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三毛田
2024-12-21 22:32:16
3164文字
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アドベント24
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21 01. 悪戯に
21
見えない何かに翻弄される
「ウーウーボ、それは駄目だってば」
キャッキャと楽しそうに笑いながら、一匹のウーウーボは間違ってばらまいてしまった写真を持って飛び回って。
「ん? 大丈夫か?」
アーランと共にヘルタ内を巡回中だった丹恒にぶつかると、悲鳴を上げて俺の後ろまで飛んできて隠れる。
「これは
……
お嬢様が整理してくれと頼んでいた写真か?」
「そう。アーラン、ごめん。拾ってくれてありがとう」
アーランは、写真を拾うと手渡してくれて。
「随分ウーウーボに懐かれているんだな」
「まあ、それなりに」
「なら、あまり悪さをしないよう言い聞かせておいてくれ。ここは、研究熱心な人間が多く在籍している。実験体にされてしまうかもしれない」
彼の言葉に、また悲鳴を上げて震え出す。
「悪戯はしないよな?」
問いかけると、高速で頷いて俺の上着の中に隠れて。
「それならいい。ところで、貴様はウーウーボたち以外とは会っていないか」
「とりあえずは。まあ、後はセーフティエリア外の裂界生物くらいしか。何かあったのか」
上着の上から落ち着かせるようにウーウーボを撫でて問いかけると、二人とも難しそうな表情に。
「不可解な現象が起きていると耳にして、俺たちはその現場に向かったんだが」
「裂界生物が暴れた痕跡もなく、かといってウーウーボたちの悪戯でもないようで」
「なるほど。俺はデカいウーウーボに頼まれて、こいつを探して連れて行くところ。で、整理整頓を頼まれたものさっきの写真を、間違ってばら撒いて弄ばれていたら、二人が来たってところだ」
「そうか。なら、こちらじゃないな」
「他の場所を確認しよう。ヘルタは、非戦闘員のほうがはるかに多い」
「こいつを送り届けて、写真の再整理終えたら俺も合流する?」
「いや。貴様はお嬢様がいる主制御部分の護衛を頼む。他の戦闘員にも、何かあったらそこに誘導してもらうよう話はしておく」
「了解。何かわかったら、教えてくれ」
「ああ。穹、あまり甘やかすな」
「俺が一番甘やかすのは丹恒だけだから、安心しろって」
頬を撫でてから、軽くキスをして別れる。
アーランは見ないふりをしてくれたが、上着の中のウーウーボは顔を真っ赤にしてプルプル震えていた。
これは、明日になる前に全ウーウーボに話が広がるんだろうな。
送り届ける道すがら、他にも迷子になっていた個体を連れていき。
全員を送り届け、お礼を聞いてから主制御部分のアスターにアーランたちと話したことを伝える。
「そうね。それなら、この件が片付くまでお願いするわ。あなたたちを足止めしてしまうけれど」
「ヘルタの職員から細々と頼まれていたこともあるから、ちょうどいい機会だ。それに、なのと姫子の検診が終わらないと列車に戻れないし」
そう。
今回列車がヘルタに立ち寄ったのは、物資補給のためだけでなく、女性陣の定期検診もあったからだ。
その間暇なので、俺と丹恒は列車を降りてヘルタ内でそれぞれ依頼を受けていた状態。
そんな中、丹恒側で謎の動きを察知して今に至るというわけ。
「迷子探しは順調?」
「今日は終わった。また勝手に動き回らなければいいけど」
「あの子たちは派手に悪さをすることは少ないから、共存できたらいいなって思うの」
「俺も、ここに来ると会いたくなるからそうしてもらえたら嬉しいとは思うんだ。あいつらに頼られるのも、嫌いじゃないし」
アスターと世間話をしつつ、周囲にも気を配っておく。
変な動きをする職員が居たら、捕まえなくちゃいけないだろうし。
「終わった~! あれ? 穹、どうかした?」
「お疲れさま。なのは、ここに来るまでの間に何か見かけたりした?」
「ううん。あ。姫子はもうちょっとかかるみたい」
「そうか」
問いかけるが、なのは首を横に振って。
「ところで、丹恒は?」
「今は別件を請け負ってて、アーランと一緒」
「そうなんだ~。ウチ、ちょっとヘルタ内歩き回っててもいい?」
「いや。ここでアスターと話してて」
「えー」
「女子同士でしか話せないこともあるだろ? たまには、そういう息抜きも必要だろうし」
「うーん。まあ、そうだね! アスター、時間平気?」
「ええ。大丈夫よ」
と、二人で話し出したのでなのは放っておいて大丈夫だろう。
医務室へ向かうと、ちょうど姫子の検診が終わったようで出てきたところだった。
「あら、穹。三月ちゃんとは合流した?」
「したした。姫子にちょっと相談があってさ」
「何かしら」
俺がそう告げると、優しく俺を見た表情を引き締める。
又聞きだけど。と前置きしてから、丹恒とアーランから聞いたことを伝え。
「そう。アスターはこの件を把握しているのかしら」
「俺が伝えた。今は、なのと一緒にいてもらってる」
「三月ちゃんがいれば安心ね。まずはアーランと丹恒と合流しましょう」
「今連絡したから、その内合流できると思う」
位置情報が送られてきたので、それを姫子に伝えて二人で向かう。
「姫子さん」
「丹恒、今はどういう状況なのかしら」
「それはオレから説明します」
と、あーらんが現状報告をしてくれて。
「そう。何が起きているのか、まだ把握できてないのね」
「そうだ。だが、列車の方々にこれ以上迷惑はかけられない」
「迷惑なんて思ってないから。な? 丹恒」
「ああ。こちらとしても、参考になる」
褒められたと気付いたのか、アーランはちょっと照れたような表情に。
「ウーウーボという生物の悪戯ではなく、かといって裂界生物のせいでもない。奇物の影響は?」
「特に何かを持ち去られたとかの、報告は来ていない。封印されている物も、そのままだ」
「それなら、もう少し調べた方がいいかもしれないな」
「俺も聞き込みするよ」
「オレには話さなくとも貴様なら、聞き出せるかもしれないな。頼む」
「丹恒と姫子は」
「俺はお前と行く」
「私はひとまずアスターのところへ。ヘルタにも一応北こくしておくわ。彼女は興味はないでしょうけど」
「じゃあ、そっちはお願い」
と二人と別れて俺たちは、丹恒たちがまだ行っていないエリアの職員に聞き込みをしていく。
無難に変わったことはないか。にしておく。その方が話してくれそうだから。
「うーん
……
」
「あまり収穫はなかったな」
一度列車に戻って、今ある情報をまとめてみる。だが、大したものはない様子で二人で書き出した情報を眺めて頭を抱える。
「アーランも大変だな」
「未だに影響が残っているのだろう」
「だろうな」
「お世話になってるから、なるべく助けたいんだけどなぁ」
丹恒の頬をつつくと、指を掴まれ上へと曲げられる。
「丹恒、痛い」
「余計な事をするからだ」
「うう
……
」
こうやってたまに暴力的なの本当によくないと思うんだけど。
「俺の悪戯には、本当容赦ないよね」
「お前の悪戯は、まだ可愛い方だな」
「だったらさぁ」
「今はそのタイミングじゃないだろうということだ」
「はーい。じゃあ、アーランに報告に行こう」
「そうしよう」
「戻ってきたわけじゃないのか」
飲み物の乗ったお盆を持ったパムが俺たちを見上げてきて。
「じゃあ、それを飲んだら」
「うむ」
俺がカップを受け取ると、パムは嬉しそうな表情になる。
「飲み物?」
「いや、それは
……
可能性は、あるな」
「パム、ありがとう。ヒントになった」
「そ、そうか。それならよかった」
俺が小さな手を握ると、ちょっと戸惑いながらも礼を受け取ってくれて。
「自販機のごみ箱か」
「可能性はあるから、調べよう」
とアーランのところまで戻る。
「なるほど。調べてみよう」
「俺たちも手伝うから」
「ああ、頼んだ」
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