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蕨野おもち🍡
2025-01-06 18:02:40
670文字
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豊衣足食
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餅の話
30年後の付き合ってるドラロナ。
毎年正月にはロナルドくんの為に餅を小さく切ってやっているドラルクと、転化についてまだのらりくらりと躱しているロナルドくんの話。
いつからかドラルクが正月の餅を小さく切って出してくるようになった。曰く、「30年以上一緒にいて今更餅なんぞで死なれては困る」ということらしい。まあ餅を喉に詰まらせる死亡事故って毎年多いって言うもんなあ。いつの間にやら我が家に導入されていた餅つき機で作られたできたてほやほやのやわらかい餅は、ここ数年でひどく心配症になったドラ公の手によって小さく小さくカットされ、きな粉やらあんこやら醤油やらを自分でつけて食べるスタイルだ。このちいさな一つではジョンの一口分にも満たない。俺も年を取ったとはいえ、いくら何でも小さくし過ぎではないか。なので「あまりにも小さすぎて全然食った気がしない」と小さく抗議すると、ドラ公は眉間にぎゅうとシワを寄せ、忌々しげに餅を指差しながら「じゃあ早く転化でもなんでもして、こんなもので簡単に死んでしまわない身体になってくれ。毎年毎年気が気じゃないんだよこっちは」と言う。なんと。餅を食うために転化しろと来たか。「いくら何でも餅じゃ理由が雑すぎるだろ」と笑うと、ドラルクは顰めっ面のまま「じゃあどんな理由なら君は頷くの」とさらに食い下がった。茶化した軽口の中に混ぜられた本音が愛おしくなって、俺は「お前最近ホントなりふり構わなくなってきたなあ」とまた笑ってしまう。ドラ公が「君に対してカッコつけるのなんて30年前にとっくに諦めたわ!てか笑ってんじゃねえわこの頑固5歳児ジジイ!」と怒っているのをまあまあと宥めつつ、いい加減今年中にはそれらしい理由を見つけるかと、一口よりも小さい餅を口に運びながら思うのだった。
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