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神様の言うことにゃ
極寒の寒空の下、新年を近所の大社で迎えた。
ペンギンとシャチは、肩を並べておみくじを眺めて苦笑いをする。ふたりとも揃いの末吉である。二十も後半になると年の瀬にはしゃぐこともなくなった。
毎年同じ、近所の神社へ年神様に形ばかりのご挨拶。
「行動で示せ」
「なにが?」
「恋愛のとこ」
おみくじをなぞりながら言ったシャチの言葉にペンギンは白い息を吐いて笑った。
シャチと行動力、それは一歩間違えば今年も大事件が起こりうる。心の底から余計なお世話だと思った。
「ペンギンは?」
「誠意を示せ」
「あははっ」
シャチは破顔した。
ペンギンと誠意、ペンギンをどの角度で見るかによって変わる言葉。ペンギンは苦笑して「良く見てんじゃん」と神に向けて頷く。
シャチに言わせれば神様はなんにもわかってない。
雑踏をのろのろと移動して糸張りのおみくじ掛けに結ぶ。深夜にも関わらず活気付く出店を眺めながら道中手渡された甘酒を啜る。道行く人は寒さと新年に浮き足立っているようだった。至る所で笑い声が弾ける。皆周りのことなど気に掛けない。
ぬるい甘酒では暖は取れなかった。シャチがペンギンの腕にくっつくと、ペンギンは紙コップを持つ手を変えてシャチの好きにさせた。そして、これ幸いとシャチの手を取って自分のダウンのポッケに一緒に突っ込んだ。
薄暗い境内、誰もふたりの指先の行方など気にしていなかった。
「ペンギンの手冷たい」
「シャチがあっためてくれればいいよ」
ペンギンはポッケの中でシャチの指を絡めとる。
「誠意てこういうことであってる?」
「どうだろ」
わざとらしいペンギンの問いにシャチは嘯いて応え首を傾げた。
「もっとくっついたらあったかいンじゃね?」
かえろ? シャチはそう続けると、さらにペンギンの手を強く握り返した。
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