haru_haru0704
2024-12-22 23:32:35
2094文字
Public
 

サンタ殿

カカロ×忌炎 全年齢

サンタ殿を信じてる忌炎の話(哥舒臨さんもちょっといる)
落書きだから、クオリティとか細かいことには目をつぶってください

クリスマスの日は、部下たちに休みを取らせてやりたい。
カカロと忌炎は、そのような考えを持つ心優しき統率者である。
ゆえに、部下たちは彼らのことが好きだ。好きだからこそ、優しさを与えられるばかりでは申し訳ない。
クリスマス当日は無理でも、日にちをずらして休みを取ってはどうか。部下たちはこぞって、彼らにそう進言した。

*
クリスマス3日前。
カカロと忌炎は、珍しく今州城内を連れ立って歩いていた。
1日くらいは仕事を休んで恋人とデートでもしたらどうですかと、ほぼ無理矢理送り出されたのである。2人とも。
「市が賑わっているな。見ていこうか」
「ああ」
城内を歩いていると、広場で期間限定の市が開かれているのを見つけた。
周囲に漂ういい香りに誘われるようにして、2人は露店へと近づいていく。
「美味そうだな」
大きな腸詰めの肉が焼かれているのを見て、カカロが呟いた。
「食べるか?折角だし」
「食べる」
心なしか、カカロは嬉しそうな顔をしている。
はしゃぐ子供のよう・・・とまでは言えないが、それに近しい雰囲気を感じた。
彼は、こういった催し物に参加した経験が少ないのだろうか。

*
ベンチに腰掛け、腸詰めをつまみにして麦酒を飲む。美味い。
隣に座る忌炎も、上機嫌で酒を飲んでいる。
たまにはこうして、平和の中に身を置くのも悪くないものだ。
カカロがそう思っていると、不意に子供の声が響いた。
「あ!きえんしょーぐんだ!」
声のした方を見ると、そこには5歳くらいの女の子がいた。隣には母親らしき女性もいる。
ご迷惑だからやめなさいと嗜める母親を制し、忌炎は女の子と話し始めた。
「こんにちは」
「こんにちは!しょーぐんもサンタさんのふくろをかいにきたの?」
「サンタさんの袋?」
忌炎が尋ねると、彼女は露店の方を指差した。
「うん!おみせでうってるの!ふくろのなかに、おかしがたくさんはいってるんだよ!」
菓子の詰め合わせのようなものだろうか。
彼女は母親と共にそれを買いに来たらしい。微笑ましいことだ。
しかし、彼女は突然悲しそうな顔をした。
「まいとしまってるのに、サンタさんにあえないから・・・ふくろでがまんするの」
「サンタさんに会いたいのか?」
「うん、あいたい。おれいがいいたい」
何とも可愛らしい願いである。
忌炎は彼女にどういった返答をするのだろうか?
カカロは少しわくわくしながら、彼の言葉を待った。
「サンタさんは凄い人だから、お礼は直接言わなくても伝わる。大丈夫だ」
「ほんと・・・?」
「ああ。寝る前に、ありがとうって考えながら寝るといい」
「・・・うん!わかった!」

女の子と母親が去っていった後、カカロは忌炎の肩を小突いた。
「上手く誤魔化したな」
「うん?何がだ?」
「サンタの話だ」
「ああ、サンタ殿の話か。・・・誤魔化す、とは?」
サンタ殿。
・・・サンタ殿?
いや、それよりも。
「・・・礼を、直接言わなくても伝わるというのは・・・」
「ああ。凄い方だな、サンタ殿は」
・・・もしかしてこいつ、サンタを信じているのか?
いや、まさか。そんなわけが。
とっくに成人済みの男だぞ?
「お前は去年、何をもらったんだ?俺は最新の医学書をもらった」
忌炎はきらきらと曇りのない瞳でそう言った。
ちょっと待ってくれ。どこからどう見ても本気で言っているようにしか見えない。

***
忌炎と別れた後、カカロはデバイスを操作し、とある人物に連絡を取った。
「哥舒臨!どうなってるんだ、お前のとこの教育は!」
『何の話だ、藪から棒に』

『ああ、夜帰のクリスマス会な。この時期は、休みが取れなかった兵士どもの家族が軍宛てに贈り物を送ってくることが多い。それをいちいち個別に渡すのは非効率だから、25日の朝に食堂にドンとまとめて置いて、各自が自分宛てのを持ってく形式にした。もう何年も前の話だな。で?それが何だ』
「忌炎がサンタを信じている」
『ぶはははは!何だと、それは愉快だな!』
哥舒臨はひとしきり笑った後、合点がいったというように頷いた。
『クリスマス会での茶番のせいもあるかもしれんな。贈り物を開ける時は、大袈裟にサンタに感謝しながら開けるのが習わしになってるんだ。俺もやる』
カカロは、サンタに感謝する哥舒臨の様子を想像した。
ちょっと、いやかなり見てみたいかもしれない。
『今年のクリスマス会の様子を録画して、お前に送ってやろう。忌炎がどんな反応をするか見たいだろう』
「・・・助かる」
『ああそれと、お前も何か忌炎に贈りたいのであれば、軍宛てに送っておけ。贈り物はいくつあってもいい、そうだろう』
「そうだが、その場合サンタとの整合性はどうするんだ?1人1つが普通なんじゃないのか」
カカロがそう言うと、哥舒臨は心底面白そうに笑った。
『そんなもの、適当に誤魔化せる。今年はいい子にしていたからだとか、ルーレットで当たりが出たからだとか』
「なるほど」

哥舒臨との通話を切ったカカロは、さっそく行動を開始した。
忌炎への贈り物を見繕うためである。