雪成はす子
2024-12-26 21:18:37
1908文字
Public 💛関連
 

いずれガンにも効くようになる

全く怖くない季節外れの💛のホラーwith👒さん
🐯さんと🐬くんがホイホイ体質で🐧と🕊くんが見える聞こえる祓える体質
じゃあンピ世界で一番そういう能力強そうなのは誰か!?って考えたら太陽神しかいねえよなぁって思って書いてみたネタです
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今日は麦わらの一味との合流日、だというのにキャプテンはいつも以上に目元の隈が酷い。

「また徹夜したんスか」
「カルテを纏めていただけだ」

眉間の辺りを親指でぐりぐりと押さえるキャプテンに、はあ、と溜息が零れる。キャプテンは気付いていないが、俺から見ると隈以上に気になるものがキャプテンの肩に乗っていた。

あ~あ、また厄介なモン憑けてるなぁ。

やれやれとかぶりを振る。どうせ言った所で信じて貰えたためしがない。零感な上に霊的なものを信じていないから致し方ないんだけど、せめて自分がホイホイだという自覚は持って欲しい。
いつもは仕方なく俺が対処するが、今日はあえて放置している。面倒臭いというのもあるが、何より今日は麦わらの一味との合流日だ。それが何を意味するのかと言えば。

「お~~~~~~~い‼ トラ男~~~~!!」

遥か遠くから、びゅううんと腕がキャプテンに伸びてくる。サウザントサニー号の船首から腕を伸ばした麦わらが、キャプテン目掛けて文字通り飛んできた。と、同時にヒィィィ! とこの世ならざる者の悲鳴が聞こえ、ジュワァァァとこれまた音が聞こえていたなら何かが瞬時に蒸発するような音がしたであろう速度でキャプテンの肩に乗っていた黒い影が跡形もなく消え去った。うん、いつもながら鮮やかな浄霊だ。

「久しぶり、麦わら」
「おう、ペン! お前らひっさしぶりだなぁ~」

キャプテンの肩に飛び乗ったまま、麦わらはいつものニコニコ笑顔で俺に挨拶する。若さもあるのだろうが、まさに太陽そのものと言った笑みだ。これは確かに悪霊的なヤバイ奴らは蒸発しちまうよなぁ。せめて浄化されて次は綺麗な魂でいてくれる事を願う。
あ、そうだ。

「麦わら。久しぶりに会ったからシャチがガルチューして欲しいって」
「はぁ!?」

傍らにいたシャチを指さしながらそう言うと、シャチは素っ頓狂な声を上げた。「いいぞ!」と快諾するのと同時に麦わらの腕が伸び、あっという間にシャチに飛び乗る。急に飛び乗られてシャチは悲鳴を上げていたが、構わず麦わらはガルチューしていた。ひとしきりシャチにガルチューしたら今度は俺に手が伸びる。あ、やべ。

「ガルチュー!!」
「うわっ俺はいいって!!」

断るよりも麦わらの方が早かった。シャチと同じように頬をスリスリされる。いや頬がもちもちですべすべで凄く手触りが良いが、そういう問題じゃない。よろけた俺にしししっと笑い、麦わらはまた腕を伸ばした。方向からして今度はベポが餌食になるらしい。まあ、ベポは元々ガルチュー文化のあるゾウ出身だからいいのか。

「俺はいいって言ったのになぁ」
「というか何で俺に先にやらせたんだよ」
「え? あー……予防接種的な?」
「何が」
「ガルチューじゃなくても良かったんだけどさ、麦わらに一定時間くっついて貰うと寄って来なくなるから」
「だから何が」
「説明し辛ェんだが……まァ、虫除け的なモンだと思ってくれていいぞ」
「いや意味わかんねぇんだけど」

シャチが首を傾げるのも致し方ないだろう。キャプテンも大概だが、シャチもホイホイ気質だ。よくあちこちで良くないモンひっつけて来たり、知らない声に誘い出されたりしている。ガキの頃からだからシャチはまだいいと思っていたが、キャプテンと行動を共にするようになったら労力は単純に二倍になった。何がって、そういうモンから二人を守る労力がだ。
最初に仲間になったハクガンがそういうものに強い性質で本当に助かった。クリオネというホイホイがもうひとり増えたが、それでもこういう問題は俺とハクガンでいつも対処していた。
けれど上には上がいる。麦わらを見ていると、本当にそう実感する。
麦わらはヤバイ。何がって、まず悪霊的なモンは絶対に寄って来ないし近付けば瞬時に蒸発する。あんな光景は初めて見た。かと言って霊的なモンを全部排除するのではなく、良い霊は気持ち良さそうに麦わらの周りを舞っている。日光浴(?)してる霊なんて初めて見たぞ、俺は。
それだけじゃない。麦わらに抱き着いて貰うと、それから暫く霊的なモンが全く寄り付かなくなるのだ。あの原理は一体何なんだと毎回思うのだが、結局分からないままだ。だが、暫く霊が寄って来なくなるという事は、実質的に俺とハクガンの負担が暫く減るという事だ。これは全く喜ばしい事なので、麦わらに会う度にガルチューして貰うようにしよう。うん、これからもそうしよう。

……アレだな。いずれ難病にも効果がありそうだよな」
「ンなわけねえだろ」

ぼそりと呟いた俺の言葉を、シャチはばっさり切り捨てた。