三毛田
2025-01-04 21:58:46
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62 062. どんな宝石よりも

62日目
君が綺麗

 淡く光る瞳も、透き通る角も。
 宝飾店のウインドウに飾られていた宝石よりも、美しい。
 本人に言うと『そんなことはない。錯覚だ』という答えが返ってくるのは想像に難い。
 普段の髪色だって、艷やかで美しい。
 飲月の姿では、二色をまとう宝石のよう。
「俺にとっては、宝石なんかよりも価値がある」
 大切な列車の財産で、不動産。
 それは、ナナシビトである俺たち全員にも言えること。
 そうだけど、そうじゃない。
「穹、それは」
 白に広がる髪を手に取り、そっと口づける。
「錯覚でも、思い込みでも、勘違いでもない。俺が、俺の意思で、きちんと考えた末に出した結論だ。それだけは否定させないから」
「穹……
 俺の言葉が本気だと伝わったのか、それとも意図を察したのか。
 そこに関しては、丹恒じゃないとわからない。
 でも、少しだけ嬉しそうだからいいかとも思ってしまう。
「丹恒?」
「お前の言葉が、思ているより、嬉しいと思ってしまったんだ」
 俺の手を取って、手のひらを合わせて握りながら。そして、握り合った手を額へと持っていき目をつぶる。
 まるで祈るような姿。
 それはとても美しく、宗教画の一部を切り取ったかのよう。
「丹恒、綺麗だ」
 繋いでいない手にそっと自分の手を重ね、呟く。
 美しすぎて、穢せない。
 でも、そんな彼を穢すことが出来るのは、俺だけで。
 そんな優越感という仄暗い感情が、広がってく。
「お前にそう言われるのは、嫌じゃない」
 ゆっくりと瞳を開き、微笑んで。
 ああ。
 この瞳も、宝石のようで。でも、どんな宝石よりも美しい。
「好き」
「俺もお前が好きだ」
 握り合っていた手をそっと解いたかと思うと、頬に手が添えられて。
 唇が重ねられる。
 いつもより長いそれは、溺れてしまいそうだ。
「たん、こ……
「穹。可愛い」
 どこか仄暗さを宿した瞳。そしてそこに映る俺も、瞳に仄暗さを映していて。
「こ、こらっ」
 ムラッと来てお尻を掴む。
 筋肉が詰まっていると言ってもいい硬さで、だけどキュッと締まっているお尻。
 胸に顔を埋めれば、ふわふわのふかふか。
「っ」
 数回顔をバウンドさせて胸を堪能していると、段々丹恒の顔が真っ赤になってきて。
「なに? 期待しちゃ……んぎゃっ」
 顔を掴まれ、お尻から手を離す。
「穹」
 さっきまでいい雰囲気だったのに、これはよくない流れだ。
「丹恒先生、俺の美少女フェイス駄目になっちゃう」
「そうか。だが、俺はそれでもかまわない。お前のどんな顔でも好きだからな」
「わーい。嬉しい! 痛い!」