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mineml
2020-12-21 12:19:09
577文字
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【SS】ベラドンナ現未×
通過後、HO4
アネモネはまだ咲かない
夜風の厳しさが、もう随分とやわらいできた。
それでもまだ寒いから、寝息を立てる素振りをしている英美里が凍えないように、わずかな時間だけ煙草に火を灯す。
進級まで、あと数日。
クラスの人数はあれからも徐々に減っていった。取り残された面々で、ガラス玉のような瞳を見交わし穏やかに箱庭を暮らしている。4月にはまた、何も知らない新入生たちが入ってきて、囁かれる噂に胸を高鳴らせては姿を消していくのだろう。
凛とゆうは、もっとも幸福なうちの一対に違いなかった。
だからもうやめようと思っている。
ーー凛ちゃん、素が出てるよ。
ーーゆうちゃん、ちょっと元気ない?
そうやって親切めいて、互いになることを選んだふたりにちらつく違和を少しずつならしていたのだけれど、それはきっと自分の未練でしかないのだ。
毎日教室で顔を合わせるうちに、ふたりの性質がだんだんと溶け合っていって、自分が目で追っていたゆうの姿がどちらの身体にも定かに捉えられなくなってから、あのもどかしく甘美な熱はそっと息を吹きかけられたように消えてしまった。
(
……
煙草にも、けっこう慣れたはずなんだけど。変に目に染みるなぁ
……
)
滲んだ涙をまばたきで払って、細く開けた窓の外を眺める。甘い花の香りの夜に包まれた少女たちの箱庭に、苦い煙が一筋流れた。
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