武士がこれを覗き見て、御息所に一目惚れする。松浦は彼女を掠奪すべく浦の舵取や船宿の主と策略をめぐらせ、火事と夜盗の騒ぎを仕組む。 その混乱のなか武文は迂闊にも御息所を松浦の船に預け、逃亡されてしまう。気付いた武文は必死で追うも追いつけず、敵から嘲りを受け、屈辱のあまり腹を掻き切って海中に身を投げる。その知らせに浮かれて船を進める松浦たちだが、武文は怨霊となって海中から迫り、恐ろしい姿を現して松浦を海中に引きずり込む。

横山太郎(立教大学)


能としては珍しく『太平記』を元にした一宮の御息所を巡るお話です。能には出てきませんが、帝の一宮と御息所の背景も説明があったので、これは観能する際に想像力を働かせる上で良き材料になると思いました。

これを復曲初演時(1987年12月)に携わったのが、、、

台本作成・演出  :横道萬里雄
演出補佐     :羽田昶・松岡心平
作品研究・諸本対照:松岡心平

シテ武文:金井章
ワキ松浦:宝生閑
アイ武文の宿主=船頭:野村万之丞(現・野村萬)
アイ松浦の宿主=舵取:野村万作

という、今回の再演メンバーのお父様方でした。
映像もチラっと見せて貰ったんですが、それ普通に全編観たいぞ!

ちなみに当時も、萬斎さんは火付けの役(5分も登場してなかったかもとのこと)、金井さんは地謡、欣哉さんはワキツレ(ただし今回の再演ではその役が無くなってしまったとのこと)で出演されてたそうです。


初演のポイントとして、コトバ中心の台詞劇で地謡は少なく、場面転換も多めで、とにかく非世阿弥な能だったのですが、盛り上がったのに落ち着いて、を繰り返していたり、アイの押し問答が長過ぎる、など、映像を観ていて気になった所は精査して今回はブラッシュアップしたとのこと。

萬斎さん「親父と伯父貴のアイを観ててね、いやに重々しく演ってて全員シテ方みたいになっていたけど、それが(演出の)横道さんの要望だったんですよね」

とにかく万作さんの真面目っぷりが印象に残ったようですが😂、アイが二人居るとややこしいから再演では1人に絞ったそうです。これを萬斎さんがどう演じるのか。

鬼滅でもそうだったけど、場面転換をする所は狂言方が得意とするところであり、そうすることでシテ方がどっしりと構えていられる、とも話されてたので、互いのポジションをしっかり活かされているかも楽しみなところです。


一方、ワキ方が演じるのは御息所を連れ去る悪い人です。これを真面目な欣哉さんがどう演じるのか、ここも見どころのひとつ。実際にご本人も悩んで思案中なところが表情からも伺えました🤭

父・閑さんはこれが上手くハマっていたようで「父にもっと習っておけば良かったなぁと思いました」とも🤭

やりすぎても駄目だけど、やらなすぎても悪い感じが出せないし、動きも含めて、ワキ方としても珍しいポジションなので、困ってる感じが可愛かったです😂

ポジション的には能「望月」に似てるのでは?という話も出ましたが、あれは敵討の話で、女絡みの話ではないから、やはり微妙に違うとも。

「あの女、イイ女だな♪」云々って話は狂言方もやるんだけど、きっと萬斎さんの方が得意だろうし、何よりこの手の話は萬斎さんがトーク中も楽しそうでした🤣

萬斎さん「四世千作さんだったら、どんな感じに演るかなァって考えちゃう。グヘヘって言いながらヨダレ垂らしちゃったりして🤣」

😂😂😂

てか、万作さんと萬斎さん、閑さんと欣哉さん、親子なのに芸風が真逆行ってるの面白いなァ。この「武文」も面白いことになりそうだし、やはり初演時の映像も観たいなァ。観比べたい🤭


金井さんからは、この「武文」が廃曲になったのは「船弁慶」があったからじゃないか、と考察されておりました。また復曲能や新作能といったジャンルは昔の宝生流では無縁の世界で、この復曲初演時が初の試みだったとのこと。

また、せっかく今回のお笛が一噌幸弘さんならばと、この場面だけは自由に吹いて良いよ、と伝えたとのことでしたが、、、

萬斎さん「彼がシテ方に寄り添って吹くのであれば良いんですけど、自分が目立ちたいが為に好き勝手吹かれると困るわけですよ😂」

金井さん「次回の稽古の時には釘を刺しておきます😅」

能楽界に置ける一噌さんのポジションって、やはりこんなんなんだ😂😂😂

ちなみに完成していなくても、お囃子が入るとそれだけで5割方完成しちゃう、それっぽく見えちゃうそうです。もちろんそこで満足しちゃイケナイので、さらに制作活動は続くのですが、その話を聞いて、それって、映像でもゲームでも言えることだと思うので、音楽の持つチカラって偉大だなと思いました😳💦

あと金井さんが萬斎さんのことを「萬斎くん」って呼んでたのが、キュンポイントでした(笑)


萬斎さんがバンバン、アイデア出しつつ、時には思ってることとは逆のアプローチもすることで、金井さんに能としてどうなのかを精査をしてもらってるようです。欣哉さんは、ワキ方として動かない演目が多いので、逆に「教えて貰えれば出来ます(動けます)!🫡」ってスタイルのようです。動き教えたら2度目の稽古でビシッと決めてたね、と金井さんに褒められてました🤭


今回のトークを終えて、萬斎さんは、シテ武文の御息所への想いと、ワキ松浦の御息所への想いを対比して魅せれたら良いかもしれないと思った、と話されていたので、今後も稽古を重ねる毎にバージョンアップしていくのでしょうし、一噌さんのお笛の旋律も含めてね(笑)完成が益々楽しみになりました!😁

ってことで、チケ取り&有給取得頑張らないとなァ💦
どうか御縁がありますように!🙏✨



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