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雪華
2019-10-22 22:59:34
1425文字
Public
オルサイ
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【オルサイ】あなたの好きなところ
診断メーカーで『ムラムラしてる攻め×手を繋ぎたい受け』って出たので書きました。ただただイチャイチャしています。
恋人の好きな所はどこかと問われれば、回答は幾つも思い浮かぶ。
真っ直ぐで意志の強いところ、誰かを守るために鍛え上げられた肉体、低くて優しい声、指折り数えていけばあっという間に両の指では足りなくなるほどだ。それ程までにサイラスの恋人
――
オルベリクは魅力的な人である。
知れば知るほどオルベリクという人物は興味深く、惹かれていく自分がいた。いつしかそれは恋となり、そして彼が同じ気持ちをサイラスに向けてくれたことにより愛となって久しい。
ぱらぱらと本の頁を捲る音と、剣の手入れをする音が部屋には響いている。
既に夜も更けており、二つある寝台にそれぞれ腰掛け思い思いの時間を過ごしていた。とはいっても、サイラスは読書をするふりをしながらオルベリクの姿を覗き見ていたのだが。
オルベリクが剣を鞘に収めたのを見て、サイラスも本を閉じる。普段はグローブに包まれている浅黒い手が白いシーツの上に置かれていた。昼間は苛烈に剣を振るい、夜はそんな荒々しさを感じられないほど優しくサイラスに触れる手は、大好きなものの一つだ。
「
……
本はもう良いのか?」
「丁度きりが良かったからね。
……
そちらに行ってもいいかい?」
「ああ、勿論だ」
オルベリクの隣に座り、彼がそうしているのを真似るように自分もシーツの上に手を置く。二人の手の間にある距離は本一冊の厚みほどもなく、もう僅かに指を伸ばせば届く。ちらりとオルベリクを見上げると、真っ直ぐな視線と交錯する。
「
……
オルベリク
……
その
……
」
そうも見詰められると、なんだか急に照れくさくなって顔に熱が集まる。大好きな手に触れたいという欲求は別にやましいものではないのだからと自分に言い聞かせ、意を決して指先を伸ばした。
「
……
触っても、いいかい?」
「ああ
……
」
「ふふ、ありがとう
……
」
挨拶をするようにちょんと指先に触れ、そっと彼の手の甲に掌を重ねる。硬い皮膚の感触を確かめながら、節くれ立った指の関節をなぞる。ところどころにある古傷を見つける度に、オルベリクの歩んできた道を想像するのが好きだ。手一つをとっても彼の人柄や人生が滲んでいるようで、いつまでも観察していられる。
指と指の間に自分のそれを絡めるようにし握り込むと、よりオルベリクの体温を感じられる。彼の息遣いが直ぐ側にある。それだけで幸福な気持ちが胸に広がってゆく
――
。もっと近付きたいと思えば自然に頭を彼の肩に付け、もたれかかっていた。
「オルベリク
……
」
「サイラス
……
お前の気持ちは分かった」
「ん? わっ
……
?!」
簡単に握っていた手を振り解かれたかと思えば、一瞬で肩を掴んで押し倒されていた。ぱちぱちと瞬きをすると、覆い被さっているオルベリクがぐぐっと顔を近づけてくる。近すぎて彼の瞳に映り込む自分の姿が見えそうだ。
「オルベリク? 一体これは
……
?」
「みなまで言うな。なんていじらしく誘ってくれるんだサイラス
……
」
「誘っ
……
?! 待って、あなたは何か勘違いを
――
」
「そう恥じらうこともないだろう。たっぷり可愛がってやるからな」
慌てて否定しようとする言葉を奪うように唇を塞がれ、素早く寝間着に手を掛けられればサイラスに出来ることなどもうない。燃えるような情欲に溶かされ、溺れてゆくだけだ。
――
何もかもが済んだ後、『手を繋ぎたかっただけだった』と不満げに呟いたサイラスに、オルベリクが平謝りするのはまた別の話である。
***
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