はなれ
2025-01-04 00:48:06
1272文字
Public 哥忌
 

進捗だめです

すけべ書こ~~と思ったはいいものの進んでないのでまとまったとこだけ供養よ

 ギシリと軋むスプリング。
 のしかかる体重、重なる唇。
 触れる体温を申し訳程度に押し返してしまうのは、この先を期待してのことだった。
 忌炎が逃れようとすればするほど、哥舒臨は強引に引き寄せ、掴んで、閉じ込める。
 控え目な抵抗を見せる忌炎の手をシーツに縫い付け、哥舒臨はひたすら、慈しむように唇を貪った。
 何度も繰り返すうちに吐息に熱が籠り、忌炎の怜悧な瞳が蕩けてくれば、上出来といってもいい。
 これは、戦と同じだ。
 焦ってはいけない。慌ててもいけない。
 じっくり、けれども確実に、獲物を捕らえてひと思いに仕留める。
 哥舒臨は戦が得意な方であるから、忌炎を追いつめることにも余念がないのだ。
 いつもは小言と反抗心を口にする薄い唇に噛みつき、開いた隙間に分厚い舌をねじ込めば、体温が混ざり合うほど幸福と快感が生まれていく。
 それでも怯えたように下がる舌を引きずり出して吸い付けば、哥舒臨の下で忌炎の体がびくんと跳ねた。
 透明な糸を引きながら唇を解放すると、忌炎は酸素を求めて荒い呼吸を繰り返す。
 忌炎は艶めく吐息を零すまま、哥舒臨の首元に抱き着いた。
 情欲に痺れている舌で哥舒臨の音痕をなぞる。
 拙く、甘えるような、愛撫にも満たない幼稚なじゃれつき。
 けれども、かぷ、と犬歯を突き立てれば、哥舒臨が叱るように組み敷いてくれるのを、忌炎はよく知っていた。
 だから、舐めて、噛む。
 これから忌炎は哥舒臨に、とてもひどいことをされてしまうのだから、哥舒臨の音痕を少しいじめるぐらい、寛大な心で許して欲しいものだ。
 そう思って、煽る。
 端整な顔に隠しきれない欲情の色を添えて、忌炎は犬歯を哥舒臨の音痕にうずめた。
……しょおぐん」
 とさりとシーツに寝転んで、忌炎は蜂蜜のように蕩けた瞳と、甘ったれた声で哥舒臨を呼ぶ。
 哥舒臨は長い前髪の奥で満月のごとき双眸を煌めかせ、忌炎に覆いかぶさり、そして――
 警報が、鳴った。
『哥舒臨将軍! 起きていらっしゃいますか⁉ 緊急事態です、異常な周波数反応が!』
……聞こえている! 今行く、少し待て!」
 扉の外から聞こえた伝令兵の声に、部屋に漂っていた甘い雰囲気が霧散する。
 どれだけ欲に耽っていようと、彼らは軍人、何よりも優先すべきは鎮戍の責務であったので。
「チッ……残像共め……
「将軍、急いで支度を」
「わかっている」
 哥舒臨は苛立ちながらベッドをおりると、乱れた衣服を整えた。
 だがしかし。
 将軍の務めを果たすことに異論は無いが、名残惜しくないといえば嘘になる。
「忌炎」
 哥舒臨は忌炎の左頬に手を伸ばすと、武骨な指先でそっと鱗を撫でた。
 そのまま、唇に触れるだけのキスを落とす。
 一度だけ、一瞬だけ、情の溢れた視線を向けて、次の瞬きで、哥舒臨は灯していた色情の一切を消した。
「すぐ戻る」
「ご武運を」
 くすぐったさに苦笑しながら、忌炎は将軍の背を見送る。
 結局、哥舒臨が基地に戻ってきたのは、それから二日経ってのことだった。