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木蔦(キヅタ)
2024-12-15 23:01:08
1821文字
Public
ちょぎくに コメディ&シリアス
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お題をクリアしないと出れない異空間 事例①【ちょぎくに】
ある日、敵の罠か審神者の悪戯か政府の任務か、男士全員が異空間に閉じ込められる。
本丸に似てるが、本当の本丸ではない。
そこで目の前に、システムウインドウがそれぞれ表示される。そこには「このお題をクリアしたらあなたは脱出できます。それぞれ違うお題ですが、協力しても騙しても構いません。あなたへのお題は
…
」と出ている。
まんばは自分のお題を見て絶望する。
「秘めた恋を暴き、名前を知る」とあった。
無理。絶対無理。
人の機微には疎いし、例えわかったとしても聞き出す話術がない。
早々に加州が半泣きで駆け込んできて「協力して!」と頼み込んできた。是非を答える前にぎゅっと抱きつかれる。
「お前のお題は」
「美人に抱きつく」
「美
……
!?美人とかいうな!!」
加州はありがとー!と言いながら体が消えていった。本当の本丸に帰ったのだろう。
その後何人かが訪れ、協力を求められ、はたまた不意打ちを突かれ、どんどんと仲間は脱出していった。
刀剣の数も少なくなり、いよいよ焦り始める。このお題は「誰か」がいないと成り立たない。自分で試してみたがNGだった。
最後の一人になったら永遠に異空間に取り残されてしまう。
元々恋仲の刀は駄目。恋だからlikeじゃなくてloveじゃないと駄目。中には恋などしていない刀もいるはず。
まんばは頭を抱えた。
虱潰しにみんなに聞いて回るしかない。出るために協力してほしいと言えばまんばにだけこっそり教えてくれるかもしれない。
「同田貫は、その、好きなやつとかいるのか
……
?」
「あ?いねぇよ。それより俺のに協力してくれ」
「長谷部、好きなやつを教えて欲しいんだが」
「主以上に好いている者などいない!ちょうど良かった山姥切実は
……
」
「南泉!助けてくれ!好きなやつを教えてほしいんだが!」
「にゃ!?好きな!?俺はそんなやつは今の所いないけど、にゃ。そーそー、俺のやつさー」
他の刀のお題に協力するだけで、まんばのお題に該当する者がいない。
もう異空間内に数振りしかいない。
絶望に陥り、駄目元で残された仲間を訪ねる。
「協力してほしい」
「馴れ合うつもりはないが、ここを出るためなら仕方ない」
協力体制だ!良かった!
「あんたの、好きな人を教えてほしい!」
「いない」
ガーンorz
「そこをなんとか
……
!俺を助けると思って、いや実際助けてもらうんだが!どうにか作ってほしい
…
!」
大倶利伽羅の手をぎゅっと握る。
「は?」
横から冷えた声がした。
くるりと向くと長義が不機嫌そうな顔でこちらを見ている。
「え?本歌?まだいたのか?」
「お前何やってるの?まさかこんな状況下で伊達の刀を口説いてる?」
「ま、まさか!」
パッと隣を見ると消えてる。お題をクリアしたらしい。いつのまに。
「もう異空間にはお前と俺だけなんだけど」
「え
……
!」
困る。長義に好きなやつがいなければ永久に出られない。しかもまんばを疎んじてるため教えてくれない可能性もある。
「お前って好きなやついるの?」
「!?」
まさか長義も自分と同じお題だったとは!よかった!いやよくない!自分の好きな人を暴露しなければならなくなった!やばい!
「いや
……
その
……
」
「そりゃ偽物くんにはいないよね」
やれやれと呆れた顔をされた。
言いたくない。言いたくない。しかし長義をここに閉じ込めたままにするわけにはいかない。
「あの、その
……
」
「いないなら別にいいよね」
「いいとは。お前が困るんじゃ
…
」
「俺は困らないよ」
「だって出れな
……
」
長義がまんばの顎を掬い上げる。
ちゅっと口付けられた。
「ついでに助けてあげるよ。俺が好きなのはお前だ」
「え
…
!」
長義が先に消えていき、それを追うようにまんばの体が消え始める。
そして本丸に戻って来れた。
まんばはひとりで自室にいた。
「はぁぁぁぁ!?」
まんばは長義のことが好きだった。
長義が同じお題だと思った時、言うべきか迷った。本人に告白することになってしまう。それはまだ覚悟が決まらない。
しかし長義のお題は違ってたらしい。
恐らく「キスすること」とかだ。
ついでにまんばを助けるために想いのうちを明かしてくれた。
なぜ知ってる。
まんばはあわあわしながら長義を探して、告白しておしまい!お疲れ様でした!ありがとうございました!
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