ケーキ作りは粉が舞うから、とグンソーと一緒にポリ袋の服を着て挑戦しました。今までもこの格好でケーキを作っていたそうで、なかなか動くのも慣れるのが大変だな、本当に頑張ってくれたんだなと改めて感じました。慣れない格好も普段しない作業も新鮮でショーイにとってとても楽しい時間でした。
トナカイやサンタさんを飾り付けたケーキはとても可愛らしくて、食べると特別に美味しくて驚きました。もちろん昨日のケーキも特別に美味しくて、月島は魔法を使ったのかなと思いました。
(とっても美味しい!)
パッと顔を上げて月島を見ると、とても優しい目で笑っていました。鯉登もグンソーもニコニコしています。ショーイもニコニコが止まりませんでした。
「ここが自信作だ、月島も食べろっ」
「ふまいれす」
鯉登が月島に食べさせているのを見て、ショーイも真似をしたくなりました。
(グンソーも食べろ)
(むがっ)
(美味しいか?)
もぐもぐしながらグンソーは頷きました。
(ふふ、グンソーったら口の周りがクリームだらけだぞ)
(あなたが勢いよくくれるから……)
口の周りを舐めながらグンソーは答えます。今日は綺麗に舐め取ってしまったので、ショーイが取ってあげなくてもクリームは残っていませんでした。ちょっと残念です。
✳︎✳︎✳︎
この後はいよいよ鯉登と用意したクリスマスプレゼントの出番です。2人とも喜んでくれるかな?とてもドキドキしてチラリと鯉登の方を伺うと、大丈夫というように微笑んでくれました。
「実はショーイと2人で皆にプレゼントを用意したんだ」
席を立った鯉登がショーイを抱っこしながら言います。2人は片手ずつで包みを持ってそれぞれ月島とグンソーに渡していきます。
「色やデザインを2人で相談してな、おっかんに教えてもらいながら作ってみたんだ。もちろんこのラッピングも」
「ラッピングも……?作っ……えっ」
「まあ開けてみてくれ」
「この包みにある花とかリボンとかも2人で選んでくれたって事ですか?」
「そうだ、綺麗だろう?さぁ、開けてくれ」
月島は壊れ物を扱うようにそっと開けていきます。グンソーの包みも壊れないように細かいパーツは月島が外してくれました。中から出て来たのはそれぞれのサイズの緑色のマフラーでした。
「これ作ったんですか⁈ふわふわだしとても綺麗です。……作ってくれてたの、全然気付かなかったです」
「お前たちが練習してる間に相談して作ったんだ、大学行ってる間とかに進めてな。つけてやる」
ショーイをグンソーの隣に降ろして、月島の首元にマフラーを巻いていきます。ショーイも真似してグンソーの首に巻いてあげます。
(よくにあってるぞ!)
グンソーの顔を覗き込むと何だか泣きそうなような、何とも言えない顔をしていました。
(どうしたんだ?気に入らなかった……?)
(違います、何だか幸せすぎて、ありがとうございます)
こんなにグンソーを喜ばせたと思うと、昨日のお返しがちょっとでも出来たのかな、とショーイはとても嬉しくなりました。でも、一緒には準備したけどこのマフラーは殆ど鯉登が作ったもので、この顔を自分だけが用意したプレゼントでも見せてくれるのかな、自分だけにこの顔を見せて欲しいな、と少し思ったのでした。
「ありがとうございます、とても暖かいです。触り心地も良いですし、こんなの作れるんですね。それにしてもやっぱりあなた器用ですよね、使うのが勿体無いくらいだ」
「あんなに頑張ったんだ、使ってもらえない方が困る」
「それはそうですね、大事に使います。……皆のって事は音さん達のもあるんですか?」
「ある、最初はお礼のつもりで作ろうとしたんだが、ショーイがやっぱり皆が一緒が良いって言ってくれてな」
「ならそれ、俺に巻かせてくださいよ」
「ん、任せる」
月島に向かってズイッと紫色のマフラーを差し出します。グンソーにもショーイの分のマフラーを渡してあげました。
「ふふ、暖かいな、あいがと」
「色違いとか嬉しいですけどなんだかむず痒いですね」
「嬉しいで良いだろう」
2人は穏やかに笑い合います。
(うふふ、お揃いだ、嬉しいな)
(本当に嬉しいです)
(いっぱい使おうな)
(そうですね、どこに行っても暖かそうです)
ショーイもグンソーにマフラーを巻いてもらって笑い合いました。
「じゃあ、今度は俺たちからもプレゼントがあります。」
月島が言いながらチラリとグンソーの方を見ると、ピョンとグンソーが月島の方に向かいます。
月島が鯉登に、グンソーがショーイにそれぞれ包みを差し出します。
「グンソーと2人で選んだんです、作ってはないですが。こいつが練習の時に家事も手伝ってくれて、その小遣いで一緒に買ったんです。」
「開けて良いか?」
「ぜひ」
「手袋だ!ピッタリ!暖かい」
鯉登は手袋をはめて、くるくる手の向きを変え確認した後、頬に手を当てて言いました。その手に月島が自分の手を重ねて、
「気に入りました?」
と優しい顔をしています。2人の空気を作っている間に、ショーイも包みを開けて手袋をつけていました。
(暖かい!ふわふわする!)
ぱふぱふ手を叩きながらショーイは言います。
(よくお似合いですよ)
(うふふ、嬉しい!マフラーで昨日のお返しが出来たと思ったのにまた貰ってしまった)
(昨日は誕生日なんですから、また違いますよ。喜んでもらえて嬉しいです)
(貰っても渡しても嬉しいものだな、本当に暖かい)
一緒に笑い合って、首や手だけじゃなくて胸も暖かくなりました。
「これは揃いじゃないのか?」
「実は揃いというか同じです」
スッと自分とグンソーの分の手袋を取り出して、片方をグンソーに渡します。
「今日の散歩は早速これをつけて行こうか」
「いいですね、ちょっと気恥ずかしいですけど」
「いいじゃないか、家族なんだから」
うふふ、と笑い合います。さっそくプレゼントを身に付けてお出かけなんて、なんて嬉しいのでしょう。
ショーイと鯉登のサプライズは成功しましたが、さらにグンソーと月島もサプライズをくれました。喜んでる姿を見るのはとても嬉しいし、プレゼントをして貰うのもとても嬉しいものです。嬉しいばっかりで本当に楽しいお誕生日とクリスマスでした。今度は自分でも何かできたらな、楽しみだなぁとショーイは思うのでした。
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