しゃどやま
2024-12-28 22:50:52
2042文字
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【お静と戴さん】藪の中

静流受けと戴天受けってどっちも多いよね〜(嬉しい)
じゃあ酔いどれ朝チュンしたらどうなるんだ?
という話です。オチはない。

 眩しい光に目が覚める。カーテンの隙間、窓から差し込む光だった。
「うー……あー……
 俺は言葉にならない声を出す。ものすごい倦怠感と頭の重さ、喉の渇き。記憶無くすほど酔えた日のヤツ。
「ここどこ……誰んち……?」
 ろくに開かない目で探るが、スラムデイズの拠点ではないことしかわからない。シーツの手触りはパリッとしていて、民家とは思えなかった。
「ホテル……?」
 体をゆっくり起こすと、自分の服装がガウンだとわかる。あーね、これはね、そういうね。
 しかし女の子を口説いて成功した記憶はない。というか酔っ払い過ぎていて、デキないよね多分。
 シーツをめくる。隣に人肌を感じた。
……は?」
 金の長い髪。わーお。
 見知った顔。やばい。
……高塔さん?」
 隣では、同じくガウン姿の高塔さん(二十八歳男性)がすやすやと眠っていた。

 やばい。やばい。知り合いと寝たのってやばくない?
 しかも大社長の上にライダーの先輩に手を出したとか、人生まれに見るヤバさじゃない? 俺人生の記憶ないけど。ウケる。いや笑えねーから。
 なんか知らないけどルーイにめちゃくちゃ怒られそう。あいつのビジネスパートナーだし。
 ランスにもしっかり怒られそう。いや前から怒られてたけど。それはそれとしてヤバいし。
 Qには……Qには知られたくないな。企業相手にしたイタズラとかヤバすぎる。
「ハッ……! まだそうと決まったわけじゃない!」
 俺は自分のガウンを剥く。キスマークや歯型はない。ピュア!
「大丈夫だよな……? 俺、何もやらかしてない……感じ……?」
 ちら、と横目で高塔さんを見る。ガウンがはだけて鎖骨まで見えている。
 ――ちいさな鬱血痕、いわゆるキスマークがある。
「終わった……先輩に手を出した……
 頭を抱える。記憶が無いことが救いかつ恨めしかった。
「いや、そうだとして……
 俺は顔を上げる。ずきずきと痛む頭が改めて問題を出してきた。
「その……高塔さんは、どっちだったんだ?」
 イメージする。さっきまで俺がイメージしていたのは、こうだ。

 俺はナイスガイに微笑み、高塔さんの顎をくいと持ち上げる。
「高塔さん……優しくするからさ……
「ああっ海羽くん……っ私、こんなこと……
 ベッドにドサッともつれ込み、シーツに沈む二人。

 だが、違う可能性もある。

 イケメンな高塔さんは俺の頬に手を当て、目を覗き込む。
「海羽くん……思い出の夜にしましょうね……
「ああっ高塔さん……! やさしくしてください……!」
 ベッドにドサッと以下略。

 ――こっちなら、多分、悪いのは高塔さんだ。
 酔った俺を連れ込んでいただいちゃったなら、俺は悪くない! 多分!
「そうだそうだ、俺、多分泥酔してたからさ……デキないと思うし……っていうかいくら高塔さん相手でも男だから勃起しないと思うし……
 多分。多分が言葉に増えていく。
……でもな……別に体に違和感無いんだよな……
 自信がない。友達のゲイ(リバの人)は、女役をやると股関節が痛いだのトイレ近くなるだの言ってたけど……俺の体に異常はない。
……起こすか?」
 ちら、と高塔さんをうかがう。すやすやと眠っている。朝日とともに起きてそうなのに、全然寝てる。
 意を決して、肩を揺する。なるべく誤解のないように、指一本で。
「もしもーし……朝ですよ……
 高塔さんは目をぎゅっと閉じると、嫌そうに寝返りを打つ。もごもごと言った。
…………あとごふん……
「定番に寝ぼけてる感じ……?」
 困った俺は、とりあえずベッドから降りる。妙に高級なホテルの部屋の中を歩き回って私物を探した。

 クリーニングから帰ってきている俺と高塔さんの服。テーブルに置かれていた俺のカバン。と戴天さんのカバン。
 とりあえずスマートフォンを取り出すと、ルーイからメッセージが届いていた。内容は「酒捨てるぞ」。意味がわからないんですけど。
「リーダー、俺に昨日何があった?」
 メッセージに既読がつく。しばらく待って、返事が届いた。「知らねー。高塔に聞け」。
「その高塔さんが寝てるんだってば!」
 感情をそのまま打ち込む。しぶしぶといった気配をスマートフォン越しに感じながら、ルーイの返事が来た。

「吐いちまって服を汚したから、近くのホテルで着替えさせるって連絡来てたぞ」

 それだ。俺はガッツポーズする。服を替えるためにホテルに来て、ガウンに着替えさせてくれて、クリーニングに出してくれて、そんで寝てた俺の隣で寝ちゃったんだ。
 神様ありがとう。ヤバいことにならなくてよかった。
 っていうか高塔さんも疑ってごめんなさい。マジで迷惑かけてるじゃん。謝っとかないとな。
「ん?」
 ベッドを振り返る。まだ眠ったままの高塔さん。
「じゃ、高塔さんのキスマは一体……?」
 




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