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木蔦(キヅタ)
2023-11-07 20:57:56
2536文字
Public
ちょぎくに シリアス
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記憶喪失強化週間⑤おじいさんとおばあさんとまんばの話【ちょぎくに】
まんばは、ある村に住んでた。
貧しい家で、おじいさんとおばあさんに世話されていた。
まんばは美しく幻想的で、人々が魅了された。畑仕事をよくしているが、そのたびにおじいさんたちに「おまえはそんなことするな」と言われた。
おじいさんたちの手はシワだらけなのに対し、まんばは綺麗な手だった。
ある日、偉い貴族が通りかかり、まんばを見初める。汚い身なりをしているが、顔は綺麗、髪もまるで天女のような美しい色。その男は虜になり、まんばに求婚した。
まんばは農民だから、身分が違うから、と断った。「それならば名家に養子に入り、その後輿入れすればいい」と食い下がられた。
まんばはおじいさんとおばあさんが大好きだったので、断った。
しかしその男は贈り物を持って何度もやってきた。
まんばは妖艶な絶世の美女だと噂がたった。
美女を一目見ようと男たちが押し寄せ、同様に虜になっていった。男達からの贈り物でまんばの家はどんどん裕福になっていった。もうおじいさんたちを無理に働かせることもない。使用人も雇い、生活が苦しくなくなった。
噂が帝の耳にも入り、会いたいと言われる。そして案の定気に入られ、求婚されてしまった。
さすがに帝を断るのは難しい。
そこでまんばは謎かけをした。
「俺の本当の名前を言ってくれ」
視点変わるよ(((((ノ`・Д・)ノ
写しが行方不明になったと聞いた。なにをやってんだと呆れ返って、そのうちひょっこり帰ってくるだろ、と言った。
審神者は大袈裟にも捜索部隊を向かわせた。
なんせ写しは本丸の初期刀で、最高練度、極。一振りとは言え、なんとかするはずだ。
捜索部隊にもすぐ気づき、連絡を取り合うはず。
そう思ったが、数日経っても見つからない。狼煙をあげたり、鳥を使ったりできないほど衰弱しているのかもしれない。気配に聡い短刀達が総出で探しているのに手がかりすらない。
さすがに心配で審神者に捜索に加わりたいと申し出た。
そしてようやく写しの手掛かりを見つける。
都に誰もを狂わせる、妖のように美しい女性がいると言う。年寄り夫婦がどこかからか拾ってきた子で、最近まで村で療養していたが、帝に見初められて都へ行ったと。
「人を狂わせる?妖のような?そりゃそうだろ、俺の写しだからな」
視点変わるよヾ(・д・ヾ)=3=3
ある日随分と麗しい美男が現れた。
まんばはその頃には男達の相手をするのも億劫になっていた。また美しいやら褒め称えられるに違いない。うんざり。
最近では帝を撃退した一言を放ち、答えられないなら帰れと追い払うのが日常になっていた。
「俺の本当の名前を言ってほしい。お前が答えられるならどこへなりとも輿入れしよう」
男は言葉に詰まった。
この答えはまんば自身もわからない。
おじいさんに助けられて、目が覚めた時には自分の名前も、親の顔も、怪我をした経緯も記憶になかった。
大抵答えられずに終わる。たまに当てずっぽで答えるやつもいるが、それは違うと直感でわかるため断固拒否した。
今回はだんまりパターンのようだ。
「わからないなら帰ってくれないか」
「待て、待て偽物くん」
「偽物くんが回答か?それなら」
「違う!」
男は「俺の矜持を試しているのか」とか「こんな時に冗談など
…
」とか「助けに来るのが遅いという嫌味か?」などぶつくさ呟いている。
「クニヒロ、だ。ヤマンバギリクニヒロ」
そう言われた瞬間、脳内に凄まじい情報量の記憶が駆け巡った。同時に自分が何者なのか理解した。
視点変わるよ_(:3 」∠)_
翁は少し前とても美しい娘を拾ってきた。
怪我をしていて、気を失い、川の近くで倒れていた。
介抱するとみるみるうちに元気になった。
その娘はまるで天女のように美しく、月の光のような髪を持ち、一目で人を魅了するような不思議な子だった。
それでいて素直で優しく、でも儚げで、どこかに消えてしまいそうな雰囲気を持っていた。
翁の手は黒ずみ皺くちゃだが、その娘の手は白く美しい。手にタコがあるのが引っ掛かるが、農作業などしたことがない良家の娘だと言うのはわかっていた。
もしそうでないなら天が翁達に遣わした天女だろうと思った。
そしてその美貌ゆえ貴族に見初められる。荒屋に高価な布が持ち込まれ、ひっくり返った。最初は戸惑ったが、娘がこう言った。
「これを売って生活の足しにしてほしい」
そんなことは出来ないと断ったが「こんな美しい生地は気後れしてしまう。あっても宝の持ち腐れだ」と言われ、仕方なく金に変えた。贈り物だという引け目もあったが本人は頑なだった。
それ以降同じことがあり、家はみるみる裕福になった。娘は一番に翁達のことを考えてくれるこころの優しい子。翁達もまるで本当の娘のように可愛がった。
それまで結婚は断り続けていたが、ある日帝からのお達しがある。娘は翁達と離れたくないと言った。そして何とか断ってみせると帝に謎かけをした。
一介の農民が帝の申し出を断っていいのだろうかという不安もあったが、娘は上手くやったようで、おめおめと帰って行った。
それ以来、訪れる男達には同じ質問を繰り返している。
今日もまたひとりの男が訪ねてきた。
また同じように断られるに違いない、と思ったが、その男の顔を見た瞬間、嫌な予感がした。
その相貌は誰かに似ていた。
「おじいさん」
聞き慣れた声が翁を呼ぶ。
「今まで世話になった。あんた達には感謝している。俺は出て行くことにする」
その予感は当たってしまった。
ふたりはこの家から去ってしまった。
視点変わるよ
「
……
ぷっ
…
!ははっ!それにしてもお前その格好
……
!」
「仕方ないだろ、これが用意されてたんだ。この時代の知識もなく、付喪神なんて男女の違いも希薄だし、おかしいと疑問に思うキッカケがなかった」
「完全にあのご老人は勘違いしていたじゃないか、お前はまったく」
ちょぎくに?Happy End!お疲れ様でした!
タイトル改め、竹取物語の元になったかもしれないまんばの話
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