はるの
2024-12-31 17:57:54
5397文字
Public 感想文
 

スタートレックII カーンの逆襲

ネタバレ感想

これ初見の人たち、どういう気持ちで映画館から出てきたんだろう茫然としてしまって立ち上がれないんじゃないのえっスポック……?ってなるじゃんだって、突然だったよほんとに ええ…………

カーンの回の映画ってコバヤシマルテストの回の映画でもあるんですね。エンプラちゃんが訓練用の船になってるの年月を感じました。サーヴィックはヴァルカンの方なのかな?それにしては柔らかい印象だけど、コバヤシマルテストに納得いかなくてジムに質問する感じ好きです。やっぱヴァルカン人でも感情の制御って個人差あるんだなスポックはミックスだから感情が豊かというより、スポックだから感情が豊かと思ったほうがいいと思う、ほんとに。スポックがサーヴィックを大事に育ててそうなのも好きです。なんでジムはミスターをつけて呼ぶんだろうな、呼ばれたい性があるのかと思ったけど、この時代の映画にそこまでの丁寧さはないと思うから
ところで、ボーンズのその登場の仕方はなんだ。横たわる裸婦みたいなポーズで現れて笑いました。超楽しんでんじゃんかわいいな

ジムの誕生日を祝うスポック、というだけで噛み締めたいものがあるんだけど、ディケンズの本を"貸す"スポックに染み入るものを感じました。あげるわけじゃないんだあくまで自分のものをジムが持っている状態にするんだほんとスポックはよ〜〜!あとジムはそれ仕事中もずっと持ち歩いてんの?お気に入りか?二都物語はよく知らないんですが、ちょっとややこしそうな話っぽいですね。愛した人のために身代わりになって死ぬ人がいる
エンプラの艦長になってるスポック、味わい深いものがあります。一仕事のあとエンプラに戻るスポックが、提督のジムに行き先を聞いて、帰るよと答えるジムのこの、いかにもさみしそうというか、諦観を滲ませながら明るく振る舞ってるような感じ、美味しい。今回は老いとどう向き合うかみたいな話でもあったな82年のSF映画では新鮮な気がする。

ボーンズはジムの自宅で違法の酒で祝ってくれるのらしくてにっこりした。おしゃれな家に住んでるねえジム古いピストルにはびっくりしたけど。暖炉とか、レトロ好きらしくて良かった。
ボーンズが贈った眼鏡、かわいいじゃん、って思ったんだけど、これ老眼鏡だ!ってあとで気づいてびっくりしました。この年齢で目が悪くなるといえば確かにそうなんですよね、想定できなかったわたしも囚われてんなあと思った。網膜レンズ入れろって医者の意見を、ジムは嫌がってたんだなそれでこのプレゼントか。レトロ好きまで把握しているボーンズは、ジムがしなければならないのにやらないことをさせる天才だなと思いました。さすがエンプラで医療主任やってただけある。
ボーンズがジムに航宙艦の指揮を取れよと促すのと、それを聞き流すジム、しみじみしますねボーンズがわざわざ言うなら、本当に地上勤務向いてないんだな毎日心配してんだろうなボーンズは。

ボタニーベイを見つけるの、チェコフなのが良い。チェコフは別の船で副長になってんのか〜!みんなそれぞれの道を進んでるなあ
カーンはだいぶ可哀想な境遇に見舞われましたねもちろん暴力行為は許されないが。ジムを恨むのは自由だけど暴力で訴えるなという簡単な話が通らないのがもどかしいわ。
カーンがジムのことを聞き出して、提督になったの?あいつが?みたいな反応するの好き。好きじゃん、ジムのこと。
それからこういうやべー虫、ここにもいたんですねヒェってなりました

チェコフもそうだけど、査定で呼ばれたらしいボーンズもスコッティもウフーラもスールーも、今はエンプラから離れてるんだなあ訓練艦だもんなと思うとノスタルジーな気持ちになります。でも前作とは逆に、スポックだけが残っている、というのは、噛めば噛むほど旨みが出てくる。スポックがちゃんと後進を育てているの、普通に感動します。
あとスポックから借りた本を、ジムがウフーラにスッと預けちゃうの笑った。大丈夫?!まあウフーラなら大丈夫か。
ジムは新人に任せるのは不安っていつものムーブが出てたけど、スポックが「誰にでも"最初"がある」って出港をサーヴィックに任せたのを見たあと、やれるところは若者たちに指揮を任せてるのにっこりしました。ジムはスポックににっこりしてた。褒めてほしいのか??かわいいな

スポックの黒ローブはなんでこんなに"""良"""なんだろ好き好きの好き。
緊急事態での指揮、前作ではあんなにも当然とばかりにエンプラの艦長になってたけど、スポックから艦長を譲り受けるのはすごく躊躇するんだな新人の査定を始めてそういう気配りを考えるようになったのかもしれないけど。私はヴァルカン人なので傷つくというエゴはありません、という言い回しでジムに船長をやってほしいと伝えるスポック、かわいいね。ね〜ジム、いい笑顔するじゃん。
スポックもジムが航宙艦を降りたのは誤りで、彼が船長をやるのは運命だと言うので、ジムを地上に張りつけるとどれだけ落ち込むのかが分かろうというものだな
けど、多数の要求は少数の要求より重い、とも言っていて、ジムはだいぶ地上に望まれたんだなとしんみりしました。ジム自身もすごく悩んだだろうな、この進路。提督として今後の宇宙艦隊を担うクルーたちをよろしく頼む、とか言われたら、老いた自覚のあるジムは、その方がいいかもって思っちゃうよな。望まれるならそうしよう、というのはある意味楽な選択でもあるから。直接の育成要員としてスポックをエンプラに配属して、ジムは何を思ってたんだろう
というかこの多い要求のほうに応えるというの、最後のコバヤシマルテストまで引っ張るのつらくない?!そんな重要な話になるとは思ってなかった、このときのわたしは

カーン襲撃時、ボーンズのプレゼントが役に立つの良かったです。そしてジムの、私も老いたな、の一言、重いねそれが人生……
若いエンジニアが死んでしまったスコッティの嘆きと、若者たちが死んでしまったことにショックを受けるジムのこの老い、というやり方が容赦ないな別に老いたからといって退かなければならないことはないけど、自分の納得が取れないんだろうなというのが重い

危険な場所にビームダウンするジムに、Jim, be careful、と声をかけるスポックと、とってつけたように前に出てWe willと返すボーンズ、それに片眉を上げるスポック、なごみました。ジムにだけ手厚いスポック大好き。ずっとこんなやりとりをしていてくれ

どんなに操られててもジムを殺すのだけは承服しかねるチェコフとテレル艦長、好きです。テレル艦長
私ひとりを殺すために何人殺すんだ!のジムの慟哭と、その声を聞いていたカーンの、まだ生きてた、古い友人よのこの、なんだろう
結局"こいつを殺す"ことを人生にしてしまった人は、その人に支配されていて、その人を殺したいけど、死んでしまったらもうその人を殺せない、だから生きてることがうれしいけど死ぬほど殺したい、のウロボロスに陥ると思うんですよね。この時点でカーンは、ジムへの感情はどうあれ、ジムを自分の玉座に座らせてしまっていて、この茫然とするようなカーンのありさまもすごく良いですね
というかカーン良かったですほんとに。いいキャラだしいいキャストだ。人気あるのわかる。

カーン!!!!!!!!!
って、ジムが言うんだ!ってなりました。これは間違いなくカーンの全責に対する叫びだった。ジムがひとりで置き去りにされるならこんなに叫ばなかっただろうな自分のせいで未来ある若者たちが死んで、今もまたクルーたちが自分のせいで死に瀕している、の慟哭だったと思う。もともとジムは責任を自分ひとりで抱えたがるところがあるから、あまりに度し難かったんだろうな心がギュッとなりました。
もちろんAOSスポックの、ジムひとりのためにカーンの半責くらいを慟哭するやつも大好きです。あいしてるよ

マーカス親子とジムの関係、なんかこれはと思ってたけど、やっぱりか!養育をしない父親だ!となってました。というか字幕
日本語:息子を宇宙に奪われたくなかったの
英語:not chasing through the universe with his father
なの、情報格差ない??びっくりした。デビットくんもジムも、お互いに存在と関係は知ってたみたいで、何があったのってなってます。ボーンズもスポックも知ってるみたいだから、マーカス博士とは結構オープンで長い交際だったんだろうな家族の形はいろいろだけど、何があったのか知りたいね

まだコバヤシマルテストを引きずってるサーヴィックかわいない?かわいいね。そんな新人にテストでチートした話をして、こましゃくれた腹立つ顔でりんごを齧りながら「負けは好きじゃない」って言うこのジムカークよ。このジムカークたるや。というかりんごを食うのはここから来てんのか!!AOSの話です!
サーヴィックからエンタープライズには通じなかったコミュニケーターが、ジムからスポックにはつながるのずるすぎる。この大人たちは大概ずるいので、あんまり間に受けなくてもいいよサーヴィック!君にもいつか信頼できる副長が現れるといいね。
からの、ジムとスポックの間なら何故か通じる暗号である。大好き。1時間を1日と言ったのはわかったけど、それが暗号だという合意はどうやったの?ジムとスポックだからわかるの?ふたりは言葉がなくとも通じ合うの???
嘘をついたのですか?とサーヴィックに問われて、誇張です、とド真顔で返すスポックも大好きです。スポックそれはね、地球の言葉で解釈というんだよ。

スターシップ同士のやり合いは見応えありましたし、やっぱ強い執着って精神的なつながりができちゃうんだよなと思ってましたが
入るなと通せんぼするボーンズを眠らせて、remember、と一言言ってマインドメルドするスポック
……マインドメルドしてるなこの時から続き作る気だったのか……

置いといて、
放射線ルームでスポックが無茶苦茶やって、ジムは危機を脱して
ジムがまたうれしそうによくやったスコッティ!って無邪気なんですよね、何が起こってるのかまだ知らないから。このね
すぐに来てくれとボーンズからコムが入って、スポックが不在の科学士官の席を見て、人を跳ね飛ばしながら疾走してね……

ジムがスポックと呼んだら、ほとんど死にかけててもスポックは立ち上がるし、服の裾を直してジムのところに来るじゃん、もうね
この服の裾を直すのほんと ニモイ!!!!!

より多くの要求のほうが重い、これが私のコバヤシマルテストだ、とか言うじゃないですか、スポックが
より少ない要求より、ひとりの要求よりも、と言うじゃないですか
より多くの要求に従って、ジムカークも地上に留め置かれてるわけじゃないですか、スポックや、ボーンズや、ジムカーク自身の要求よりも優先して
それでこれなのはあまりにも
あまりにも
功利主義のよくないところを思い出してほしい
でもジムが同じ立場でもきっとそうした……TOSのジムだってきっとそうしたんだよな
それで多数が救われるから
多くの要求
ってなんかもうごちゃごちゃになってしまって
はあうまくまとめらんないな
最大多数の最大幸福とか、そういう問題になるじゃないですかこれはトロッコ問題に唯一無二の解はないよ、あるとしたら複線ドリフトキャンセルだよ

スポックの、今までもこれからもあなたは私の友人です、という言葉、エモーションがすごかった
ガラス越しのスポックのサリュートに手を合わせるジム好き
スポックが背を向ければ、ジムも背を向けるのが好き

スポックの埋葬をするときに声が詰まっちゃうジムは、もうね。もらい泣きだよ
最後のhumanで、人間というのはどうなんだ〜〜〜?!?!ってもらい泣きしながら抗議するわけわからんことになりましたが。スコッティがバグパイプ吹くの好き
ディケンズがちゃんとジムの手に戻っていて良かったし、老眼鏡が半壊してて、裸眼で一生懸命読もうとするジム好きです。ここにきてコバヤシマルテストがブッ刺さってるジムのこの人の死をチートで回避して直視しなかった、自分は無能だ、と言ってしまうこの今は無力感しかないんだろうなデビットくんがいてよかったです。理解しようとしてくれる存在はやさしくあると思う。
ジェネシスの星を、あらゆる意味で特別な存在にしてしまったな、とジムの表情を見ながらエンディングでした。大丈夫?と言うボーンズがあったかい。スポックが眠るならそこが"どこより勝る我が憩いの場所"なんだ……はあ………ねえこれ初見で映画館で観た人、どうやって家に帰ったの?ものすごい心境だよ…………

じゃ、ミスタースポックを探しに行きますか!!!!!!21世紀の人間の特権!!!