バラ肉
2025-01-02 04:37:41
4400文字
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あけおめたんおめ【ケビン×ミート】

あけましておめでとうございます!
大好きなミートきゅんの誕生日ということで、どマイナーなケビミーです。大遅刻してますが大目に見てください!

色々うろ覚えかつこじつけがすごいです。
イリュミにしてもよかったのですが、イリューヒンの解像度がアニメしかないので、当時なぜかアニメ放映時に推してたケビミーにしました。

ミートきゅんかわいい、でも二世のみーときゅんかわいそかわいい。ペロペロしたい笑

※合法ショタ が3度の飯より好き
※適当設定おおめ。
※私はみかんの白いところはとってもあってもどっちでも良い派。
※二世のミートきゅんは性的な目でも良いよね?うん良いよね!

「これを……
「え?」

突如差し出された包みに、ミートは驚きの声を上げた。



***



万太郎が「凛子ちゃん達とあけおめパーティしてくんね〜」と出ていって、早数時間。

「もう。元旦だからって羽目を外し過ぎだよなぁ。まったく二世って人は……
一人、キン肉ハウスに残ったミートは、こたつの中に入ってみかんを剥いていた。
キン肉王家から送られてきたおせちは、万太郎を迎えに来たキッドやガゼルマン、チェックメイトにあらかた食べられて殆どない。なんとか死守した栗きんとんも、お昼のおやつに食べてしまい、残ったのは『じじ臭い!』と不人気だった黒豆と紅白なますくらいな物だ。
「美味しいのにっ」
文句を言う若者を思い出し、ミートはジェネレーションギャップという奴にため息をこぼした。スグルの時代は皆が喜んで食べていたのに。今は味覚の好みまで変わってしまったのだろう。

そう、眠っている間に時代は過ぎ、流行りは移ろい、世代も変わった。
変わらぬのは自分ばかり。

「でも、変わらないものもある」

みかんの白い筋を取りながら、ミートは小さく笑った。別に食べられ無い事はないが、なぜかついつい取ってしまう。それを初めてスグルに見られた時は随分と叱られたものだ。
『栄養があるのに! 勿体無いことをしちゃいかーん!』
滅多にない説教をする声を、今でもよく覚えている。
とはいえ、それは小さい頃からの癖で。
先日もつい外していたところ、一緒に食べていた万太郎に見咎められた時は、それこそ父親そっくりの注意を受けて随分驚いたものだ。
あんまりにびっくりし過ぎて——
結果、ポロポロ涙をこぼして、心優しい少年を逆に慌てさせてしまったのは今思い出しても申し訳ない。

「フフッ。でもあの時は、本当にビックリしたなぁ」

変わったものばかりの世界は寂しいけれど、中には引き継がれたものもある。
消えたのではなく、ちゃんと次にバトンされているだけ。
それが、取り残された自分にはひどく嬉しかった。

今日だって本当は『ミートも来なよ』としつこく誘われていたのだ。いつだって、どんな場所であっても、ミートを半ば強引に連れて行った彼の父親とよく似た優しい笑顔で。

それを断ったのは、たまには一人センチに浸りたかったからだ。

「これからは……やっとみんなと一緒に、歳を取っていける」

スグルと別れ、万太郎と出会って、初めて迎える元旦は、ミートの誕生日でもあり。
30年ぶりに時が進んだ自分が、切なく鼻を啜る姿は見せたくなかった。だから敢えて誘いを断り、一人この家に残ったのだ。
「ははっ。ダメだな……お目付役として、もっとしっかりしなくちゃ」
滲む涙を誤魔化すためにごしごし目元を擦りながら、ミートは気分を変えようとテレビのリモコンに手を伸ばした。
こんな時は何も考えずに済むバラエティ番組に限る。万太郎のおかげで最近の芸人事情にも随分と詳しくなった。おあつらえ向きに、元旦はどこの局もそう言った娯楽番組が多い。さあどれをみよう。電源ボタンを押そうとした、そのタイミングで。

トントンッ。

「えっ?」
ドアを叩く音に、ボタンの上の人差し指が止まる。
こんな日に一体誰が。いや、でもコミュ力の高い万太郎の知り合いかもしれない。
ミートは突然の来訪者が誰かを考えながら、急いでこたつから体を出した。

「はーい、どちら様ですか?」

そして特に確認もせずに扉をあければ、そこには真っ黒な壁が。

「うわっ、え! な、なに!?」

慌てて一歩後ろへ引けば——それが壁ではなく人の足だったことに気付く。壁に見えたのは相手の履いている黒色のズボンのようだ。恐る恐る顔を上げれば、そこには見慣れた鋼鉄のマスクがあり。

「ケビンマスク!」
「よう」

簡単な挨拶と共に、わざわざ背を屈めて小さい玄関を潜ってくる相手に、ミートはただ呆然と口を開く。
どうして彼が? 
親世代の関係なら、『ああ、年始の挨拶をしに来たのか』と理由も想像できる。だが、当代の関係だと違和感しかない。
「なぜ貴方がここに?」
素直に疑問を投げ掛けるのは、下手な考察は混乱に繋がると判断したからだろう。大きな目が真剣に感情を読み取ろうと鋭くなる。けれど、残念ながら鉄仮面マスクは父親同様顔色が読めず。
「ああ……ちょっとな」
「ちょっと?」
……アンタが気にする必要はない。という事だ」
核心から逃げる返事に、それ以上真意を測ることはできなかった。むしろ、
「ところで、万太郎は?」
疑問を疑問で返す相手に、ミートは怪訝そうに眉を顰めつつ口を開く。
「二世なら、凛子さんやキッド達と新年会をすると言って遊びに出てますよ。ご用があるなら、どの店でやってるか教えましょうか?」
言いつつ、『もしもの時には連絡をくれ。ここでやってるから』と用意のいいキッドから預かったメモを取り行こうと踵を返す。そして、一歩足を踏み出そうとした矢先。
「用があるのはお前だ、ミート」
グッと腕を握られたミートは、まさかの答えに目を丸くした。
……え? ぼ、僕に?」
「ああ。だから、別に万太郎がいないならそれで構わない」
「でも、二世じゃなくて僕に用って、一体……
万太郎なら百歩譲っても分かるが、どうして自分に。深くなる眉間の皺はケビンの真意が掴めず困惑しているのが見て取れる。
うーんと顎に手を置いて悩む姿はあまりにも分かりやすく。見た目はこれほど幼いのに、やることを父親世代と変わらない。
……フッ」
ケビンはその外見と動作のギャップに、小さくマスクの下で笑った。
そして徐にコートの内側を探ると、縦長の細い箱を取り出す。
「これは……?」
丁寧に包装されたそれは見るからに洗練されていて、外側だけでも高級感が感じられる。中身はわからないが、きっとロビンマスク家が愛用しているイギリスの老舗ブランドのどれかだろう。それを目の前にずいっと突き出されたミートは、思わぬ展開に冷や汗を浮かべる。
「こんな高そうな物。一体、僕に、どうして……
黄金の脳をしても、答えが導き出せないのか。
縋るようにケビンの顔を見上げたミートは、しかしそのマスクの向こうから覗く瞳に優しさに息を呑んだ。いつもは研がれた刃のように剣呑な眼差しが、今はなぜか緩やかな下弦の月を描いている。普段の不遜な態度からはまるめ想像できない。

更に、

「Happy Birthday.ミート」

低く甘い声で紡ぐ祝福の言葉に、本気で言葉を失った。

「どうして、それを……
万太郎すら知らないだろう自分の誕生日を、どうして彼が知っているのか。震える声が動揺を表す。勿論それはケビンとて気付いたはずだ。
ダディが昔、言ってたんだ。キン肉マンが地球にいた頃は、新年の祝いと一緒にアンタの誕生日を祝ったってよ」
自分で言いつつも、『父親』というワードが気に障ったらしい。ぶっきらぼうな声音に、しかし一方のミートは「あっ……」と声を上げると共に懐かしい記憶を思い出す。

スグルが地球にいた頃。
新年の祝いとして仲間達を招待してパーティ……と言う名のどんちゃん騒ぎを開くのはよもや恒例の出来事だった。このキン肉ハウスでやることもあれば、時にはホテルであったり。時にはマッスルガム宮殿だったり。場所や催しの趣旨は毎回違った。ただ一つ、会の締めとして毎回ミートへ誕生日のサプライズをすることだけはいつも同じで。
『おめでとう! ミート!』
『ミート君、一年間、このバカ相手によく頑張ったな!』
『良い年を! 名セコンド!』
スグルの誘いで集まったはずなのに、祝いの言葉をかけてくれる超人達は皆律儀にプレゼントを彼に渡した。
『もうっ、僕のことは良いですよ!』
謙遜まじりに断ろうとしても、そろって頭を撫でるばかりで。決して、両腕に収まりきれない贈り物が引っ込む事はなかった。
それは、彼の父であるロビンマスクも同じだ。むしろ一番強引にプレゼントを渡してきたかもしれない。

とはいえ、今はあの頃と状況が違う。
見た目は子供でも、実際のミートはケビンよりもずっと年上なのだ。そんな相手から、「はいどうぞ」と差し出されたからといって素直に受け取れるほど、彼の神経は太くない。

……そう言いますが、あの頃のように子供じゃないんですよ? 僕はこう見えて貴方より年上だ。なのに、わざわざプレゼントだなんて」
一貫して拒否を貫くミートに対し、ケビンは小さく肩を竦めた。
伊達にキン肉王家の頭脳と称されていない。頑固なのは主人譲りという訳か。
呆れつつも、こちらもこちらで引っ込めるつもりは無いらしく。

何より、親たちとは事情が違う。

「勘違いするな。俺はアンタにお年玉気分で贈り物をやってたオヤジたちとは違う」
「え……
「ましてや、キン肉スグルや万太郎の付属品として祝ってる訳でもない。
アンタが……、アレキサンドリア・ミートが特別だから、誕生日プレゼントを持ってきただけだ」
「とく、べつ……?」
なんだかしっくり来ない言葉を聞かされ、ミートは眉を下げた。
自分とケビン。繋ぐものはそんなに多く無いはずなのに、どうして? 
頭に疑問符が浮かぶ。しかし、そんな態度を配慮しないのがロビンダイナスティである。“紳士のマスク”を被った男は、世代が変わろうと傲慢なのは変わらない。

「キッカケなんて、つまらないことを気にするな。いま大事なのは……俺と、アンタの未来だけだろ?」

さながら歌うように口説き文句を吐く青年に、ミートは絶句した。そしてじわじわと熱くなる頬を持て余すように、両手で抑える。

「な、な、なんて……ことをッ!」
僕との未来だなんて!

そんな突拍子のないことをいう青年に、いつもの冴え渡った頭が茹って仕方ない。
しかしケビンにとってはその動揺が楽しいのだろう。

「ククッ。そんなに恥ずかしがるなよ? 俺はダディと違ってジョーダンは嫌いなんだ」

「〜〜〜!?」
要は、「本気である」と匂わす相手に、ミートは益々頬を桃色に染めた。


***


それから一時間後。
「ミ〜ト〜。お土産買ってきたよ〜! ……って、おわ!? け、けけけけケビン!? ……ちょっ、どーしてケビンがミートを抱っこしてるの??」

両手に福袋を山ほど下げて帰ってきた万太郎は、ケビンのあぐらの上に座る形でこたつに入っているミートにギョッと驚くのだった。

「に、二世〜」
「チッ。もう帰ってきたか」

そう全く別の反応を示す二人に、知識はあれぞ経験は皆無の少年がその場で頭を抱えるのはしょうがなかった。

故に、かわいいお目付役の手にピカピカの新しい時計が巻かれていたことにも、気付かず。