雪華
2024-02-12 21:57:10
1012文字
Public テリサイ
 

【テリサイ】猫みたいだね

ワンライでした!お題は『猫の日』をお借りしています。

サイラスを動物にたとえるなら、猫だと思う。
犬のような忠誠心は持たず、気ままで、自由を好む。仕草ひとつ、鳴き声ひとつでヒトを虜にするくせに、彼自身は猫撫で声で呼ばれたって知らん顔だ。
物覚えがよく賢い。しかし、時には危険を理解しながらも押し通してしまう強情さを持っている。同じ過ちを繰り返すことはまずないが、見ているこちらは肝が冷える思いをさせられる。
向こうの気分じゃない時にこちらが構っても、ふいとそっぽを向く。かといってずっと放っておけば、何やら深刻に考え込んで落ち込んだ素振りを見せる。テリオンの気も知らずになんとも勝手なものだと思うが、反面そういうところもいじらしいと感じる自分もいる。

そう思って眺めてみれば、一つに結った彼の髪は猫の尾のようにも見える。普段は緩やかに左右に揺れているが、テリオンだけはあれを激しく振り乱す様を知っている。

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テリオンを動物にたとえるなら、猫だと思う。
物静かでとても身軽だ。軽い予備動作で驚くほど高く跳躍したかと思えば、今度はまた恐ろしいほど静かに降り立ってみせる。気付けば隣や背後に立っていたことは、一度や二度では数えられない。
好き嫌いがはっきりしていて、危機管理意識も高い。旅先の酒場で出てくる変わった郷土料理は、他の仲間が手を付けてからでないと口に入れない。りんごが好きで、小腹が空くとよくかじったり、手持ち無沙汰の時には思い出すように触れている。
枷を掛けられても、心まで隷属することはない。プライドが高く、失敗や練習の姿を見られることを嫌う。以前ペンを持ち替えながら書き物をしている姿を興味深く眺めていたら、彼は酷く鬱陶しそうな顔をして作業を切り上げてしまった。

短毛種か長毛種かは悩ましいところだ。テリオンの髪は決して長い方ではないが、柔らかな髪は指通りがよいから、長毛種に喩えてみてもいいかもしれない。湯上がりの彼の髪をブラシで梳いてやるのが、ここ最近のサイラスの楽しみであった。

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ふと、一対の瞳と視線が絡み合う。自分の胸中など知らぬ彼は、どこか不思議そうな表情だ。あどけない顔を見ていると愛おしさが込み上げてくる。

(俺の愛しい黒猫よ)
(ああ、私の可愛い白猫)

眦を柔らかくし、ゆっくりと瞬きする様はやはり猫のようだ。今夜、彼は構われたい気分で居てくれるといいのだがどうだろうか。僅かに期待しながら、その傍に身を寄せた。





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