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Mizuka
2025-01-05 16:51:51
866文字
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鬼灯
りあさんに捧げる仏シャル。
脱出計画相談後のイメージ。
「
……
無事に、下山できたとしたら
……
」
独り言のような音量でぽつりとこぼされた仏の言葉だったが、静まり返った部屋でシャルルが聞き逃す道理はなかった。
「ナニ?らしくないこと言うじゃん」
「
……
君、そんなこと言えるほど俺のこと知らないだろ」
興味もないくせに、と続きそうになったのは飲み込んで、茶化されそうになったことに眉をしかめながらも再び口を開く仏。
「どうやって生きてくつもり。下山する頃には俺たちの手、それはもう汚れちゃってるわけだけど」
一瞬、シャルルから全ての表情が抜け落ちる。が、次の瞬間にはまたいつものへらへらとした、見事な笑顔の仮面を被っていた。
「別に、今までと変わんねーし?ここで起きたことなんてどーせバレないっしょ。テキトーにやるつもり〜」
「
……
そう」
そこから会話は特に発展することなく、仏は胸の内に巣食うもやもやとした感情を上手く整理することができずにいた。こうして何かとはぐらかす彼を信頼できないから?それもあるだろうが、少し違う気がする。
……
返されたかったのだろうか。この後どうするのか、という同じ問いを。
「(
……
バカバカしい)」
どちらかと言えば行き当たりばったりな殺人を繰り返している仏とは違い、シャルルは計画的な殺人に慣れている。彼が表社会の人間でないことには仏も薄々気がついていた。一時的に「四辻仏」として生き、その後も一般人に紛れて社会に溶け込む道を辿るのであれば関わるべきでない存在だろう。
「
……
もし、計画が失敗して、君が殺されるようなことになったらさ」
「モー、さっきからナニ〜?」
「誰が殺したのか、調べてやるよ」
「
……
そ。アハ、ありがと〜ってのもおかしいか。つか死なねーし」
仇をとってやる、なんて言えるほどではない。そこまで入れ込んでるつもりはない。この「共犯」という関係に、言葉以上の意味はない。
「(
……
けど)」
部屋を出ていくシャルルの、頼れるとは言い難い背を見遣る。
「(最後の最後まで君から感情を引き出せなかったら、それはなんか癪なんだよな)」
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