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スサ
2024-12-24 21:14:36
1827文字
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【シネコン軸・親友ズ+幼児】俺がプレゼント
きたくん2歳くらい?シネコン軸で親友なふたりと、めちゃくちゃ自分に懐いてくれてる友人の子を溺愛してるおじさんの話
「
……
水木よ」
親友は珍しく渋い顔を水木に向けた。いつも朗らかな彼にしては本当に珍しいことだ。逆はあるが。
「なんだ」
スマホの画面から顔も上げず(渋面はスマホに映っていたのでわかったが)水木はぞんざいな返事をする。
「おぬしに言っておかねばならんことがある」
「随分もったいをつけるじゃないか。なんだよ」
水木はようやく、ちらりと片目だけ親友、あるいは腐れ縁の男に向けた。あまりにも仏頂面なので、つい笑ってしまった。
「なんで怒ってるんだ?腹減ったのか」
「怒っておらんし腹も減っとらん、そもそも腹が減ったら怒ると思われておるのか?」
水木は肩をすくめた。
「で、なんだ」
「おぬし
…
、いくらなんでも買いすぎじゃ!せがれのためにもならん!」
白髪の大男は、今日という今日は言わねばならんと目を吊り上げ言い切った。水木はぽかんとする。
…
親友、ゲゲ郎という男には小さな一人息子がいる。これがどうしたことか、ほとんど赤ん坊の頃から水木に大層懐いていて、水木もその小さな男の子が可愛くてしかたない。何しろ遊びに行くと満面の笑みで迎えた上に、ずっと膝の上から離れないほど。小さな手で水木の服を掴んで離さず、帰る時など毎回愁嘆場だ。これが可愛がらずにいられるものか。
…
というわけで、独身で仕事が趣味のような水木は、ついつい親友の息子、鬼太郎の前に財布の紐が緩みがちだ。ましてクリスマスなんて大義名分があったら、ここで奮発せずにいつ奮発するのかという勢いだ。
「なんでだよ。あんなに懐いてくれるのはきっと今のうちだけだ。それくらい許してくれよ」
ゲゲ郎は微妙な顔をした。親だけに、我が子の執着の行き着く先についてやや心配がある。成長したら今のようでなくなるかと考えた時、ゲゲ郎にはとてもそうは思えないのだった。
「なあ。
…
鬼太郎電車は好きかな」
「高級模型をカートに入れるのをやめんか!せめてもっと子ども向けのものにせんか、恐ろしいやつじゃ
…
!」
水木がクリックしようとするのをどうにか阻止し、ゲゲ郎は息を切らせた。鬼太郎可愛がり妖怪の相手も大変だ。
「そうか
…
、じゃあこっちかな
…
」
「じゃっ、かっ、らっ!なんでもかんでも買い与えるでない!」
油断も隙もないやつじゃ!という親友の嘆きも、水木の右の耳から入って左の耳に抜ける有様。
はぁぁ、と盛大なため息をついた後、ゲゲ郎はおもむろに固い声で「水木」と呼んだ。さすがに水木も雰囲気の違いに顔を上げる。
「わしはの、本人に聞いたぞ。ほしいものを」
水木が鼻の頭にしわを寄せた。
「ずるいぞ、親特権じゃないか」
「だって親じゃもん」
ふん、と胸を張った後、ゲゲ郎は続けた。
「サンタ殿にお伝えするからの、鬼太郎、クリスマスにほしいものを教えておくれ
…
、そう聞いたわしに、あの子は何と言ったと思う」
「わかんねえけど、定期解約した方がいいか?」
「せんでよいわ、たわけ」
カッと目を剥いたゲゲ郎に、そうか
…
、と水木はやや納得いっていない顔でそれでも頷いた。納得せんかとゲゲ郎は思った。
「水木だそうじゃ」
「は?」
「せがれはの、うーんと考えた後、ぱっと笑っての、みじゅ!と言うたんじゃ」
「
………………………………
、え
……
?」
舌足らずに自分を呼ぶ鬼太郎の声が耳に蘇り、水木は呆然とする。
みじゅ、かえっちゃや、と縋り付いてくる小さな手足も一緒に思い起こされる。遊びに行くと走って迎えにきてくれるあの子の、体温ややわらかさや
…
。
水木は呆然と口を押さえた。片手を意味もなく上げ、待ってくれ
…
、と呻く。
ゲゲ郎はそこでやっと常の穏やかな顔を浮かべ、うむ、と満足げに頷く。
「俺が
………
、プレゼントに
……
?」
呆然とつぶやいた親友に、ゲゲ郎はうんうんと頷く。
しばし黙り込んだ水木だったが、しかし、次に顔を上げた時には決意にみなぎる顔をしていた。
あれっ
…
わし、ちゃんと伝えたんじゃけど
…
、水木がおればそれだけであの子は喜ぶんじゃけど
……
?とゲゲ郎が混乱に陥るのも構わず、水木は声高らかに宣言した。
「世界一のプレゼントに、俺はなる!手始めにこの
…
」
「じゃからスマホを離せ、クリックをするな!水木!」
「離せ馬鹿力!停めるな!俺がサンタでプレゼントだ!」
「こやつ全然話聞かぬ〜!!」
男達のバカ騒ぎは当の鬼太郎から「
…
もちもち?」と電話がかかってくるまで続いた。
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