三毛田
2024-12-23 20:14:28
1068文字
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50 050. チョコレートキス

50日目
甘い甘いキス


 触れて、すぐに離れて。
「甘い……
「キスしてきたのは丹恒なんだから、文句言うなって」
「まさか、お前がチョコレートを食べていたとは思わなかったんだ」
 と言いながら、自分の口を手で隠して。
 俺は、丹恒がキスしたことでまばらになった唇のココアパウダーを、舌で舐める。
「そんなに俺とキスしたかったんだ」
……最近は忙しかっただろう。だから、お前とのすれ違いが多かった」
 若干ためらいを見せつつも、素直に思っている事を口にする。
 丹恒にしては珍しい。
「確かに」
「だから、その……ようやく二人きりになれたから、触れたかった」
「だったら」
キスじゃなくても。という言葉は、唇の奥に消えて。
「キスしたかったんだ。もっと欲を出すと、お前をここに欲しい」
 〝お前を〟と言いながら股間を撫でてきて、〝ここに〟でその手を自分のお腹を当てる。
 どこでそんなエッチな誘い方を覚えたんだ、丹恒は。
「いいの?」
「俺はお前が思っている以上に、お前が好きだ。そして、自分でも思う以上に、お前と体を重ねるのも好きだ」
 なんて言われたら、こちらだって我慢できなくなる。
 ごくりと、口の中に溜まってきた唾液を飲み込む。
「穹、いいだろう」
 有無を言わせぬ声色と手つきに、気づいたら頷いていた。
 ベッドがすぐそこで良かったと、この時ばかりは思う。
「ダイニングテーブルに、チョコぶちまけたままだ」
「それなら、袋に戻しておいたぞ」
「いつの間に!?」
「お前がうとうとしている間にだな」
 タオルで頭を拭きながらこちらへ来た丹恒は、俺のクローゼットを慣れた手つきで開けて適当にシャツを引っ張り出して身につける。
「丹恒、お風呂入るんなら起こしてよ」
「汗を流してきただけだ。ほら。水分補給しろ」
「自分はしたのか?」
「これからだ」
 鱗淵氷泉の口を開けると、一気に半分ほど煽って。
 俺は渡されたスラーダをちびちび飲む。
 こういうところとか、男前すぎるんだよな。丹恒は。
「で、満足したのか?」
「した。と言いたいところだが、本音を言えばもう少し」
「そういう触り方、やめてもらっていいですか?」
「わざとだ」
 シーツの上から、指先でツツっと形をなぞるように触れてきて。
 なんとか少し落ち着いたところなのに、こんな触られ方されたら
「我慢出来なくなるだろ」
「我慢してほしくないから、わざとだと言ったら?」
「もう!」
「ふふっ」
 ボトルの口がきちんと閉まっているのを確認してから、嬉しそうな彼をベッドに引き摺り込む。