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ミイ
2024-12-25 07:48:27
1425文字
Public
静なつ
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クリスマス2024
・静なつです。
・大人になった二人。同棲中。
・クリスマスのお話です。
・夢で見たお話を書き出してみました。
「なつき? どないしたん?」
「あ、ああ」
買い物の途中。突然袖を引かれて静留は振り向いた。スーパーに入ってすぐの、特売、季節もの売り出しコーナーで、連れ合いの足が止まっていた。引っ張られた、というより、静留の袖を掴んでいたなつきが止まったのだから必然的にそうなっただけだったらしい。静留はじ、となつきの視線を辿る。その先にあったのは
……
。
「なつき、もしかしてそれが欲しいん?」
「え? いや、別に
……
。ただ、何が入ってるんだろうって気になっただけだ」
赤や緑や。はたまたアニメのキャラクターのようなものまで。棚に所狭しと並んでいるのは、靴下やらブーツの形をしたものたち。いわゆるサンタブーツというもの。
静留も親に買ってもらったことや自分で買ったことはないものの、なんとなく見える中身に、駄菓子のようなものが入っているのだと察せられる。あまりお菓子も食べないけれど、クリスマスのパッケージは特別感があるし、なつきも気になっているようだし。
「そういえば、うちも買ったことありませんなぁ。買ってみます? せっかくのクリスマス、やし」
「え、いいのか!?」
「ええ。好きなの選びよし」
「ありがとう静留! どれにしようかな
……
こっちの赤か? いや
……
この缶も捨てがたいな
……
」
うきうきとした気分を珍しく顔に出して、棚の端から端まで、全部見て回るなつき。時折名前を呼ばれて「見てみろ。これデュランにそっくりじゃないか?」なんて満面の笑みで言うかいらしい子。
「それにします?」
「うん。静留はどれにするんだ?」
「うち?」
「え、静留はいらないのか?」
「うちは
……
」
はしゃぎすぎてしまっただろうか、と思っているに違いない。ぶんぶんと振られていた尻尾が、しょんぼりと垂れているのが見えるようだった。正直、ここにそこまで心惹かれるものはない。だけど恋人がこんなにも期待に満ちた瞳で見つめてきてくれるのなら。
「ほな、うちはこれにします」
「おお! そっちもなかなかいいな。かわいいじゃないか。なんのキャラクターだろう」
「ふふ。なんやろね。帰ったら調べてみましょ」
子供らしい子供時代を過ごせなかった大人の二人が、子供向けのサンタブーツを二つ、カゴの中に入れて歩き出す。それはいつかの自分たちに、もう大丈夫だと伝えているかのようだった。
「中は何が入ってるのかな」
「家に帰ってのお楽しみどす」
「ああ。帰ったらすぐ開けよう。な? 静留」
「ふふ。そない焦らんでもお菓子は逃げませんえ」
「それは、そうだが
……
」
頬を赤く染めて目を逸らす彼女。愛しい恋人の頬にキスを落としたい、という気持ちをなけなしの理性でなんとか抑え込む。
こんなにも愛らしい子を前にして、我慢できる自分を褒めてあげたいくらいだ。
さあ、今日買うものは後なんだったか。カートを押してくれるなつきの横を歩きながら、静留はそっと、なつきの腕に自分の腕を滑り込ませる。とん、と肩に頭を預ければ、少し驚いた顔をしたなつきが、ふわりと花が咲いたように笑ってくれた。
◇◇◇
そんな二人が家に帰って、駄菓子を楽しみ(なつきは思ってたより少ないだの、底上げされているだの文句を言っていたが)そして次の日の朝。目を覚ました時にはブーツの中身が変わっていて。珍しく早起きしたなつきが、上気した顔で静留を揺り起こすのは、また別のお話で。
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