「これが、俺の愛」
真っ赤な糸を紡いで編んで、出来上がったもの。
それを差し出すと、不思議そうに眺め。上から、下から、向きを変えて裏表。
きっと、今まで縁がなかったからなんだか分からないのだろう。
実は俺も、丹恒に出会うまで知らなかった。でも、彼のお陰で知ることが出来て、こうして渡すことが出来た。
送り返して欲しいわけじゃない。
けれど、いつか彼の心をもらえたら嬉しい。そんな下心。
「
……俺は、同じものを返せない」
「わかってる」
そう返せば、少しだけ傷ついた顔。ああ。そんな顔させたいわけじゃないのに。
「丹恒は、丹恒のペースでいいんだ。いつから、こうやって〝愛〟を紡げたら俺に一番に渡しに来て。約束」
「わかった」
小指を絡め、指切りをする。
「
……」
夢。
起きたら、丹恒はいない。
昨日は、とりとめのない話をしながら、二人で寝落ちた。きっと、俺より先に起きてパムを手伝いに行ったのあろう。
寝間着のままでいくと怒られるので、着替えてキッチンへ。
「おはよぉ。今日のご飯なぁに?」
「おはよう。ポテトサラダを作ってる最中じゃ。手伝ってくれると、助かる」
「芋の皮むきから?」
「そうじゃ」
手袋をして、熱い! と軽く叫びながら蒸したての芋の皮を剥いていって。
それをすべてボウルに入れて、マッシャーで潰す。これが、滅茶苦茶力仕事。ちゃんとマッサージしないと、筋肉痛になる。
なるべく力仕事は手伝うようにしている。だって、パムのあの小さな手でこんな大変な作業してるなんて知っちゃったら、いてもたってもいられなくなって。
「おはよう、穹。ちゃんと一人で起きられたな」
「おはよう」
まるで子供扱いするもんだから、拗ねた声が出てしまう。
それに気づいて、こちらを見てふわっと笑って。
「昼食用のパスタ用ソースを作ったんだ。味見をしてくれ」
と、スプーンを差し出され。
赤の中にに茶色の粒。ミートソースだろうか。
「いただきます」
「素直な感想を頼む」
トマトの角切り、ひき肉、ピリッとしてるのは胡椒かな? トマトの甘みが強い気がする。
「トマトの甘みが強いから、もうちょっとしょっぱい方がいいかな?」
「なるほど。煮込みつつ、コンソメで味を調えるか」
新しいスプーンで掬い、それを口へと持っていき。
「確かに。コンソメが必要だな」
指の腹で、唇を撫でる姿が艶めかしい。
「パム、こっちが味変前。こっちがコンソメ追加だ。最終ジャッジを頼む」
今度は、パムの口へとスプーンを持っていく。
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