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アキ
2025-01-03 22:49:05
1224文字
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クリスマス
ジュダ高(倫):クリスマス
「いらっしゃい
……
。って、センセか」
新年最初の営業日の客入りはまずまずで、少し早いが客は既に帰ったしそろそろ閉店時間には少し早いが閉めるかと閉店準備を始めていた時だった。
「どうも。新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします」
「こちらこそ」
カウンターのいつもの席に腰をおろした先生と新年の挨拶を交わす。
「で、何にする?」
「閉店準備を始めていたのでしょう? 一杯頂いたら帰ります」
「なら、ホットワインにしておくか。あったまるよ」
というのも今日は冷えるからこれを頼む客はいつもより多かった。
ただのホットワインではなくサングリアのようにフルーツやスパイスを入れて温めている。
女ウケを狙って始めたが、男にも評判はいい。
一杯入れて先生に振る舞えば、一口飲んでホッとしたように息を吐く。
「美味しいです」
「そりゃ良かった。で、なんか用があったんだろ?」
「ええ」
懐から先生は何かを取り出すと差し出してきた。
「遅いですけど、クリスマスプレゼントです。
今年は職場で繁華街への見回りがあったのでここには来れませんでしたが、
毎年頂いてるので」
「いや、俺も見回りの話は聞いてたから、いいって言ったのに」
「でも、貴方も用意していたのでしょう?」
目敏いなぁとカウンターの裏から、クリスマスから置きっぱなしにしていた包みを取り出す。
「はい、メリークリスマス。センセ」
「ありがとうございます。開けても?」
「ああ」
毎年、贈り合うのは本だった。互いがその年に一番良かったと思う本を贈り合う。
ただ、今年は別の物を添えて渡した。
「
……
これは?」
「アロマディフューザー。今年も仕事忙しそうだったから、よく眠れるように」
俺はお香派だが、あれは火を使うので日頃からライターなどを持っていないと使いづらい。
「香りは俺がよく行ってるお香の店のねーちゃんに『快眠に効くやつ』っつって選んで貰ったから俺はわからないけど」
「ありがたく、使わせていただきますね」
先生は鞄にそれらを仕舞う。
「
……
ところで、閉店までここで待たせて貰ってもいいですか?」
「え?」
ホットワインはまだ半分残っている。
「実は、アロマディフューザーを使うのは初めてで。
ホットワインの酔いもまわってきて、今日はよく眠れそうです。
是非、今日使ってみたいので、使い方を教えて貰えますか」
ホットワインの度数なんてたかだかしれている。
蕩けたような視線にじっと見つめられて息を呑む。
カウンターについた手の甲の上に先生の手がのせられ、人差し指で軽く引っかかれる。
こういう風に『誘われる』のは、初めてだった。
「いいけど、これからこの『匂い』で興奮して眠れなくなるかもよ?」
カウンターから身を乗り出し、先生に囁やけば、彼は楽しそうに笑った。
「『ひとり』の時に苦労しないですね」
新年早々、酔わされてるのは俺の方だろ。
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