もちこ
2022-08-18 18:59:03
2403文字
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日々愛 もちこ解説

『日々を愛している』の解説です。

 今までは書いた文章に詳しい解説をつけることはほとんどしないままに歩んできたのですが、意味がわかると怖い話のような終わらせ方をした『日々を愛している』を思い切って今回解説してみようと思います。日々愛をまだ読んでない方はぜひ一度目を通してから本文を読んでみてください。

そもそも千とか二千字で話を要約できるのなら、始めから一万字なんて書きません。しかし文章には、書き残した瞬間に消えてしまう感情があります。例えば『好き』はそのまま言葉にすると、必殺技出す時に技名を叫ぶヒーローみたいに作り物っぽくなります。夢小説を書くって、たった二文字を読むために画数が一万画必要な超難読漢字を書く作業のように思います。一画でも欠けると成り立たないから、短く纏めて紹介しても、表面だけを触って大切なものは取り零す結果になってしまうような気がするのです。

でも私だけが色々考えても、結局読む人に伝わらなければ何の意味もないので、今回は新しい挑戦として解説を書いてみることにしました。お話を百倍楽しむためのマクドナルドのポテトにつけるケチャップみたいな感覚で読んでください。ケチャップ派じゃない人は、たこ焼きにつけるソースとか適当に想像して納得してから進んでください。

 まず『日々を愛している』は去年読み切りとして投稿した、『命が輝いている』の1年前の時間軸の話です。王子や夢主が高校2年生に進級した4月から話が始まります。
冒頭の文章にもあるように、既に用意されている正解を探すことよりも、自分の心で感じ取るという行為に特別な価値を見出している夢主は、ひとつの正解や正しさを追求しようとする学校生活に味気なさを感じています。そんな学校の中で見つけた1つの楽しみが、“自分の感情を発揮する場”である、“図書だより”です。
 折角芽生えた気持ちも、永久に続くものではない。波紋が広がりながらやがて消えていくように、感情は時間に薄められていく。それならばいっそのこと、その日のことはその日に置いてきて、感情のサイクルをどんどん回す。その代わりに感情に形を与えて可視化させることで、いずれ無くなってしまう気持ちを“存在した物”として一枚の紙の上に残す。図書だよりは本を読んだその時に自分が感じたことをありのまま書く、言わば感情の履歴書のようなものです。
大胆にも彼女はそれを図書室前の廊下に勝手に掲示します。何も感じなければ気付かずに通り過ぎるだけで、ティッシュ配りや自動音声のセールスみたいに影響力も存在感もないただの紙切れですが、一度立ち止まって彼女の心を受け取ってしまった人にとっては、ただの紙切れではなくなります。

 王子と夢主が一番初めに話すきっかけになったシャーペンは本当は彼の私物ではありません。「見つけた」とか「探したよ」という言葉の主語は『シャーペン』ではなく、『貴方』です。同じ本ばかり借りていたこと、図書委員に立候補したこと。それは彼が図書だよりを通し、名前も顔も知らない人の心の在り方に興味を持ち、追いかけてきた軌跡です。しかし彼はそのことをあえて本人に告げず頬袋に詰めたまま、相手がどんな人なのかをもっと知るために話をし、丁寧に時間を重ねていきます。他人のシャー芯もまるで自分の物であるかのように与えます。

 夢主にとっての王子のイメージが変わるきっかけが靴投げ事件です。好きな女の子に冷たい反応されてついいじめちゃった男の子のことを、ついついボコっちゃう男の子王子一彰。ズルい役ばっかり掻っ攫っていくようですが、夢主が感受性豊かで繊細な子だと誰よりもわかっている彼が、あの場面で何もしないわけがありません。恐るべきは民衆を味方につけちゃう圧倒的パワーと最後にしれっとオチをつける頭の回転の速さに心優しさ

 美術館で見たのは具体美術の作品を想定して書いています。頭を使って作品を鑑賞する王子と心の目で鑑賞する夢主の性格が対比される場面です。自分にはできない見方をする人。同じ目で世界を見ることが叶わないからこそ、王子が抱いていた興味は憧れへと変化していきます。でも夢主にとって本当に大切なのは、“同じものを見てくれる人”ではなく、“自分を理解してくれる人”で、それを無意識にクリアした王子はもう既に唯一無二の存在になっています。

そしていきなり降ってきたような告白シーンに入ります。クソデカ感情を募らせた上、色んな言葉を知っているはずの王子一彰がドストレートに、ノーガードで告白します。オフの日はチェスしたり馬に乗ったり貴族生活してるのかもしれないけど所詮彼も高校生なので、嬉しくて溢れちゃった好意は抑えきれません。無意識が一番可愛い王子一彰〜!マック尋問中は夕食前だというのにも関わらずビッグマックをキメて〜!

集中力が切れて自我が出てきたので突然ですがそろそろ解説を終わりたいと思います。

『大切なものは手放さない』という言葉を王子は交際後も変わらずに大切にしていて、『命が輝いている』でも彼女の手を離しません。
もちろん本当の意味での恋人同士になれるのは夢主が愛されるだけじゃなく、愛すことができるようになってからなのでまだちょっと先になりそうですが……二人ならきっと大丈夫!出来ます!早く終わらせようとして投げやりになってきました。

ここまで読んでくださった方、どうもありがとうございました。こんな風に色々と書いたのは初めてなので不安と羞恥で投稿ボタンを押すまでに時間がかかりそうですが、この解説を読んだ後、少しでも作品の見方が変わったり、良いお話だと思ってもらうために勇気を出します

改めて読んでくださりありがとうございました。必死になりすぎて絵文字を1つも使ってないので最後にまとめて使います。ハッピーラッキーラブスマイルピースドリーム❣️🐰✨🫶💌

もちこ